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目次
「日曜美術館」ってどんな番組?
放 送 毎週日曜日 午前9時〜[Eテレ]
再放送 毎週日曜日 午後8時〜[Eテレ]
「日曜美術館」は、今年で45年目。古今東西の “美”は、時代ごとに新たな意味を持って立ち上がってくる!そんな“美と時代の出会い”をお届け。司会は作家・小野正嗣さん。深くて、時に難しい美の世界との架け橋を目指します。
司会 小野正嗣(作家 早稲田大学教授)
1970年、大分県生まれ。パリ第8大学で博士号を取得。著書に『にぎやかな湾に背負われた船』(第15回三島由紀夫賞)、『九年前の祈り』(第152回芥川賞)、『獅子渡り鼻』、『踏み跡にたたずんで』など。訳書にマリー・ンディアイ『三人の逞しい女』など。
芸術に出会うとは、どのような体験なのでしょうか。その作品はどのように出来ているのか。どんな人に、どんな時代に、どのように(楽しく伸びやかに、あるいは苦難や障害を乗りこえて)創造されたのか。どのように受けとめられ受け継がれ、私たちにどれほど深い喜びや慰めをもたらしてくれるのか……。2年間、日美で司会を務め、実感しています——芸術へのアプローチの仕方がどれほど多様で豊かで自由であるかを。今年もよろしくお願いします。
司会 柴田祐規子(NHKアナウンサー)
1989年NHK入局。東京都出身。経済・社会・生活情報番組のリポーターやキャスター、料理、書評、映画など趣味実用番組の司会進行、「NHKスペシャル」や「ETV特集」などドキュメンタリー番組のナレーター、「ラジオ深夜便」アンカーなどを担当。
日曜美術館の司会2年目に突入です。スタジオでもロケ先でも、毎回のように発見が。傑作が生まれる背景には、物語があるんですね。その熱さと面白さを、番組をご覧の皆さんに少しでもお届けしたいと思います。そして……小野正嗣さんの珠玉の言葉と少年のようなリアクションは、日曜美術館のもう一つの見どころ。こちらもお見逃しなく♬
アートシーン 展覧会情報
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関連書籍
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日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館
北海道・東北・関東・甲信越・北陸
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NHK「日曜美術館」は、1976年(昭和51)の放送開始以来、あらゆる方向から美をとらえ、美術作家自身の言葉を記録し、作家や作品に向き合った多彩な出演者の声も丹念に拾い上げてきました。『旅する日曜美術館』(全2巻)は、この「日曜美術館」の蓄積を柱に、NHKアーカイブスのなかから「日本の近世以降の名画・名品」を語った珠玉のメッセージを抽出し、その内容を味わいながら、関連作品を所蔵する日本全国の美術館を訪ねます。本巻は、「北海道・東北・関東・甲信越・北陸」の41館への旅です。
日本の名画・名品を訪ねて 旅する日曜美術館
東海・近畿・中国・四国・九州
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東海・近畿・中国・四国・九州
NHK「日曜美術館」は、1976年(昭和51)の放送開始以来、あらゆる方向から美をとらえ、美術作家自身の言葉を記録し、作家や作品に向き合った多彩な出演者の声も丹念に拾い上げてきました。『旅する日曜美術館』(全2巻)は、この「日曜美術館」の蓄積を柱に、NHKアーカイブスのなかから「日本の近世以降の名画・名品」を語った珠玉のメッセージを抽出し、その内容を味わいながら、関連作品を所蔵する日本全国の美術館を訪ねます。本巻は、「東海・近畿・中国・四国・九州」の36館への旅です。
「日曜美術館」の再放送・見逃し動画配信は?
『日曜美術館』の再放送は、毎週日曜日午後8時から放送される予定です。詳しくは、同番組ホームページでご確認ください。
でも、放送時間に制約されずに好きな時に見たい・・・なんていう場合には、動画配信サービスがオススメです。「日曜美術館」の見逃し動画は、2021年4月以降の放送回よりNHKオンデマンドやユーネクストで配信中です。
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NHKオンデマンドは、NHKが放送した番組をブロードバンド回線を通じて、日本国内限定でPCやスマートフォン、タブレット、高機能TV等に有料で配信する動画サービスのことです。NHKオンデマンドは、見逃してしまった番組やニュース番組、そしてもう一度見たい過去に放送した番組を、いつでも好きな時間に視聴することができるというメリットがあります。ただし、NHK番組しか見ることができません。
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なお、NHKの見逃した番組を見る方法は、コチラの記事をご参照ください。
(注)なお、本ページに記載しているユーネクストの情報は2024年11月時点のものです。 最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
「日曜美術館」の放送予定
※再放送は除く。
モネ 睡蓮にひたる
放送 2024年11月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
印象派の巨匠、クロード・モネ(1840-1926)。光と色彩を追い求めたモネは、移りゆく一瞬の光景を「連作」として描き続けた。その集大成が晩年に自らが手掛けた「水の庭」を舞台にした「睡蓮」シリーズ。残した作品の数は300枚を超える。現在国立西洋美術館では、国内外から過去最大級の「睡蓮」シリーズを集めた展覧会が開催されている。贅沢な「睡蓮」の空間を回遊しながら、モネがたどり着いた境地に思いをはせる。
日曜美術館の過去の放送内容
※放送日の新しい順に掲載。
2024年
Оh!SAMMY DAY! 柚木沙弥郎101年の旅
放送 2024年11月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
型染に魅せられ工芸の道を歩むこと75年。年を重ねるほどに版画、切り絵、絵本など工芸の枠をこえて自由にその世界を広げていった柚木沙弥郎。「ワクワクする気持ちがずーっと広がっていけばいいと思うんだ」という言葉通りワクワクと手を動かし続け、色とりどりの切り絵をこしらえ天国へと旅立った。100歳をこえて出会ったワクワクの魂でつながる友だちに語りかけたメッセージ。それはいまを生きるすべての人への贈り物だ。
まなざしのヒント 埴輪
放送 2024年11月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。今回のテーマは「埴輪」。現在東京国立博物館で開催中の展覧会には、「挂甲の武人」や「踊る人々」など誰もが一度は見たことのある名品が勢ぞろい。美術の視点で見る埴輪の魅力とは?学芸員の解説を聞きながら井浦新さん、片桐仁さんと一緒にじっくりと鑑賞します。さらに東京国立近代美術館で開催中の展覧会から、埴輪と日本人の深いつながりも紹介します。
天平の輝き ふたたび 〜第76回正倉院展〜
放送 2024年11月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
およそ1300年の時を超え守られてきた至宝を間近に見ることができる「正倉院展」が奈良国立博物館で今年も開催。第76回の今回は、初出11件を含む57件の宝物が出陳されます。今回の特徴はガラス製宝物と再現模造品と呼ばれる現代の職人が正倉院宝物を再現した品が多く見られること。ゲストは、アイドルの和田彩花さんと奈良国立博物館館長・井上洋一さん。宝物を通じて、奈良時代の職人の技巧や情熱までお伝えします。
奄美への道標(みちしるべ) 画家・田中一村
放送 2024年10月27日(日)午前9時〜[Eテレ]
奄美の自然を描いた独特の作品で人気を博す画家・田中一村(1908-1977)。しかし生前は、大きな公募展で落選を繰り返し、無名のまま、69年の生涯を閉じた。奄美の傑作は、どのようにして生まれたのか。近年、若き日の作品が次々に発掘され、模索と葛藤の日々が明らかになってきた。東京都美術館で開催されている過去最大規模の展覧会を舞台に、東京、千葉に暮らしながら、独学で探求を続けた格闘の軌跡をたどる。
ひそかに春をまつ心 竹久夢二の油絵
放送 2024年10月20日(日)午前9時〜[Eテレ]
大正ロマンの画家・竹久夢二。「夢二式美人画」と称される哀感をたたえた女性像で知られ、絶大な人気を博した。近年発見され注目を集める夢二の美人画がある。「アマリリス」と題された油彩画だ。独学で描き続けていた油彩、現存するのは30点ほどと極めて貴重だ。その研究の中で、画家としての夢二の葛藤と挑戦が浮かび上がってきた。地元・岡山の美術館を訪ね、知られざる夢二の素顔に迫る。
つながる私 塩田千春
放送 2024年10月13日(日)午前9時〜[Eテレ]
ドイツ・ベルリンを拠点に国際的に活躍するアーティスト・塩田千春(52)。現在、生まれ故郷の大阪で開催中の大規模な展覧会を舞台に、その芸術の全貌に迫る。見る者を一瞬で惹きつける、糸を紡いだ大型のインスタレーション、若き日の苦悩を物語る絵画、大きな病を乗り越えて生まれたドローイング。そして、コロナ禍を経て、自分と他者、心と心の“つながり”をテーマに思索を重ねた大作に秘めた思いとは。大阪中之島美術館。
この世を楽しく美しく 江戸のレジェンド絵師英(はなぶさ)一蝶
放送 2024年10月6日(日)午前9時〜[Eテレ]
英一蝶は、元禄時代に、人々のコミカルで愛おしい姿を活写する都市風俗画で新生面を切り開いた絵師。その人生も波乱万丈。吉原遊郭で名うての太鼓持ちとして活躍したばかりか、それがあだとなって、島流しとなり、しかも奇跡的に江戸に帰還した。その姿は、講談の主役として語り継がれた。またその革新的な絵画世界を、歌麿ら後の絵師たちが思慕し続けた。まさしく江戸のレジェンドというべき一蝶の魅力を名品とともに伝える。
伝統に新しい風 〜第71回日本伝統工芸展〜
放送 2024年9月15日(日)午前9時〜[Eテレ]
卓越した技と美。日本工芸の粋が一堂に会する日本伝統工芸展が始まっています。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の工芸分野7部門で選ばれた539点の入選作が、全国12か所を巡ります。磨き抜かれた伝統の技を、新しい感覚とオリジナリティで新たな作品への昇華させた匠たち。アトリエ訪問も交えながら、受賞作16点のすべてを紹介します。とどまることなく進化し続ける日本の伝統工芸の「今」をご堪能ください!
終わらない記憶の冒険 田名網敬一
放送 2024年9月1日(日)午前9時〜[Eテレ]
先日、88歳で亡くなったアーティスト田名網敬一。多種多様なモチーフと極彩色に彩られた作品は、幼少期に経験した戦争や多感な時期に影響を受けたアメリカ大衆文化など、田名網が生きてきた記憶の断片によるコラージュだ。現在開催中の大規模な回顧展に向け、開幕直前まで制作をつづけた田名網の最後の日々に密着。さらに篠原有司男など田名網をよく知る人々と共に、独創性に満ちた田名網の作品世界を紐解いていく。
美術家・内藤礼 地上に生きる祝福
放送 2024年8月25日(日)午前9時〜[Eテレ]
東京国立博物館で異例の現代美術展が開かれている。日本を代表する美術家・内藤礼の個展。東博所蔵の縄文時代の土製品と作家との出会いから生まれた展覧会は、展示室全体をひとつの作品として体感するもの。空間に身を置き、そこここに配されたささやかなオブジェたちに気づくことで、感覚がときほぐされてゆく。窓からの自然光を受けて刻々印象を変える会場を、様々な時間に出演者たちが訪問。映像と言葉で内藤礼の世界へと誘う。
京都・神護寺の旅 空海と9つの国宝
放送 2024年8月4日(日)午前9時〜[Eテレ]
創建千二百年、京都・神護寺は弘法大師空海が住んだ真言密教はじまりの地。この山寺に平安と鎌倉の美術を代表する9つもの国宝が。うち8つが東京にお出ましする展覧会を前に、坂本美雨さんが緑濃い神護寺を訪ねる。▽巨大!空海が直接制作に関与した現存唯一の曼荼羅▽弘法も筆の誤り?空海が残した秘密の儀式メモ▽空海が迎えた本尊・薬師仏は日本の木造彫刻の最高傑作▽五色の菩薩並ぶ立体曼荼羅▽教科書で有名なあの肖像画も!
鎮魂 香月泰男のシベリア・シリーズ
放送 2024年7月28日(日)午前9時〜[Eテレ]
シベリア抑留を中心に自らの過酷な戦争体験を、57点もの絵に描いた香月泰男の『シベリア・シリーズ』。戦後の復員直後から亡くなるまで27年間にわたって描き続けた、香月の畢生のシリーズ作品である。番組では、香月泰男の没後50年を記念して『シベリア・シリーズ』が一堂に展示されるのを機に、一見しただけでは分からない象徴化された作品を、絵に添えた香月の言葉を朗読しながら味わっていく。
まなざしのヒント 日本近代洋画
放送 2024年7月21日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。今回のテーマは「日本近代洋画」。明治になって異文化として日本に流入してきた西洋絵画。日本の画家たちは、試行錯誤を重ねながら日本独自の「洋画」を生み出した。講師に大原美術館館長の三浦篤さんと美術家の森村泰昌さんを迎え、ルノワールやモネやマティスの作品と日本人作家の作品を並べて鑑賞しながら、オリジナリティー溢れる日本近代洋画の魅力を探る。
若冲 よみがえる幻の傑作〜12万の升目に込めた祈り〜
放送 2024年7月14日(日)午前9時〜[Eテレ]
圧倒的な人気を誇る、18世紀京都の絵師・伊藤若冲には、幻の傑作がある。昭和8年にある図録に白黒写真が掲載されて以来行方不明となった「釈迦十六羅漢図」だ。12万もの升目により画面を構成する若冲ならではの描法による大作。昨年専門家チームが結成され、このほどデジタル復元が完成した。写真1枚から極彩色世界をどうよみがえらせたのか。そもそも若冲はなぜ困難な技法に挑み、作品にどんな思いを込めたのか、謎を探る。
工芸王国・石川に生きる
放送 2024年7月7日(日)午前9時〜[Eテレ]
石川は工芸技術の人間国宝が9人もいる工芸王国。木工芸の川北良造さんはその長老的存在。豊かな自然に包まれて暮らし、恵みに感謝しながら木を活かすものづくりに励む。しかし今年の1月1日、自然は工芸王国・石川に地震という試練をもたらした。毎年その質の高さで注目を集めてきた石川の伝統工芸展も開催を危ぶまれる事態に。過酷な状況で手を動かし続けた能登の人間国宝や匠たち。そこにはものづくりへの壮絶な覚悟があった。
まなざしのヒント シュルレアリスム
放送 2024年6月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。今回のテーマは「シュルレアリスム」。第一次世界大戦を経験し、理性や既成概念に疑問を抱くようになった芸術家たちは「無意識」や「深層心理」の世界に新たな芸術表現の探求を始めます。ダリ、マグリット、エルンストらの作品を教材に美術史家の三浦篤さんと脳科学者の中野信子さんが、「シュルレアリスム」絵画の鑑賞のポイントと魅力をひも解く。
印象派150年 美の革命 パリ・オルセー美術館
放送 2024年6月23日(日)午前9時〜[Eテレ]
1874年、パリで絵画の革新を目指す画家たちが、自らの手で展覧会を開いた。「第1回印象派展」。モネ、ルノワール、ピサロ、歴史に名を残す巨匠たちが起こした美の革命だ。今年は、その誕生から150年のメモリアルイヤー。印象派の殿堂と呼ばれるパリ・オルセー美術館をめぐり、印象派を代表する傑作から、印象派の影響を受け、次の時代を切り開いた作品まで、珠玉のコレクションをじっくりと味わい尽くす。
美を見つめ、美を届ける(2)名画を見る眼 高階秀爾
放送 2024年6月9日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術史に革新をもたらした二人の巨人を特集する2回シリーズ。第2回は、西洋美術史研究をけん引し続ける美術史家・高階秀爾(たかしな・しゅうじ)さん、92歳。その著書『名画を見る眼』は、ルネサンスからモダンアートまで、巨匠たちの傑作を丁寧に読み解き、初心者にもわかりやすい最高の指南書として読み継がれている。ベラスケス、マネ、ルノワール、ピカソなど、巨匠たちの魅力を、高階さん自身の言葉で探訪する。
美を見つめ、美を届ける(1)奇想の系譜 辻惟雄
放送 2024年6月2日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術史に革新をもたらした二人の巨人を特集する2回シリーズ。第1回は、今年92歳、今も研究を続ける美術史家の辻惟雄(つじ・のぶお)さん。伊藤若冲や曽我蕭白など、忘れ去られていた江戸の画家たちに光をあてた名著『奇想の系譜』で日本美術史の常識を覆した。その世界を、辻さん自身の言葉で探訪。本の枠を超え、辻さんが注目する若冲の新しい読み解きや、辻さんが現代美術の傑作と評する奇想の漫画へと物語は広がっていく。
変容するイラストレーション 宇野亞喜良
放送 2024年5月26日(日)午前9時〜[Eテレ]
イラストレーター・宇野亞喜良。1950年代から活動を始め、和田誠や横尾忠則らと共に「イラストレーション」を世に浸透させた。寺山修司の依頼で描いた叙情的な少女像や、アングラ演劇の官能的なポスターなど、唯一無二のスタイルで常に第一線で活躍を続け、この春90歳を迎えた。時代を超えても色あせない宇野のイラストレーション。その魅力の秘密はどこにあるのか?創作の現場や、宇野を知る人々の証言からひも解いていく。
極楽浄土をイメージする〜紫式部から法然へ〜
放送 2024年5月19日(日)午前9時〜[Eテレ]
源氏物語が書かれた千年前、日本人の「あの世」観を決定づけた本が登場。極楽往生を願う貴族が重視したのはイメージの力だった。観音が一夜で織り上げたとされる国宝「當麻曼陀羅」。そこには極楽のイメージトレーニングの方法も描かれる。臨終の際「お迎え」をイメージするための絵画も。そこには死にゆく者が握った糸も残されていた…。国宝「早来迎」などの至宝を通して、悲しい死の向こうに幸せを願った人々の祈りを探る。
特別アンコール 語りかけるまなざし 彫刻家・舟越桂の世界
放送 2024年5月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
3月に72歳で亡くなった彫刻家・舟越桂さん。クスノキを素材に、従来の人物彫刻にはない独特の存在感を放つ作品で、具象彫刻の新しい可能性を広げました。私たちが、舟越さんのアトリエでの創作に密着したのは2003年。まだ見ぬ形を求めてクスノキと対峙する、静かな対話の記録です。
老いるほどに輝く〜最後の文人画家・富岡鉄斎〜
放送 2024年4月28日(日)午前9時〜[Eテレ]
老いるほどに輝きを増し、80歳代になってからも奔放な筆さばきで数多くの作品を残し、89歳の長寿を全うした文人画家、富岡鉄斎。鉄斎のモットーは「万巻の書を読み、万里の路を行く」。若い頃から和漢の書籍を読み漁るとともに北海道から九州まで全国各地を旅した。今年は富岡鉄斎の没後100年。西洋画が流入し新たな潮流が巻き起こった明治大正時代、孤高を貫いた“最後の文人画家”、鉄斎の姿に紹介する。
モンスター村上隆、いざ京都!
放送 2024年4月21日(日)午前9時〜[Eテレ]
現代美術の最前線を走り続ける村上隆が8年ぶりに日本で大規模個展を開いている。テーマは「もののけ京都」。村上が挑んだのは、風神雷神図や洛中洛外図屏風など千年の都が生んだ日本美術の最高峰。今回特別に制作現場への密着が許された。アイデアが生まれる瞬間や驚きの制作システムなど半年間に及ぶ取材で捉えた創作の舞台裏を紹介する。また、村上が師と仰ぐ美術史家の辻惟雄が展覧会を鑑賞。現代に至る奇想の系譜を読み解く。
時を超え、自由に 日本画家・福田平八郎
放送 2024年4月14日(日)午前9時〜[Eテレ]
写実なのか、抽象なのか。大正から昭和にかけて活躍した日本画家・福田平八郎(1892-1974)。時に賛否両論を巻き起こしながら、革新的な日本画を描き続けた。膨大な写生を重ねながら自然を徹底的に見つめ、まるで抽象画のような独特の日本画を追求した。没後50年を機に、大阪中之島美術館で開催されている展覧会場から、傑作の数々を紹介。60年以上、倉庫に眠っていた幻の作品から、時代を超える美の秘密を探る。
いま、ここで生きてる 〜第8回 横浜トリエンナーレ〜
放送 2024年4月7日(日)午前9時〜[Eテレ]
2024年春にリニューアルオープンした横浜美術館。ここをメイン会場に現代アートの祭典、横浜トリエンナーレが開催されている。8回目となる今回は、アジアを中心に93組ものアーティストが参加。テーマは「野草:今、ここで生きてる」。世界各地で絶えることのない暴力や抑圧の中、アーティストが生み出したアートに託した「生きる力」とは?新司会の坂本美雨と守本奈実が、井上涼と一緒に会場を巡る。
春 はじまりの旅 アート×坂本美雨
放送 2024年3月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
4月から日曜美術館の司会を務めるミュージシャンの坂本美雨さんと、春を先取りするアートの旅に出かけます。まずは、下町の情緒あふれる東京・谷中へ。ある彫刻家の自宅兼アトリエがそのまま残された空間を体感。箱根の森では、モネやピカソの傑作と対面し、巨匠たちの時代へタイムスリップ。そして、小田原の海を見渡す丘にある壮大なアートスポットで、敬愛するアーティストに出会います。
マティス 色彩の冒険 南仏・タヒチへの旅
放送 2024年3月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
色彩の魔術師と呼ばれる画家アンリ・マティス(1869-1954)。常に新しい芸術を追い求め、苦闘を続ける中、革新的な表現を生み出す原動力となったのが“旅”。陽射(ざ)しに満ちた南仏、澄み渡る海が広がるタヒチ。それは、フランス北部の小さな町に生まれたマティスにとって、作風を一変させるほどの強烈な体験だった。マティスを魅了した光と色の“絶景”を、圧倒的な映像美で描き、自由あふれる作品世界の秘密に迫る。
光悦 愉楽の書
放送 2024年2月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
琳派の祖として知られる本阿弥光悦(1558-1637)。大胆な造形で、漆芸、陶芸などの分野に名品を残し、江戸時代のマルチアーティストとも称される。その美意識の神髄を、光悦自身の手による「書」から読み解く。俵屋宗達が描いた鶴の群れの上にしたためた流麗な和歌の文字。宗達の躍動感あふれる絵と絶妙に響き合う、光悦の筆の魔術とは。さらに、光悦の篤い信仰心に触れながら、革新的な芸術の源泉に迫る。
化粧が呼び覚ます肌の記憶 メイクアップアーティスト 小林照子
放送 2024年2月11日(日)午前9時〜[Eテレ]
「私が描いた絵は、もともと肌が持っていた記憶ではないだろうか」。メイクアップアーティスト・小林照子、88歳。化粧品で、モデルの全身に絵を描き、色鮮やかで、幻想的な世界を浮かび上がらせる「からだ化粧」は、彼女が生み出した唯一無二のアートだ。人生最後の「からだ化粧」に挑戦。世界的ダンサーの森山開次とのコラボレーションの現場に、半年にわたって密着した。果たして、どんな作品が生まれるのか。
オスマン帝国 400年の美〜トプカプ宮殿・植物文様の迷宮〜
放送 2024年2月4日(日)午前9時〜[Eテレ]
NHKはトプカプ宮殿のリニューアルに合わせ、特別に取材許可を取得。近年新たに発見された壁画のほか、立ち入りが禁止されてきた区域を映像におさめた。番組では、宮殿の装飾タイルや工芸品の多くに共通したモチーフである植物文様に注目。オスマン帝国の美術に革命をもたらした謎の異邦人や、最近明らかになった日本との交流などについて紹介する。専門家のスタジオトークも交え、オスマン帝国の美に秘められた物語に迫る。
美は喜び 河井寛次郎 住める哲学
放送 2024年1月28日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本を代表する陶工・河井寬次郎。柳宗悦と共に民藝運動を進め、人間国宝も文化勲章も辞退し、自らを“生涯一陶工”として独自の造形を生み出した。自ら設計した自宅は、没後「河井寛次郎記念館」となり半世紀にわたって家族の手で大切に守り伝えられてきた。「暮しが仕事 仕事が暮し」と語った寛次郎。日々の創作を支えた「住める哲学」とは何だったのか?記念館を慈しむ寛次郎の家族の案内で、その秘密に迫る。
戦後新宿・渋谷をつくった建築家 坂倉準三
放送 2024年1月21日(日)午前9時〜[Eテレ]
新宿駅西口広場や渋谷の東急会館・東急文化会館など、戦後日本の風景を作り上げた建築家・坂倉準三。ル・コルビュジエに学び、1937年パリ万博日本館でデビュー。戦後、鎌倉の神奈川県立近代美術館や羽島市庁舎、大倉山ジャンプ競技場から高速道路トールゲートまで数々の建築や都市計画を手がけ、高度経済成長期を駆け抜けた。西口広場が再整備で姿を消そうとしている今、「人間のための建築」を目指した夢の跡を追う。
SP ハッピーニューアーツ!
放送 2024年1月1日(月)午前10時〜[Eテレ]
2024年注目の展覧会とは?豪華プレゼンターが美と出会う!▽のんが憧れのイラストレーター・デザイナー宇野亞喜良に想いを伝える!▽磯村勇斗が日本を代表するポップアートの巨匠・田名網敬一の創作の秘密に仰天!▽板垣李光人が金沢でデジタルとアートのやばい関係に迫る!▽玉城ティナがホンマタカシの逆さまな写真の謎を解く!▽坂本美雨が青森の奈良美智展で土地と音楽の力に共感する!▽クイーン・オブ音声ガイド発表!
2023年
まなざしのヒント キュビスム
放送 2023年12月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ「まなざしのヒント」。5回目のテーマは「キュビスム」。20世紀初めにピカソとブラックによって生み出された「キュビスム」は、西洋絵画の伝統的な表現から、現代アートへとつながる視覚表現の大革命。その一方で観念的で理解が難しいという側面も。パリ・ポンピドゥーセンターの名品を教材に、美術史が専門の三浦篤さんと漫画家の荒木飛呂彦さんが、鑑賞のポイントと魅力をひも解く。
倉俣史朗 デザインの魔法
放送 2023年12月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
倉俣史朗がデザインした「ミス・ブランチ」。世界のデザイン史に輝く名作椅子は、発表後35年を経た今なお人の心をつかんで離さない。形は至ってシンプル、しかし透明なアクリルの中に赤いバラの造花が浮遊するたたずまいは一度見たら忘れられないもの。この椅子はどう生み出されたのか。近しい人の証言とともに、倉俣夫人美恵子さんがテレビ初出演。時代に対する倉俣の思いや、秘められた「家族の物語」など、創造の秘密を語る。
まなざしのヒント 深掘り!浮世絵の見方
放送 2023年12月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を実践的に学ぶ好評シリーズ「まなざしのヒント」。4回目のテーマは江戸時代に誕生した「浮世絵」。葛飾北斎や歌川広重の風景画、喜多川歌麿の美人画など誰もが知る傑作を教材に、絵師だけでなく彫師、摺師、版元などの視点からその魅力と鑑賞のポイントを紐解いていく。講師は太田記念美術館学芸員の日野原健司さんと、漫画家のしりあがり寿さん。日本が世界に誇るアート「浮世絵」の面白さに刮目!
シン・芦雪伝
放送 2023年11月26日(日)午前9時〜[Eテレ]
江戸時代中期に京都で活躍した長沢芦雪。若冲や蕭白と共に、奇想の絵師の一人として人気が高まっている。奇抜で大胆な画風から、自分勝手で反抗的、恨みを買って毒殺されたなど、悪いうわさが伝えられてきた。しかし近年の研究から、師の教えを守り、高度な技と独自の発想で人を驚かせる絵を描き続けた、新しい人物像が見えてきた。今、大規模な展覧会が開かれている大阪中之島美術館を舞台に、傑作の数々が物語る真の芦雪像に迫る
北宋絵画 ベールを脱ぐ中国芸術の最高峰
放送 2023年11月19日(日)午前9時〜[Eテレ]
中国芸術史上の最高峰の一つ、北宋絵画。千年もの昔に、無限に広がる奥行、光や空気の描写、リアルな表現に成功した。名品の数多くが、実は日本にあるが、これまで一堂に会したことはなかった。今、それらが集結する「奇跡の展覧会」が根津美術館で開かれている。巨大な水墨山水画、近年、80年ぶりに再発見された神品「五馬図」など世界的な名品の魅力をたっぷり紹介。またそれらがなぜ日本にあるのか、歴史秘話をひもとく。
まなざしのヒント 特別展やまと絵
放送 2023年11月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
美術の楽しみ方を展覧会場で実践的に学ぶ好評シリーズ「まなざしのヒント」。3回目の今回は話題の特別展「やまと絵」(東京国立博物館)を取り上げる。国宝の平安絵巻、洗練さを極めた白描画、華麗な室町屏風(びょうぶ)の傑作をひも解きながら「日本美術の王道」と言われるやまと絵の鑑賞の仕方を伝授。講師は画家山口晃さん他。これから美術に親しみたい人ももっと深く知りたい人も必見!日本が生んだ美のすばらしさを堪能あれ
華麗なる至宝 天平の祈り 〜第75回 正倉院展〜
放送 2023年11月5日(日)午前9時〜[Eテレ]
画家・西田俊英は少年期から幻想的ともいえる絵画を描き始め、その後、モチーフを求め世界を旅した。それはつねに「ほんとうのもの」「未知の感動」を渇望し、追い求めてきた道だった。そして、画家がたどり着いたのが、屋久島だった。「何も創らなくていい。原生の自然に抱かれたとき、“ほんとうの絵” が生まれる」と感じ、幅70メートルの大作を描きはじめる。10月の展覧会での発表に向け、葛藤する画家の軌跡。
感じる全てを…。 日本画家・西田俊英
放送 2023年10月29日(日)午前9時〜[Eテレ]
画家・西田俊英は少年期から幻想的ともいえる絵画を描き始め、その後、モチーフを求め世界を旅した。それはつねに「ほんとうのもの」「未知の感動」を渇望し、追い求めてきた道だった。そして、画家がたどり着いたのが、屋久島だった。「何も創らなくていい。原生の自然に抱かれたとき、“ほんとうの絵” が生まれる」と感じ、幅70メートルの大作を描きはじめる。10月の展覧会での発表に向け、葛藤する画家の軌跡。
建築家・内藤廣 渋谷駅・世界一複雑な都市計画を率いる男
放送 2023年10月22日(日)午前9時〜[Eテレ]
乗降客数250万人の足を止めることなく進む東京・渋谷駅再開発計画の中心にいる建築家・内藤廣さん。「海の博物館」「牧野富太郎記念館」など周囲の環境と響きあう名作で知られる内藤さんにとって、渋谷駅開発も精神は同じ。「人間が中心にいること」だという。島根県芸術文化センターで開催中の個展で内藤さんの成功失敗含めた仕事をふかんするとともに、日々変わる渋谷駅の現場を内藤さんと歩き、建築や街にかける信条を聞く。
そして、樹(き)がひとと重なる 彫刻家・棚田康司
放送 2023年10月15日(日)午前9時〜[Eテレ]
彫刻家・棚田康司、55歳。一本の木から彫り出す少年少女などの人間像は、神秘的な存在感を放ち、今年、木彫界の最高峰「平櫛田中賞」を受賞した。棚田は人間の深い闇を感じさせる作品で若くして注目を浴びるが、壁にぶつかる。そして、模索の中からたどり着いたのが、日本古来の「一木造り」だった。この夏、棚田は新作に挑んだ。格差や戦争…分断が世界に広がる時代、そして木に宿る命と向き合いながら格闘する姿に密着した。
棟方志功 板の生命を活かす
放送 2023年10月8日(日)午前9時〜[Eテレ]
海外で数多くの賞に輝き、“世界のムナカタ”と呼ばれた版画家、棟方志功。版木すれすれに眼を近づけて猛烈なスピードで彫っていく棟方。自らの作品を、「版画」ではなく、板の声を聞き、板の命を活かす「板画」だと宣言した。番組では、棟方志功の代表的な版画作品を、棟方自身の文章によって紹介しながら、「白と黒」「裸婦」「文字」などのキーワードで棟方作品の特徴を浮かび上がらせていく。
野見山暁治の「宇宙」
放送 2023年10月1日(日)午前9時〜[Eテレ]
戦後、日本洋画の第一人者として活躍し、今年6月に102歳で亡くなった画家・野見山暁治。太平洋戦争、フランス留学、2度の結婚と死別。激動の人生の中から、自分の目で捉えた人間や自然のイメージを再構成し、大胆な造形と奔放な筆致で描く独自のスタイルを確立した。練馬区にある野見山のアトリエから、これまでに取材した貴重な映像、そしてゆかりのある関係者の言葉を織り交ぜながら、野見山暁治の生涯と画業を振り返る。
そして、春は巡りくる デイヴィッド・ホックニーの芸術
放送 2023年9月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
コロナ禍、ネットに色鮮やかなスイセンの絵を公開し「春が来ることを忘れないで」と、世界に向けてメッセージを発信したデイヴィッド・ホックニー(86)。60年以上に渡り探求と変貌を重ねながら、それまでの常識を打ち破る作品を生み出してきた。27年ぶりの大規模な展覧会を舞台に、初期の傑作から、コロナ禍にタブレット端末で制作した90mの大作まで、多彩な創作の秘密を読み解きながら、希望に満ちた芸術の神髄に迫る。
伝統は生まれ進化する 〜第70回 日本伝統工芸展〜
放送 2023年9月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本最高峰の匠たちの技と美が結集する日本伝統工芸展。戦後、工芸技術の継承と次世代の育成を目的に始まり、今年70回の節目を迎えた。展覧会では陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門で選ばれた550点あまりが、全国を巡る。培った技とセンスで未来へとつながる創作に挑んだ匠たち。アトリエ訪問も交えながら入賞した19点すべてを紹介。伝統工芸の今とこれからを見つめる。
“実物大”で迫る!レンブラント「夜警」
放送 2023年9月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
オランダ・アムステルダム国立美術館が誇る西洋美術の最高峰、レンブラントの「夜警」。決して国外に出ることのない貴重な名画を8Kで撮影することが特別に許された。東京のスタジオの巨大スクリーンに実物大の「夜警」を浮かび上がらせ、その迫力と、驚異的な筆のマジックを体感。肉眼では決してとらえられえない一人ひとりの人物の表情や、衣服の模様、そして現実を超えた光の演出まで。驚きと感動の絵画体験をお届けする。
天にささげる“霧” 霧の彫刻家・中谷芙二子
放送 2023年9月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
“霧”が、まるで命を宿したかのように舞い、言葉にならない言葉を語りかける。アーティストの中谷芙二子さん(90)は、これまで半世紀にわたり「霧の彫刻」を制作。フランスの芸術文化勲章を受章するなど国内外で高い評価を得てきた。今回、初めて密着取材が許され、創作の舞台裏に迫る。自然と対話し、自然に礼儀を尽くすことから生まれる唯一無二の世界とは。ダンサーの田中泯さんとの共演にも密着し、その秘密を探る。
望郷の絵本作家 八島太郎
放送 2023年8月27日(日)午前9時〜[Eテレ]
「からすたろう」「あまがさ」などの絵本作品で知られ、全米で最も権威ある児童書賞でみたび次席を受賞した八島太郎(1908-1994)。大戦のわだかまりが残る戦後のアメリカで八島が描いたのは、遠く離れたふるさと鹿児島。幾重にも色を塗り重ねて表現される一つ一つの命、声なき声に寄り添う温かいストーリー。望郷の思いを胸に、ついに帰国を果たせなかった八島の生涯を、作品を通してみつめる。<絵本朗読・桜庭ななみ>
アートする身体
放送 2023年8月20日(日)午前9時〜[Eテレ]
義肢装具士の第一人者、臼井二美男さん。日本で最初にアスリート用義足を導入するなど「義肢の可能性」を広げてきた。今回臼井さんは「アート」による新しい価値観の義足制作に挑む。パートナーは義足ユーザーのイラストレーター。イラストの世界観を実写化する挑戦に密着する。さらにデザインエンジニア・山中俊治さんが取り組んでいる「美しい義足」プロジェクトも紹介。アートやデザインがもたらす人の体の可能性とは?
妖しく、斬新に、そして自由に 大正画壇の異才・甲斐荘楠音
放送 2023年7月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
「肌香(はだか)」スケッチに残された画家の言葉。大正時代の京都画壇に現れ、独特の妖しい女性像で話題を集めた甲斐荘楠音(かいのしょう・ただおと)。幼いころから歌舞伎に憧れ、女性の心をつかもうと自ら女形に扮して、それまでにない女性像を描き出した。伝統の中に革新を求め、西洋画の要素も大胆に取り込み、映画衣装の世界にも華麗に転身。あらゆる領域を自由に飛び越えながら、懸命に新しい美を探し求めた画家の物語。
永遠なるサグラダ・ファミリア 〜“神の建築家”アントニ・ガウディ〜
放送 2023年7月23日(日)午前9時〜[Eテレ]
着工から140年が過ぎた今も建設作業が続く“未完の聖堂”サグラダ・ファミリア。スペイン・バルセロナで活躍したアントニ・ガウディ(1852-1926)の代表作だ。その独創的な姿はいかにして生まれたのか。東京国立近代美術館で開催中の展覧会をめぐり、“神の建築家”とも言われたガウディの建築思想に迫るとともに、今回特別な許可を得て撮影したドローン映像を通してサグラダ・ファミリアの永遠なる魅力を伝える。
友よ!我らの美しき野は… 画家・三岸節子と長谷川春子
放送 2023年7月16日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本の女性画家の草分け・三岸節子と長谷川春子。二人は姉妹のように手を取り合い、男性社会の壁に挑んだ。だがやがて戦争が二人の友情を引き裂いていく─。激動の時代、“描くこと”こそが、新たな地平を切り開く道であると信じ、絵筆に人生を賭けた節子と春子。今回は、3月に放送し、大きな反響のあったBS1特集「春子と節子」の映像を交えながら、二人が残した「作品」の数々を、新発見の絵も含め、じっくりとご紹介する。
だるまさんの魔法 絵本作家かがくいひろし
放送 2023年7月9日(日)午前9時〜[Eテレ]
累計900万部の超人気絵本「だるまさん」シリーズ。生まれて初めて読むファーストブックとして愛され、泣く子を笑わせる不思議な魔法をもつ絵本として知られる。作者のかがくいひろしは50歳でデビューし、わずか4年で16作を描き上げ、54歳でこの世を去った。かがくいは魔法をどうして手に入れたのか?残された膨大なアイデア帳や貴重な証言をもとに、障がい児教育に取り組み、子供を笑顔にすることに捧げた生涯をたどる。
「クオ・ヴァディス」の秘密 〜シュルレアリスム画家・北脇昇の戦争〜
放送 2023年7月2日(日)午前9時〜[Eテレ]
シュルレアリスム画家・北脇昇が終戦後、死の直前に残した「クオ・ヴァディス」。画家の意図は謎に包まれてきた。後姿の復員兵らしき男は何処へ行こうとしているのか?シュルレアリスムが日本にもたらされたのは戦時下。画家たちは抑圧の中で絵を描き終戦を迎えた。その心情の反映なのか?過去の評論家は行き暮れた男の姿に作者の挫折を重ね、戦争でシュルレアリスムが結実しなかったことを嘆いた。だが、近年の研究で意外な秘密が
マティス 幸せの色彩
放送 2023年6月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
色彩の魔術師・マティスの傑作を味わう
ピカソと並び称される20世紀の巨人アンリ・マティス。大胆な色彩と軽やかなタッチで、それまでの絵画の常識を打ち破る傑作を世に送り出した。しかし、その人生は苦難の連続。長い下積み、二つの大戦、死を覚悟した病との闘い。その中でも常に挑戦と実験を繰り返し、84歳で亡くなるまで、生涯を絵画の革新に奉げた。東京都美術館で開催中の大規模な展覧会をめぐり、傑作の数々を味わいながら、その奥深い魅力に迫る。
現代アートはわからない?
放送 2023年6月11日(日)午前9時〜[Eテレ]
現代アートの楽しみ方って何?「コンセプチュアルアートの先駆者」ジョセフ・コス―スや「誰もがよりよい社会を作るための芸術家」であると語ったヨーゼフ・ボイスなど、現代アートのレジェンドの作品から、宮島達男や宮永愛子、そして今注目のアジアの若き作家の最新作まで。尾上右近と光宗薫がそれぞれの作品とじっくりと向かい合い、現代アートの面白さを体感します。
地球の脈動を塗る
放送 2023年5月21日(日)午前9時〜[Eテレ]
挾土秀平さんは、左官として伝統的な塗り壁からビルのコンクリートの壁まで、様々な現場を手がけながら、芸術作品のような壁を制作してきた。左官の枠を超えた創作への情熱。ある日、硫黄の写真を見て、その鮮やかな黄色に恋焦がれるようになった。火山のエネルギーに満ちた島に渡り、自らの手で、硫黄や溶岩を採取。荒ぶる自然と格闘しながら新たな創作に挑む、葛藤の日々に密着した。
現代の超絶技巧2
放送 2023年5月14日(日)午前9時〜[Eテレ]
昨年放送し、大きな反響を呼んだ「現代の超絶技巧」再び・・。金属を何万回と打ちこむ精緻な技を積み重ね、現代の甲冑を作りだす鍛金家。木彫の常識を打ち破り、薄さの限界を超えてなお作品を削り続ける木彫家。目の前に実在する対象を見つめ、自分の技を磨き続けた先には何があるのか?超絶技巧の持ち主たちの創作の現場を訪ね、彼らが追い求める「リアルを超えたリアル」の世界を垣間見る。
風景の叙情詩人 広重の雪・月・雨
放送 2023年5月7日(日)午前9時〜[Eテレ]
自然の変化を巧みに織り交ぜて日本の風景を情緒豊かに描き出し、“風景の叙情詩人”と呼ばれる歌川広重。広重の全画業の中で選りすぐりの名品といわれるのは、どれも雪・月・雨をあしらった風景ばかりである。雪が降る村里の光景(「東海道五十三次・蒲原」)やにわか雨に襲われ橋を駈ける人々(「名所江戸百景・大はしあたけの夕立」)など、広重の雪、月、雨の名品を選び出し“風景の叙情詩人”の神髄を紹介する。
ポケモン工芸化 大作戦!
放送 2023年4月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
世界で人気のポケモンが、ゲームやアニメの画面を飛び出し、国立工芸館に大集合!人間国宝から若手まで、漆芸、彫金、陶磁、染織など現代工芸の作家20名が、ポケモンと真剣に向き合い、制作。伝統の技や知恵、驚きの発想でポケモンに新たな命を吹き込んだ。ポケモン大ファンの謎解きクリエイター・松丸亮吾さんが展覧会場を訪れ、素材や大きさ、モンスターの表情を手がかりに、作家たちが込めた思いや挑戦の軌跡をひもとく。
よみがえる伝説の画聖・明兆(みんちょう)
放送 2023年4月16日(日)午前9時〜[Eテレ]
室町時代に、京都・東福寺の絵仏師として活躍した明兆(みんちょう)は、江戸時代まで雪舟と並び称せられた伝説の絵師だ。巨大伽藍にふさわしい大作を、冴えわたる水墨の技と極彩色で次々と描いた。それらは後の仏画の規範となり、時代を先取りしたような大胆な描線は雪舟にも大きな影響を与えた。代表作「五百羅漢図」が長きに渡る修復を経て公開されるのを機に、最新知見とともに、半ば忘れられた明兆の画業を再評価する。
まなざしのヒント ルーヴル美術館展
放送 2023年4月9日(日)午前9時〜[Eテレ]
西洋美術を楽しむコツが満載の特別授業、開講!今回のテーマは「愛」。美の殿堂、ルーヴル美術館からやってきた「愛の名品」を鑑賞しながら、神話から貴族社会まで様々な愛の表現を読み解きます。講師には、美術史が専門の東京大学大学院の三浦篤さん、さらにお2人の特別講師もお迎えします。ちょっとしたコツを参考に、もっと自由な絵画の楽しみ方を見つけて下さい!
重要文化財の秘密 知られざる日本近代美術史
放送 2023年4月2日(日)午前9時〜[Eテレ]
文化財保護法に基づいて国がその価値を認めて指定する重要文化財。美術工芸分野の重要文化財件数は1万件を超える。しかしそのうち明治以降の絵画・彫刻・工芸はわずか68件に過ぎない。時代が浅く、絶対的な評価が固まり切れない中で重要文化財に指定された作品たちはどのような評価を経て、指定されるに至ったのか?誰もが一度は目にしたことのある傑作中の傑作、その知られざる物語をひもとく。
太宰府天満宮 美の世界 千年の時の流れの中で
放送 2023年3月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
菅原道真が眠る太宰府天満宮。学問の神様として知られ年間一千万人を超える参拝者が訪れる。千年を越える歴史の中で時の権力者や文化人など多くの人たちを惹きつけてきた。太宰府天満宮に時代を越えて寄せられてきた人々の祈りの風景とそれぞれの時代に奉納され受け継がれてきた貴重な文物などを紹介。そして境内に広がる豊かな自然と美しい四季の彩り、そこに育まれてきた命の営みを襖絵に描き出す画家の取り組みを見つめていく
孤高の“まなざし”エゴン・シーレ
放送 2023年3月5日(日)午前9時〜[Eテレ]
20世紀初頭、新しい芸術運動に沸いていたウィーンで、強烈な個性を放った画家エゴン・シーレ。クリムトに「才能があり過ぎる」と言わしめ、革新的な作品を生み出したが、過激さゆえに逮捕されるなど、時代に反逆しながら、自分自身、そして人間を見つめ続けた。自画像に描かれた“まなざし”は、いったい何を見つめ、何を問いかけているのか。森山未來が展覧会場を訪れ、人間の内面をむきだしにする傑作の数々と対峙する。
完璧なやきものを求めて 板谷波山の挑戦
放送 2023年2月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本近代陶芸の最高峰・板谷波山。淡く清らな光の中に高雅な文様が浮かび上がる独特の器は、どのように生み出されたのか。現代でも再現不可能といわれる超絶技巧の謎に迫る。また近年、窯跡から出土した幾多の陶片は、非常に困難な制作に立ち向かっていた波山の妥協なき完璧主義を明かすことになった。スタジオには初公開の傑作も登場。名作の数々とともに比類なき波山芸術の魅力をあますところなく紹介する。
“日本に生まれたオランダ人”・亜欧堂田善
放送 2023年2月5日(日)午前9時〜[Eテレ]
江戸時代を代表する洋風画家の一人、亜欧堂田善(1748~1822)。西洋からもたらされた遠近法や陰影法を駆使して独自の油彩画や銅版画を描き、洋風画の先駆者、司馬江漢から“日本に生まれたオランダ人”と言われたという。今、没後200年を記念して大規模な展覧会が開かれている。番組では、亜欧堂田善の制作手法を明らかにしながら、風俗画としての魅力にあふれた銅版画や油彩画を紹介する。
「山と原野とスケッチと〜農民画家 坂本直行〜」
放送 2023年1月22日(日)午前9時〜[Eテレ]
北海道土産の「花柄のお菓子の包装紙」でおなじみの画家・坂本直行。北海道を南北150キロに渡り貫く雄大な「日高山脈」に魅せられ、日高の山々が見渡せる原野を耕しながら絵筆をとり続けた農民画家として知られる。坂本龍馬の一族の末裔ゆえの家との確執。開墾生活での壮絶な自然との戦い。とりつかれたように登った北海道の山々。貴重なスケッチやエッセイ、映像を味わいながら、「山と原野」を愛した画家の生涯に迫る。
「ウォーホルの遺言 〜分断と格差へのまなざし〜」
放送 2023年1月15日(日)午前9時〜[Eテレ]
ポップアートの旗手として今なお絶大な人気を誇るアンディ・ウォーホル。近年、その作品を、これまでにない視点から評価する動きが広がっている。人種差別をテーマにしたウォーホルの作品に刺激を受け、議論を展開する人々や、その影響を自身の創作に取り込むアーティスト。さらに、亡くなる前の年に描かれた大作に、病への恐怖や救いへの思いを読み取く研究者も。京都市京セラ美術館の展覧会場を舞台に新たなウォーホル像に迫る。
「SP ハッピーニューアーツ!」
放送 2023年1月1日(日)午前9時〜[Eテレ]
2023年注目の展覧会、出会える名作とは?豪華プレゼンターが熱く語る!瀬戸康史×エゴン・シーレ▽滝沢カレン×さくらももこ▽井浦新×円山応挙▽高田純次×片岡球子
2022年
「青の彼方へ イヴ・クライン 現代アートの先駆者」
放送 2022年12月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
「青は何もない。全てが青だ。」深みのある独特の青で知られるフランスのアーティスト、イヴ・クライン。わずか6年ほどの活動の中で、現代アートの扉を開いたと称される、数々の不思議な作品を残した。時に、人体に青の絵の具を塗って大きな紙に押し付けたり。何を描くでもなく、ただ青の顔料を雑然と敷き詰めたり。キャンバスに炎を当てて消防士に消させたり。金沢21世紀美術館の展覧会場で、謎に満ちたクラインの世界に迫る。
「曜変天目 丸の内へ 静嘉堂 夢の新美術館オープン」
放送 2022年11月27日(日)午前9時〜[Eテレ]
神秘の輝きを放つ曜変天目茶碗、俵屋宗達が源氏物語を描いた華麗な作品など多数の国宝・重要文化財を有する静嘉堂文庫美術館。この東洋美術の殿堂が今秋、東京・世田谷から丸の内の歴史的建造物・明治生命館の中に移転した。それを実現したのは、文化財を保存しながら活用するという新たな考えだった。そして丸の内に美術館を建設することは文庫創設者の100年越しの夢でもあった。美術館誕生秘話を至宝の数々とともに紹介する。
「安藤忠雄 魂の建築」
放送 2022年11月20日(日)午前9時〜[Eテレ]
フランス・パリの歴史的建造物を現代美術館に生まれ変わらせるというビッグプロジェクト。設計を手掛けるのは、建築家・安藤忠雄さん。がんを患い、2度の大きな手術を乗り越えて、今、新たな決意で建築と向き合っている。歴史と現代の融合、自然を大切にした建築、そして、次世代を生きる子供たちに贈る図書館。病を経て、安藤さんが取り組むプロジェクトの現場に密着。建築を通して未来に伝える安藤さんのメッセージとは。
「よみがえる諏訪の仏たち」
放送 2022年11月13日(日)午前9時〜[Eテレ]
江戸時代までの諏訪大社は、境内に多くの仏教寺院が存在する「神仏習合」の空間だった。しかし、明治の「神仏判然令」で仏教施設は破壊され、仏像も散逸した。今、諏訪では失われた仏像を再発見するプロジェクトが進行中。残された庄屋の古文書などから、仏たちの数奇な運命が明らかになってきた。さらに、破壊を免れた仏像の修復も進む。この国の「神仏習合」の歴史は古く千年を越える。よみがえった仏たちは何を語りかけるのか?
「至宝が伝える天平の夢 〜第74回正倉院展〜」
放送 2022年11月6日(日)午前9時〜[Eテレ]
年に一度、奈良・正倉院の貴重な宝物を公開する「正倉院展」。今年は初出陳8件を含む、59件が出陳。「国家珍宝帳」に記載される繊細な装飾を施した「八角鏡」や聖武天皇が身近においた象を描いた「びょうぶ」など正倉院ならではの宝物が一堂に会する。今年注目されるのは法要を華やかに彩った伎楽の面や、天平の人々の装いにまつわる品々。天平時代の宝物に込められた現在にも通じる願いや喜びを、尾上右近さんと一緒に探る。
「友よ 写真よ 写真家 牛腸茂雄の日々」
放送 2022年10月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
「彼は自分の人生の残り時間を常に意識して、先を急ぐように生きていた」。家族や友人、近所の子供など、見知らぬ人々のさりげないポートレートで知られる写真家・牛腸茂雄(ごちょう・しげお)。肉体的なハンディを抱えながら創作を続け、36歳でこの世を去った。死後40年、再評価の機運が高まる中、学生時代からの友人だった写真家・三浦和人は、この夏、牛腸のネガのプリントに挑んだ。浮かび上がる牛腸の「まなざし」とは。
「国宝 東京国立博物館のすべて」
放送 2022年10月23日(日)午前9時〜[Eテレ]
今年創立150年の大きな節目を迎えた東京国立博物館。日本が世界に誇る美の殿堂で、この秋前代未聞の豪華な展覧会が開催されている。それは所蔵する国宝89件のすべてを展示するという、博物館の歴史の中でも初めての試み。絵画、書跡、工芸、考古そして刀剣。各ジャンルを代表する至宝が勢ぞろいする会場をめぐりながら、展覧会の見どころを紹介。8kの高精細映像で日本の美を堪能する。
「死を想(おも)え、生を想(おも)え。 写真家・藤原新也の旅」
放送 2022年10月16日(日)午前9時〜[Eテレ]
写真家・藤原新也。インド・ガンジス川で撮影した、犬が人の遺体を食べる写真は「ニンゲンは犬に食われるほど自由だ」のキャッチコピーと共に、日本の社会に大きな衝撃を与えた。それからおよそ半世紀、藤原は世界各地で「生と死」を写真と自らの言葉で捉え続けてきた。今年故郷北九州で初の回顧展が開かれるにあたり、写真家は「死を想い、生を想う」撮りおろしの旅にでかけた。78歳となった今、藤原新也が見つめるものとは?
「朝倉摂がいた時代」
放送 2022年10月9日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本を代表する舞台美術家・朝倉摂(1922-2014)。その死後、アトリエの物置から大量の日本画が見つかった。それは朝倉が若き日に情熱のすべてを注いだ作品たち。高名な彫刻家・朝倉文夫の長女として生まれ、日本画家・伊藤深水に学び、絵画の道を歩み始める。しかし40代で日本画から舞台美術の世界へ活動を移してからは、生涯画家時代のことを語りたがらなかった。朝倉を慕う演劇人・渡辺えりが、残された作品に迫る。
「伊勢神宮 神の宝 〜いにしえの色をつなぐ手〜」
放送 2022年10月2日(日)午前9時〜[Eテレ]
20年に1度、式年遷宮が行われる伊勢神宮。その度に神に捧げる1576点もの神宝を全て作り直す大プロジェクトが行われる。11年後の式年遷宮に備えて現在行われている試作の様子を特別取材。宝石やガラス玉がはめられた「御神宝の中の御神宝」と呼ばれる玉纏御太刀(たままきのおんたち)。いにしえの色をどうすれば受け継ぐことができるか。日本各地の植物や鉱物からいただく色を前に苦闘する匠たちの挑戦を紹介する。
「Be yourself 汝自身であれ 勅使川原三郎」
放送 2022年9月25日(日)午前9時〜[Eテレ]
ダンサーで振付家の勅使川原三郎。今年、ベネチア・ビエンナーレのダンス部門で金獅子賞を日本人として初受賞。独自のダンスメソッドに基づく独創的な身体表現は世界に衝撃を与え「新しいダンス言語」と評された。「ダンサーはもっと言葉を持つべきだ」と語る勅使川原の創作現場に半年にわたり密着する。活動拠点の東京・荻窪。愛知県芸術劇場でのワークショップ。そしてベネチアでの記念公演。勅使川原三郎が語る自分自身とは?
「伝統で未来を拓(ひら)く 〜第69回 日本伝統工芸展〜」
放送 2022年9月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
卓越したものづくりが一堂に介する日本伝統工芸展が始まります。陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の工芸分野7部門で選ばれた555点が、全国12か所を巡ります。培った伝統の技で新たな創作に挑んだ匠や、創作の喜びを力にして技を磨いてきた作家たち。アトリエ訪問も交えながら16点の入賞作品をすべて紹介。伝統工芸の未来を切り拓(ひら)く作品の数々をお楽しみに!
「ビルケナウ 底知れぬ闇を描く ゲルハルト・リヒター」
放送 2022年9月4日(日)午前9時〜[Eテレ]
ドイツの画家ゲルハルト・リヒター(90歳)。若き日に、当時の東ドイツから西ドイツに亡命し、革新的な画風で、世界最高峰と称賛される現代の巨匠だ。そんなリヒターが、82歳にして挑んだのが、アウシュビッツで行われたユダヤ人の大量虐殺。強制収容所の写真をもとに描き始めたリヒターは、その絵を黒や赤の絵の具で覆い隠すようにして大作を完成させた。一体なぜ。集大成の作品からリヒターの創作の秘密に迫る。
「ウクライナ 子供たちの絵~北海道・巨大じゃがいもアート館~」
放送 2022年8月14日(日)午前9時〜[Eテレ]
ウクライナの子供たちが描いた1000枚の絵が、北海道・十勝のまか不思議な美術館にある。一体なぜなのか? 十勝出身の美術家、浅野修さんが集めた世界中の子供の絵、150か国、何万枚にもなる宝物だ。子供の絵を見れば、お国柄や景色、家族、祭りや習慣までわかる。いまウクライナの子供の絵は何を映し出すのか? 戦争と平和、そして食糧や家族。子供たちの今を取材し、戦火の中の子供の絵が語りかけてくる真実に向き合う。
「水木しげるの妖怪画」
放送 2022年7月31日(日)午前9時〜[Eテレ]
『ゲゲゲの鬼太郎』で知られる漫画家、水木しげる(1922~2015)。もう一つの顔が、妖怪画家である。日本に古くから伝わる妖怪関連の文書を渉猟するとともに、晩年には世界各地へ妖怪探索の旅に出かけ、生涯に数多くの妖怪画を描いた。水木自身が体験したという妖怪もあるが、多くの妖怪画は、水木が精力的に行ってきた妖怪探究の成果である。今年は生誕100年の記念の年、水木しげるの魅力あふれる妖怪画を紹介する。
「陶の山 辻村史朗」
放送 2022年7月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
荒々しさと静けさが同居する唯一無二の作品で知られる陶芸家・辻村史朗。20代で奈良県の山中に自ら窯を築いて以来50年、師につくことなく一人で土と格闘してきた。自宅と作業場がある2万坪の山には、生み出した数十万もの焼き物が無造作に置かれる。「焼き物の真骨頂は、茶碗。」信楽、備前、唐津、伊賀などあらゆる茶碗に挑んできた辻村が、今最も心血を注いでいるのが志野。作陶の道を究め、挑み続ける創作の現場に密着!
「よみがえるミュージアム〜水害から文化財を守れ〜」
放送 2022年7月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
東日本大震災から11年、秋に新館がオープンする陸前高田市立博物館。救出した46万点のうち修復が終わったのは7割近く今も作業は続いている。新設された石巻市博物館は立地や収蔵庫に工夫を凝らした。水害で23万点が被災した川崎市市民ミュージアムは深刻なカビの被害に取り組んきた。修復には鹿の角、布海苔など伝統的な材料も使われた。文化財レスキューの現場を各地に取材。自然災害が頻発する今、何が必要なのか考える。
「杉本博司 江之浦測候所奇譚(きたん)」
放送 2022年7月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
世界的アーティスト・杉本博司が自らの「遺作」として神奈川県小田原市に作っている巨大アート施設・江之浦測候所。冬至の日の出の光が突き抜ける隧道。日本各地から集められた有名無名の石。今年3月には海を背に建てた朱塗りの社に、奈良・春日大社から神霊を招いた。「五千年後に遺跡としていかに美しく残るか」を考えているという杉本は、石に取りつかれ、骨董に呼ばれていると、不思議な体験を夜明けまで語るのだった…。
「現代の超絶技巧」
放送 2022年7月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
水を注ぐと花が開く仕掛けの竹の彫刻。鉄の一枚板から打ち出されたひょうたん。次々と新しいものが生まれては消えていく現代にあって、超絶技巧の持ち主たちは、正面からモノと向き合い、しっかりと見る。蛇はどうやってグネグネと動き、鳥はどうやって飛翔するのか、一つの形を生み出すための作業は解剖学であり生物学であり数学でもある。彼らのモノに対する眼差し(まなざし)と精緻な技の世界のドキュメント。
「コルシカのサムライ NIPPONを描く 画家・松井守男」
放送 2022年6月26日(日)午前9時〜[Eテレ]
2022年5月に亡くなった松井守男さん。フランス・コルシカ島在住。着物姿で絵を描き“サムライ”と親しまれた。その筆先からは独特の抽象がほとばしり、最も栄誉ある勲章レジオンドヌールも受ける。2020年来日中に新型コロナの流行で帰れなくなった松井は瀬戸内海の小さな島の光に魅せられる。「ここで世界をアッと言わせる絵を描く!」松井は神社のふすまに巨大な新作を描くことにした。サムライ画家が描くニッポンとは。
「落慶 唐招提寺御影堂 〜鑑真和上と障壁画〜」
放送 2022年6月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
6月5日、約1250年に及ぶ唐招提寺の歴史に新たな一頁が加わる。御影堂の7年に及ぶ修理が完成、落慶法要が行われるのだ。開祖・鑑真の命日の開山忌では、久しぶりに国宝・鑑真和上坐像が公開される。8Kで丹念に撮影した映像も含め、鑑真和上坐像を細部まで鑑賞。御影堂内を彩る東山魁夷渾身の障壁画空間を味わいながら、〈寺を信仰する人々の寄進を重ねて成り立ってきた〉唐招提寺ならではの歴史の物語をひもとく。
「ユニークな肖像画が語る異色の人物たち」
放送 2022年5月29日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本の有名な肖像画には、大変ユニークな顔や姿をしたものがある。おでこと垂れ目が目立つ天皇:「花園天皇像」。しかめ面をした武将:「徳川家康三方ヶ原合戦役画像」。木の上に坐る僧侶:「明恵上人樹上坐禅像」。大笑いする町人:「木村蒹葭堂像」。ぼさぼさ頭に無精ひげの僧侶:「一休宗純像」。2メートルを超すのっぽ力士:「大空武左衛門像」。6作品をオムニバスに並べ、ユニークな肖像画が語る異色の人物たちを紹介。
「竹の宇宙へ挑む」
放送 2022年5月22日(日)午前9時〜[Eテレ]
120年の歴史を持つ堺市の竹工芸家の4代目。田辺竹雲斎は、9500本の竹ひごを使い10メートルの巨大なインスタレーションを作り上げる。4代にわたって追い求めてきた網の技。竹雲斎は、亀甲網という技で竹ひごを自由自在に組み立てていく。出来上がるのは「ワームホール」という宇宙空間。二つの世界をトンネルのようにつないで、目に見えない世界を表現していく。作品の展示はわずか数日。終わると再び竹ひごに解体する。
「失われたときを求めて〜沖縄本土復帰50年」
放送 2022年5月15日(日)午前9時〜[Eテレ]
本土復帰50年を迎える沖縄。近年、戦争で失われた文化財を復元する取り組みが行われている。県民の四人に一人が犠牲となった沖縄戦では、貴重な文化財とともに、その技の担い手までもが失われてしまった。かろうじて残された仏像の破片や戦前に撮影された白黒写真などを手がかりに、かつての技術を取り戻す作業は、“失われた記憶”を取り戻す営みでもあった。文化を蘇らせ、後世に伝えようという取り組みを見つめる。
「まなざしのヒント メトロポリタン美術館編」
放送 2022年5月8日(日)午前9時〜[Eテレ]
ニューヨークにある世界屈指の美の殿堂、メトロポリタン美術館。その名品が日本にやってきた!でも描かれるのはキリスト教や神話などなじみのない世界。難しいって思うこと、ありません?そこで、西洋美術を楽しむコツが満載の特別授業を開講! 講師には、美術史が専門の東京大学の三浦篤さんと描き手の視点から漫画家の荒木飛呂彦さん。ちょっとした知識やコツが絵画はグッと面白い。西洋絵画を楽しむヒント、教えます!
「うつくしき理想を描く 鏑木(かぶらき)清方の“築地明石町”」
放送 2022年5月1日(日)午前9時〜[Eテレ]
近代美人画の最高峰と称されながら半世紀近くも行方知れずだった「築地明石町」。3年前の再発見は大きな話題となった。作者は日本画の巨匠・鏑木清方(かぶらききよかた)。名作誕生の舞台裏を探っていくと、明治・大正・昭和と生きた作者の時代や社会へのまなざしと理想とした美のかたちが浮かび上がってくる。戦争の時代にあえて美人画ばかり描いていたという清方。没後50年を迎える今年、あらためて清方芸術の本質に迫る。
「写真で冒険 京の町〜京都国際写真祭2022〜」
放送 2022年4月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
京都を舞台にした国際写真祭「キョウトグラフィー」。ふだん入ることが出来ない寺や町屋に入ってみると、そこは“写真の遊園地”。世界でもトップクラスの写真が、京都ならではの建造物に特別なしつらえで展示されている。古いしきたりが残る京都で型破りな写真展を成し遂げたのは、地元には縁もゆかりもなかった二人。行政や大店に日参。新しいもの好きの京都人の心を動かした。写真展を通して知られざる京都の町を大冒険!
「美は語る 激動のウクライナ」
放送 2022年4月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
2月に始まったロシアのウクライナ侵攻。戦争という極限状態が連日報道されるが、いったい私たちはウクライナの何を知っているのだろう? 日曜美術館では、NHKのアーカイブスを網羅。そこには紀元前の黄金のスキタイ文明に始まり、中世の華麗な大聖堂など、多様な民族が行き交い重なり合ってきたがゆえの独自な文化があった。激動の歴史を、その美を通して見つめる。
「神はその手に宿る 復元師 繭山浩司」
放送 2022年4月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
“ゴッドハンド”の異名をとる男がいる。やきものの修復師・繭山浩司。その技を育てたのは戦後の口外できぬ仕事の数々。極秘に古美術商から預かった破損品を、どんなに目を凝らしても傷跡がわからないまでに修復してしまう。今回託されたのは、“無傷なら国宝級”とされる青磁の花入、そして割れてしまった脚本家・向田邦子愛用の蕎麦猪口など。モザイク必須の工房で、人類の宝を後世につなごうとゴッドハンドが躍動する!
「名もなき写真のチカラ 写真家 浅田政志」
放送 2022年3月13日(日)午前9時〜[Eテレ]
消防団や極道など架空の設定を演じきるユニークな家族写真で知られる浅田政志。しかし今、自分の色を出すのではない「名もなき写真」に心奪われている。11年前、東日本大震災の被災地で、津波に流された写真が、人々に寄り添い支えとなる姿を見たことがきっかけだった。多くの人ではなく、誰か一人の感情を揺さぶりたい。新たな写真のチカラを信じて新作に挑む浅田の半年を追う。
「開館!アジア最大のアートスポット 香港 M+美術館」
放送 2022年3月6日(日)午前9時〜[Eテレ]
昨秋、香港にアジア最大規模の美術館「M+(エムプラス)」が開館した。美術のみならず、建築、デザイン、映画、大衆文化など広範囲なビジュアル・カルチャー全般を扱うM+では、出会えるものも型破り18階建てのビルの壁面自体が≪LEDスクリーン≫。≪8万体のフィギュアの海≫があれば、≪多機能に形を変える不思議なアパート≫をそのまま再現した部屋も。M+とスタジオを中継で結び、現場にいる気分で空間全体を楽しむ。
「大阪中之島美術館〜蒐(しゅう)集もまた創作なり〜」
放送 2022年2月27日(日)午前9時〜[Eテレ]
今月2日、大阪に新たな美術館が誕生した。大阪中之島美術館、19世紀後半から現代まで数々の名作や近現代デザインなどを堪能することができる。誕生のきっかけは100年前のある大阪商人のコレクション。戦時中も美術品収集に情熱を傾け、関西に美術館を作りたいと願っていた。彼の夢は時代を超えて多くの人に受け継がれ美術館へと結実していく。知られざる100年の物語。
「シスコ・パラダイス〜塔本シスコの人生“絵日記”〜」
放送 2022年2月20日(日)午前9時〜[Eテレ]
私には、こがん見えるったい!終生、熊本弁で91歳で亡くなるまで、くる日もくる日も描き続けた。団地の四畳半の一室で、でっかいキャンバスに身近な草花、家族、猫や犬、鳥。そして幼い頃のふるさとの海の風景。原色の鮮やかさと不思議な形が響き合い、リズムを奏でる。丸ごと、人生“絵日記”のようなパラダイス。相次ぐ家族との死別、それでもシスコは描き続けた!ぜひ、あなたも見てほしい!絶対おススメの圧倒的な絵です。
「オルセー美術館 II月の肌触り」
放送 2022年2月13日(日)午前9時〜[Eテレ]
オルセー美術館には、印象派をはじめ、19世紀中盤から20世紀初頭にかけて新しい芸術の扉を開いた作品たちが所蔵されている。パリの街や暮らしが大きく変わった時代。特にこの時代、「夜」のとらえかたは格段に豊かになった。マネが魅せられた夜の女、ゴッホが独特のタッチで描いた街灯の光、ドガがとらえたカフェの情景。「月」に導かれて、閉館後の誰もいない館内をめぐり、豊穣な闇の表現を堪能する。【音楽】中島ノブユキ
「オルセー美術館 I太陽の手触り」
放送 2022年2月6日(日)午前9時〜[Eテレ]
オルセー美術館には、印象派をはじめ、19世紀中盤から20世紀初頭にかけて新しい芸術の扉を開いた作品が所蔵されている。パリの街や暮らしが大きく変わった時代。日常をまっすぐ見つめて描くことで起きた美の革命の結晶だ。モネを夢中にした、汽車の煙に乱反射する光。ルノワールが見つけた、木漏れ日。ゴーガンが追い求めた、南国の光。ガラス天井越しに光が満ちる館内を、「太陽」をキーワードにめぐる。【音楽】中島ノブユキ
「激動の時を生きた浮世絵師 月岡芳年」
放送 2022年1月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
幕末、維新の動乱を生き抜き、明治の世に浮世絵の最後の華を咲かせた絵師、月岡芳年。芳年は、半世紀ほど前“血みどろ絵”と呼ばれるむごたらしい作品で脚光を浴びたが、近年、アニメにも通じる迫力や情感あふれる作品も着目され、本の出版や展覧会が相次いでいる。番組では、“血みどろ絵”から西南戦争絵や情緒あふれる物語絵まで、芳年の代表作を紹介し、近年の研究や復刻摺(ず)りが明らかにしたその作品の魅力を伝える。
「バンクシー 表現で世界を変える」
放送 2022年1月16日(日)午前9時〜[Eテレ]
正体不明、神出鬼没。世界で最も有名で、最も評価の分かれるアーティスト、バンクシー。アーティストを装ったただのペテン師だという人もいれば、現代最高のヒーローだという人もいる。そんな風に世界中を翻ろうしながら、一体バンクシーは、私たちになにを見せようとしているのか? 行き過ぎた資本主義、移民、差別、格差、暴力。表現で世界は変わるのか? バンクシー、あなたは何者なのか? 2022年の幕開けを飾る特別編!
新春SP 「♯アートシェア2022」
放送 2022年1月1日(土)午前10時15分〜[Eテレ]
「再生」の2022年、出会えるアートは?超豪華プレゼンターが紹介する。洋の東西の至宝が集結する大注目展覧会の「推し」を荒木飛呂彦とヤマザキマリが。ヘドラをデザインした特撮美術の巨匠展を永山瑛太が。白銀の夜の美術館を橋本愛が。今年消える?名建築を中野信子と樋口真嗣が。熱狂と感涙の祝祭を菅原小春が。収録は水鏡が雪の峡谷を映し出す「光のトンネル」。出演:小野正嗣 水原希子 原田マハ 北川フラム 片岡真実
2021年以前
「ピカソ・ゲルニカ〜8Kで体感する実物大の衝撃」
放送 2021年12月26日(日)午前9時〜[Eテレ]
あの「ゲルニカ」が目の前に!8Kの実物大映像に子供から85歳の画家・横尾忠則まで大興奮!圧倒される大迫力と繊細な筆遣い。ピカソはどんな思いで描いたのか?作家・高橋源一郎と平野啓一郎が、とことん推理!細部まで捉えた驚きの映像から次々と発見される多くの謎。わずか1か月で完成!しかし猛烈な批判にさらされた知られざる物語。天才ピカソが遺した最後の謎めいた言葉とは?戦争の世紀が生んだゲルニカの奥深さを体感。
「カワイイの向こう側 デザイナー・上野リチ」
放送 2021年12月19日(日)午前9時〜[Eテレ]
カラフルな色彩と自由な線で描かれた鳥、花、樹木。ウィーン出身のデザイナー・上野リチは、日本人と結婚して来日。二つの国を行き来しながら、テキスタイルや身の回りの小物など、数々の「カワイイ」を生み出した。さらに、建築家である夫と手を組み、斬新な住宅や店舗を手がけながら、社会をもデザインし直そうと試みたリチ。カワイイの向こう側に夢見た“世界”とは。
「観て愛して集めて用いて考えた〜柳宗悦と民藝の100年〜」
放送 2021年12月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
柳宗悦が仲間と共に「民藝(みんげい)」という言葉を生みだしてから100年。日本各地へ旅にでかけ、「それまで誰も気にとめなかったもの、日々の暮らしで使うために作られたものに美の本質を見いだし、“美しい”とたたえた。人生をかけてものを“観て、愛して、集めて、用いて、考えた”柳。その美的感覚を解き明かすものが行李(こうり)から見つかった。100年たった今、私たちの暮らしに響く民藝のエッセンスとは?
「発掘!放浪の水墨画家 篁牛人」
放送 2021年12月5日(日)午前9時〜[Eテレ]
戦後富山で生きた孤高の水墨画家・篁牛人(たかむらぎゅうじん)。和紙を削り取るように描かれた黒。極端にデフォルメされた動物。まるでアニメのような人物。初めての大回顧展が開かれている今、この知られざる画家が“発掘”されようとしている。45歳で画家として出発するも売れず。54歳で家を出て放浪を繰り返す。酒におぼれる日々、つかんだ独自の画風とは?ついに到達した最高傑作。その失われたはずの半分が発見された!
「孤独と反骨の画家 菊畑茂久馬」
放送 2021年11月28日(日)午前9時〜[Eテレ]
1935年に生まれた菊畑は、早くに両親を亡くし、15歳で天涯孤独となった。戦後、前衛美術集団「九州派」に参加。現代美術界を代表する画家としてもてはやされるも、時流に乗ることを嫌い、その後、ほとんど作品を発表せず、“沈黙”した。「戦争画」に向き合い、自らの体験を元に「炭坑画」を描き後に世界記憶遺産に登録された山本作兵衛に師事。絵を描くとは何かを追求した。再び描き始めた菊畑がたどり着いた境地とは。
「ルーブル美術館・美の殿堂の500年 〜“太陽王”のもとで花開くフランス美術」
放送 2021年11月21日(日)午前9時〜[Eテレ]
収蔵数68万、ルーブル美術館には人類のあらゆる美の記憶が刻まれている。今回は17世紀~18世紀。太陽王ルイ14世のもとで、フランスは世界に冠たる芸術大国へと成長する。芸術が王権の象徴だった時代、アポロンの間など荘厳な美の結晶が花開く。太陽王が亡くなると、今度は恋愛や自由を謳歌するロココ芸術が現れる。芸術大国フランスが誕生した時代、ルーブルが誇る建築、絵画、彫刻、工芸、世界最高の美術品を8Kで撮影。
「ルーブル美術館・美の殿堂の500年 〜革命とナポレオンのルーブ」
放送 2021年11月14日(日)午前9時〜[Eテレ]
ルーブル美術館を8K映像でたどる。18世紀末~19世紀初頭、フランス革命により王宮ルーブルは民衆の美術館に。英雄ナポレオンは、世界の至宝をルーブルに持ち帰る。イタリアからルネサンスの傑作「カナの婚礼」を戦利品として獲得、皇帝となった自らの姿を大作「ナポレオンの戴冠」に描かせる。そしてエジプト遠征によって、古代エジプトの至宝がルーブルにもたらされる端緒を開く。ルーブルが世界的美術館へ変貌した時代!
「よみがえる 天平の息づかい〜第73回 正倉院展〜」
放送 2021年11月7日(日)午前9時〜[Eテレ]
今回公開されるのは、初出陳8件を含む55件の宝物。聖武天皇ゆかりの4弦楽器「螺鈿紫檀阮咸(らでんしたんのげんかん)」、光明皇后が自ら筆をとって書き写した書「杜家立成(とかりっせい)」、ハスの花をかたどった香炉の台座「漆金薄絵盤(うるしきんぱくえのばん)」などの至宝が並ぶ。日々の暮らしを彩った道具や仏の世界へのあこがれを映す品々など、天平人たちのリアルな姿を伝える宝物を紹介。
「北の息吹を刻む〜絵本作家・手島圭三郎 最終作へ〜」
放送 2021年10月31日(日)午前9時〜[Eテレ]
北海道の大自然をテーマに絵本を生み出してきた手島圭三郎(85)。一刀一刀力強い線を刻む木版画で、雄大な風景と躍動する動物たちの命を描いてきた。代表作「シマフクロウのみずうみ」は夜の湖上を音もなく羽ばたくシマフクロウが魚を捕る場面を、詩的でリアルに描き「大人の絵本」というジャンルを確立した。今年40冊目を期に創作活動に幕を下ろすことを決めた手島。一年がかりの執念の創作現場に密着。
「七転八虎不二〜変容する画家 タイガー立石〜」
放送 2021年10月24日(日)午前9時〜[Eテレ]
「絶えずアナーキーであることが一番正しく保てた」。1964年、東京オリンピックの年にゲリラ的ハプニングで現れ、時空を飛び越える不思議な視覚表現を発信し続けたタイガー立石。「売れっ子になりそうな危機」を感じると名前も住まいも変え、ジャンルすら捨ててしまう。ポップアート、漫画、工業デザインのイラストレーター、絵本作家、陶芸家。たえず変容し、七転八倒し続けた、立石のミラクルワールドへ、ようこそ!
「将軍からの贈り物 フランスの古城で新発見 幕末の美」
放送 2021年10月17日(日)午前9時〜[Eテレ]
フランス歴代君主の離宮・フォンテーヌブロー宮殿で、幕末の日本から皇帝ナポレオン3世に贈られた贈答品が大量に発見された。びょうぶや掛け軸、漆塗りのたんすなど、日本の芸術の粋を集めた豪華な美術品の数々。欧米列強の進出にさらされた東洋の島国は、美術品にどんなメッセージを込めたのか?日本とフランスの幕末美術品外交秘話が明らかに!さらに贈答品は日本の伝統絵画がどのように培われてきたかを物語るものでもあった。
「遠い日の風景〜谷内六郎の世界〜」
放送 2021年10月10日(日)午前9時〜[Eテレ]
誰もが子供の頃に見たような郷愁あふれる風景を描き続けた画家、谷内六郎(1921~1981)。そのライフワークは、「週刊新潮」の表紙絵。昭和31年の創刊号から昭和56年亡くなるまで描き続けた絵は、実に総数1300点以上に及び、昭和の日本人の多くに親しまれた。今年は谷内六郎の生誕100年。少年の感性を終生持ち続けた谷内の、懐かしく、ファンタジックで、時に怖い絵を、谷内自身の言葉とともに紹介していく。
「アニマルアイズ〜写真家・宮崎学〜」
放送 2021年10月3日(日)午前9時〜[Eテレ]
写真家・宮崎学は、人間社会のすぐそばで生きる多種多様な動物たちの姿を、半世紀にわたり写し続けてきた。探偵のごとく動物たちの痕跡を読み解き、自作のロボットカメラで人間の目が及ばぬ世界を写し出す。番組では、一年越しの構想の末、動き出した新プロジェクトに密着。「動物の住む森を、動物の目線から見る」、前代未聞の表現に挑む姿に迫る。
「横尾忠則 ART IS LIFE」
放送 2021年9月26日(日)午前9時〜[Eテレ]
60年代から世界を股にかけて活躍してきた横尾忠則。「描くことに飽きた自分が何を描くのかに興味がある」と語る85歳の意欲は、今も衰えることがない。突発性難聴でほどんど耳が聞こえないうえ、痛む手首のせいで筆先も震える。それでも、もうろうとした筆遣いさえ生かし、新たな境地へと進むのが横尾忠則。「人はどこから来て、どこへ向かうのか」。壮大な問いに挑む横尾の新作誕生の現場を追いかける!
「伝統は冒険のために〜第68回日本伝統工芸展〜」
放送 2021年9月19日(日)午前9時〜[Eテレ]
卓越したものづくりが一堂に介す日本伝統工芸展。今年も、応募総数1200点あまりから選ばれた作品が全国十カ所を巡る。歴代最年少26歳の入賞者も誕生し、審査委員が「これしかないんだって開き直った構えのものが多い」と語る今年の作品たち。アトリエ訪問なども織り交ぜながら、入賞作16点全てを、美しい映像とともにお届けする。伝統に根ざしながらつむがれる冒険の数々をお楽しみに。
「ルーブル美術館(2)永遠の美を求めて」
放送 2021年9月12日(日)午前9時〜[Eテレ]
ルーブル美術館を8Kでとらえたシリーズ、今回は19~20世紀を描く。革命、近代化、戦争、激動の時代に人々が求めた芸術を見つめる。この時代、自分たちの芸術とは何か?画家たちの葛藤が傑作を生み出す。ドラクロワが革命と自由を描いた「民衆を導く自由」。“真実こそが美である”と語った画家ジェリコーの言葉は今も響く。そして祈りと希望を描いた傑作。フェルメール、ラ・トゥール、至宝が語りかける闇と美の人間の真実。
「無言館の扉 語り続ける戦没画学生」
放送 2021年8月15日(日)午前9時〜[Eテレ]
700点を超える戦没画学生の遺作を所蔵する『無言館』。館長窪島誠一郎(78)が収集をはじめたのは、戦争の記憶の風化が叫ばれた戦後50年1995年のことだった。半世紀の時を越え、若き画家たちの作品と出会った瞬間の衝撃。そこには50年の歳月の重みがあった。絵の中に込められた“熱き思い”と半世紀という時間の中で確実に劣化していく絵の運命。そのリアルを伝えるか。修復家山領まりと窪島誠一郎の戦いを見つめる。
「ホリ・ヒロシ 人形風姿花伝」
放送 2021年7月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
人形師・ホリヒロシ。等身大の人形を一から作り、その人形と一緒に舞う「人形舞」を創設。この世とあの世をつなぐかのような舞台は、伝統と前衛のはざまにあると名高い。しかし3年前、人形舞を二人で作り上げてきた妻を失い、喪失感から新作を生み出せなくなった。コロナ禍の今年、愛する人を失った痛みと向き合わなければと新作へと踏み出す。若き日にホリから大きな影響を受けたという稲垣吾郎も出演。その魅力を熱く語る。
「わたしとイサム・ノグチ サカナクション 山口一郎」
放送 2021年7月11日(日)午前9時〜[Eテレ]
20世紀を代表する彫刻家、イサム・ノグチ。規則性と不規則性、人工と自然、相反する要素を拮抗させ、調和させ、唯一無二の彫刻世界を作り上げた。そんなノグチ作品に触れた事が、その後の人生、アートにハマる“初期衝動”だったと語るのが、サカナクションのボーカル・山口一郎さん。ノグチ彫刻に感じる“違和感”とは?そこにある、楽曲作りとの共通点とは?現代をけん引する山口一郎が、イサム・ノグチの魅力を語りつくす。
「靉光(あいみつ)の眼」
放送 2021年7月4日(日)午前9時〜[Eテレ]
敗戦の翌年の昭和21年、靉光(あいみつ)という名の画家が、上海の兵站(たん)病院でひっそりと亡くなった。日中戦争から太平洋戦争へと続く戦争の時代、多くの画家が戦争画を手掛ける中で、靉光は超現実主義的で幻想的な絵を描き続けた。その代表作が『眼のある風景』である。番組では、多くの謎を秘めた靉光の絵を、近年の科学調査や技法再現もまじえて紹介するとともに、最後は悲劇に終わったその人生を描く。
「三島喜美代 命がけで遊ぶ」
放送 2021年6月27日(日)午前9時〜[Eテレ]
大阪在住の現代美術家・三島喜美代さん。新聞や空き缶などの「ゴミ」を、焼き物で、本物と区別がつかないほど精巧に作る。しかも50年続けている。なぜそんなことを? 本人曰く「ただおもろいから」。そんな独創的で不思議な作品への評価は、今やウナギ登り。88歳にして現役。体力の限界などお構いなし。果敢なる新作作りの現場に密着!
「丸木位里・俊『沖縄戦の図』 戦争を描いてここまで来た・佐喜眞美術館」
放送 2021年6月20日(日)午前9時〜[Eテレ]
「原爆の図」の丸木位里・俊が最後に描いた地上戦。14点の壮大な連作「沖縄戦の図」はいかに書かれたのか。壮絶な沖縄戦で生き残った人々との共同制作。その貴重な映像記録が残されていた。読谷三部作が訴え続ける平和の重み。米軍上陸の初日に読谷村で起こった沖縄戦最大の惨劇“集団自決”。島民たちが逃げ込んだ“チビリガマ”の悲劇と全員が生き残った“シムクガマ”。明暗を分けたのはなんだったのか。丸木夫妻の発見とは?
「七転八虎不二〜変容する画家 タイガー立石〜」
放送 2021年6月13日(日)午前9時〜[Eテレ]
「絶えずアナーキーであることが一番正しく保てた」。1964年、東京オリンピックの年にゲリラ的ハプニングで現れ、時空を飛び越える不思議な視覚表現を発信し続けたタイガー立石。「売れっ子になりそうな危機」を感じると名前も住まいも変え、ジャンルすら捨ててしまう。ポップアート、漫画、工業デザインのイラストレーター、絵本作家、陶芸家。たえず変容し、七転八倒し続けた、立石のミラクルワールドへ、ようこそ!
「壁を越える〜パレスチナ・ガザの画家と上條陽子の挑戦〜」
放送 2021年6月6日(日)午前9時〜[Eテレ]
83歳、パレスチナへのおもいを胸に描き続ける画家上條陽子。死の絵から生きる絵の世界へ。イスラエルの爆撃により、多くの死者を出したパレスチナ・ガザ地区。高さ8メートルの壁に囲まれた自由のない世界で不屈の精神で描き続ける画家たちの姿。爆撃の1週間前に撮影した映像。死と隣り合わせの中、いとうせいこうが衝撃を受けたパレスチナの絵とは?全国各地を回るパレスチナ画家の奇跡の展覧会。上條陽子、執念の新作に挑む!
「没後1400年 宝物でひもとく聖徳太子の夢 聖徳太子と法隆寺」
放送 2021年5月30日(日)午前9時〜[Eテレ]
聖徳太子と法隆寺の至宝の数々が登場する特別展。国宝35件、重要文化財75件。飛鳥時代から江戸時代まで仏教美術の最高峰が一堂に。太子が日本文化の礎と呼ばれる理由とは?人でありながら仏のように信仰の対象となったのはなぜか?太子の姿を寺宝からひもとく。さらに太子直筆と伝わる書物を筆跡分析。浮かび上がった人物像とは。1400年前に太子が見た夢が現代につながる。ゲスト:池田理代子さん(漫画家)
「フランシス・ベーコンの秘密 バリー・ジュール・コレクション」
放送 2021年5月23日(日)午前9時〜[Eテレ]
20世紀で最も重要な画家の一人とされるフランシス・ベーコン。その死の直前に、千点を超える作品群が、親しかった友人バリー・ジュール氏に秘密裏に託された。それは、生前の「ドローイングは描かない」「デビュー前の作品は破棄した」といった伝説を覆すもの。存在が知られるや世に衝撃を与え、真贋をめぐる議論も巻き起こしてきた。初来日した作品に、ベーコンを愛してやまない写真家・レスリー・キーが迫る。
「ルーブル美術館 (1)すべてはレオナルド・ダ・ヴィンチから始まった」
放送 2021年5月16日(日)午前9時〜[Eテレ]
ルーブル美術館には、人類のあらゆる美の記憶が刻まれている。それは16世紀、レオナルド・ダ・ヴィンチから始まった。イタリア・ルネサンスに憧れた国王フランソワ1世が天才ダ・ヴィンチを招き、美の殿堂の礎を築く。「モナリザ」「岩窟の聖母」など、ダ・ヴインチの傑作が次々とルーブルに収集され、フランスは芸術大国の道を歩み始める。ダ・ヴィンチ、ミケランジェロなど世界最高の美を圧巻のカメラワークで堪能してください
「孤高の花鳥画家 渡辺省亭」
放送 2021年5月9日(日)午前9時〜[Eテレ]
知られざる花鳥画の天才・渡辺省亭がついに登場!西洋的な写実と江戸の粋が融合した唯一無二の世界を展開した省亭。明治に初めてパリに渡った日本画家で、ドガら印象派の画家たちを魅了した。国内でも高い評価を得たが、画壇に属さず、弟子もとらず、市井の画家として孤高の生涯をつらぬいたため、いつしか忘れ去られた。生命感に満ちた傑作の数々を紹介しながら、渡辺省亭の高い観察眼と高度な技法の秘密、孤高の生き方に迫る。
「私は世界でもっとも傲慢な男 ―フランス・写実主義の父 クールベ」
放送 2021年5月2日(日)午前9時〜[Eテレ]
理想化された美ではなく、一般庶民の葬式や自らのアトリエを巨大なカンバスに描き、19世紀フランス画壇を騒がせたクールベ。写実主義を唱え、故郷の自然や海をありのままに描き、モネなど印象派の画家たちに多大な影響を与えた。その人生は波瀾万丈!権力への反抗、売れっ子の名声、政治活動による投獄、そして亡命の悲劇――しかし画家は一貫して「目に見えるもの」を描き続け、「生きた芸術を生み出す」ことを追求した。
「美人画の神髄〜歌麿の技の錦絵〜」
放送 2021年4月25日(日)午前9時〜[Eテレ]
“UTAMARO”として世界でも名高い浮世絵美人画の巨匠、喜多川歌麿。歌麿は“青楼(=吉原)の画家”とも呼ばれ、上級の花魁ををはじめ吉原の遊女たちのさまざまな姿を描き出した。また美人で評判の町娘をブロマイドのように売り出し大ヒットを飛ばした。他の絵師を“木っ端絵師”と呼び、自分こそ“美人画の神髄”を捉えていると自負した。美人画の可能性に挑み続けた歌麿の錦絵の魅力を伝える。
「見つけた!デザインの宝物」
放送 2021年4月18日(日)午前9時〜[Eテレ]
日本各地には「デザインの眼」で見ると“すごい宝物”が秘蔵されている。気鋭のクリエーター5人が全国5か所の博物館や資料館の所蔵品をリサーチ。デザインとは近現代のものばかりではなく縄文時代にはすでに存在していたこと、“人間が最初に出会うデザイン”は玩具であること、祭祀(さいし)にたずさわる女性の装束にほどこされた“悪霊から身を守るためのデザイン”などデザインの概念を広げる“宝物”と背景にある物語を紹介。
「生中継!“鳥獣戯画展”スペシャル内覧会」
放送 2021年4月11日(日)午前9時〜[Eテレ]
4月13日から東京国立博物館で開催される展覧会「国宝 鳥獣戯画のすべて」。開幕を2日後に控え、まだ誰も見ていない会場の様子を生放送で伝える。最大の見どころは、「鳥獣戯画全巻(甲・乙・丙・丁巻)44メートルが、全部開いた状態で展示される」こと。作品の詳細は、事前に撮影した8K映像で堪能。断簡や明恵上人像など、見どころを余さず中継し「テレビだからこそ可能な、スペシャルな内覧会」をお届けする。
「ライゾマティクス まだ見ぬ世界へ」
放送 2021年4月4日(日)午前9時〜[Eテレ]
リオ五輪閉会式や紅白歌合戦のステージ演出で知られる「ライゾマティクス」は、プログラマー、エンジニア、デザイナーなどから構成される異能の専門家集団。最新のテクノロジーを駆使して、「株式市場でのAIと人間の戦い」、「電磁波の奏でる音楽」、「リアルとバーチャルが重なり合うダンス」など、見えない世界を見ようとしてきました。設立15年に開かれる大規模個展の会場を訪ね、“まだ見ぬ世界へ”の思いを大いに語り合います。
「震災10年 アーティストたちの想像力」
水戸芸術館で開催中の「3.11とアーティスト:10年目の想像」展。東北でのボランティアをきっかけに創作を始めた、小森はるかさんと瀬尾夏美さんのユニット、福島の帰宅困難地域との「境界線」を描き続ける加茂 昂さん…展覧会は、震災が露わにした問題の1つが「想像力の欠如」だと考え、見る人の想像力を喚起しようとする。さらに作家たちの目はコロナ禍の「今」にも向かう。柳澤紀子さん、鴻池朋子さんのメッセージとは?
「クラスター2020〜NY 美術家 松山智一の戦い〜」
「俺にピカソのような才能はない」。松山智一は20代で渡米後、日本人中心の勤勉なチームを作り、アートの最前線を駆け上がってきた。2020年は、新宿駅前と明治神宮での大きなプロジェクトを控え、凱旋帰国の年のはずだった。だが滞在中、新型ウイルスの拡大とともに、多数のプロジェクトが中断。自分のチームも、崩壊の危機に陥ってしまう。コロナ禍でのアーティスト人生をかけた、激動の300日に密着した。
特別アンコール放送「画家・安野光雅 雲中一雁の旅」
去年12月に94歳で亡くなった安野光雅さん。9年前、ライフワーク「旅の絵本」を、日本を舞台に描く姿に密着していた。「雲中一雁」とは、雲の中で群れにはぐれたのか、一羽の雁が飛んでいく様を表す中国の言葉。その姿に、絵描きの自分が重なると語る。創造の原点、ふるさと津和野での制作は、ペンによる下絵から始まり、彩色、完成へと進む。自身による「絵のある自伝」の朗読を交えて、新作に寄せる思い、創作の真髄に迫る。
特別アンコール「疫病をこえて 人間は何を描いてきたか」
新型ウイルスが再び猛威を振るう中、人がどのように疫病と向き合ってきたのかを見つめた番組を再放送。山本聡美さん(日本美術史)は、疫病を〈鬼〉の姿で表し可視化することで、不条理と折り合おうとしたと語る。小池寿子さん(西洋美術史)は中世ペスト期のイタリア壁画から、疫病の流行を経てルネサンスが準備されたと解説。ネットで護符として流行の妖怪「アマビエ」も登場!困難と向き合った人智(じんち)の結晶をご一緒に。
「雄々しき日本画〜横山操、伝統への挑戦〜」
1950年代、風雲児のように現れた画家、横山操(1920~1973)横山の絵が世間を驚かせたのは、およそ日本画らしからぬ画題だった。『溶鉱炉』は製鉄所の工場が描かれ、『塔』には、事で焼け落ちた谷中の五重塔の黒焦げた骨組みが描かれた。作品の根底には、20代の10年間を従軍とシベリア抑留で奪われた悲惨な体験が横たわる。番組では、生誕100年を機に日本画の伝統に挑戦し続けた画家、横山操の絵と人生を描く。
「コルシカのサムライ NIPPONを描く 画家・松井守男」
着物姿で絵を描き、“サムライ”と親しまれるフランス・コルシカ島在住の画家・松井守男。その筆先からは独特の抽象がほとばしり、最も栄誉ある勲章レジオンドヌールを受ける。去年、来日中に新型ウィルスの流行で帰れなくなった松井は、瀬戸内海の小さな島の光に魅せられる。「ここで世界をアッと言わせる絵を描く!」松井は、神社の襖(ふすま)に巨大な新作を描くことにした。サムライ画家が描くニッポンとは。
「李 禹煥(リ・ウファン) わたしと雪舟」
去年生誕600年を迎えた雪舟は、日本絵画史上ただ一人国宝6点を描き、“画聖(がせい)”と呼ばれた男。その雪舟にかねてから惹かれているのが、現代美術のトップランナー、李禹煥(リ・ウファン)。「雪舟の自然観に、呼びかけられている」と語る。<絵を描くとはどのような行為なのか>、<現代において雪舟を見るとはいかなる体験なのか>。李のまなざしを通して、時空を超え今、雪舟が語りかける!
新春スペシャル 「#アートシェア2021」
年の始めに、今見てほしい珠玉の一作を“あの人”がオススメ。井浦新:自宅にこもる日々、前を向かせてくれた太古の美とは。ヤマザキマリ:大切な旅を奪われる中、心を解放してくれたビジュアルアート。山口一郎(サカナクション):心の奥に眠る感情を揺さぶる無機質な写真。石黒浩(ロボット学者):人間の本質、そして未来に迫る彫刻とは。塩田千春(美術家):負の感情が“創る力”に。スタジオゲスト芦田愛菜
「至高の工芸をあなたに〜金沢 国立工芸館〜」
10月に石川県金沢市にオープンした国立工芸館。かつて皇居の側にあった東京国立近代美術館工芸館が移転した。収蔵されているのは、明治以降「近代」に作られた作品たち。ある時は国の後押しを受け日本文化を世界に知らしめ、ある時は芸術家としての個性が爆発する。鈴木長吉、富本憲吉、松田権六、角偉三郎など、<伝統>と<個性>が拮(きっ)抗し生まれる美しい世界を紹介する。
「いつもそこに“名画”があった」
90年前に日本で初めて西洋画をいつでも見られる美術館として誕生した大原美術館。始まりは、「日本の芸術界のため」に、海外の絵を集め、見てもらいたいというある画家の思いだった。その思いを受け、地元の実業家・大原孫三郎と息子・總一郎らによってコレクションは拡充されてきた。番組では、とびっきりの名画にまつわる思い出をつづった人々の手記に注目。俳優・美村里江さんによる手記の朗読を交え、美術館の歩みを見つめる