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目次
「さわやか自然百景」ってどんな番組?
放送 毎週日曜日 午前7時45分~[NHK総合]
再放送 毎週月曜日 午前4時~[NHK総合]※本放送の8日後
再放送 毎週水曜日 午後3時40分〜[NHK総合]※本放送の10日後
『さわやか自然百景』は、日曜日の朝7時45分から放送されているNHKの自然番組です。番組名は知らなくとも同番組のオリジナルテーマ曲には聞き覚えがあるという人も多いようです。この番組はたった15分間ですが、全国各地・四季折々の美しい映像が流れ、穏やかな休日を迎える人にとってはとても心地よい番組なのです。
同番組公式ホームページでの番組紹介
雪解け水が流れる春の小川、若葉鮮やかな初夏の森、青く澄み渡った真夏の海、実りを迎えた秋の里山、一面白銀に輝く冬の雪山・・・。四季折々の姿を見せる日本の自然は、世界でも例を見ないほど多様性に富んでいます。美しい景観を生み出し、たくさんの生きものたちを育むだけでなく、人とも深く関わり、日本の文化や日本人の心を育む上でも重要な役割を果たしてきました。
1998年4月に始まったこの番組「さわやか自然百景」では、日本の各地の自然や風景、そこで暮らす生きものたちの姿を、落ち着いたカメラワークと洗練されたナレーションでさわやかに描いてきました。これからも、番組をご覧になって、自然の美しさ、すばらしさ、貴重さ、そして、そこでの環境が育む生きものたちの大切さを感じていただければと考えています。
驚異的な視聴率!?
この番組は平成10年(1998年)4月にスタート、日本全国・四季折々の自然をテーマにした穏やかな番組で、実は隠れファンが多い番組で平均視聴率はなんと12%超という数字を叩き出しているんです!同番組を5年半担当している伊豆氏は、『日曜朝の番組なので、見る方に爽やかな気持ちになってほしいと思っています。日本には土地ごとに特殊な環境があり、そこに生きる動物たちがいます。「ダーウィンが来た!」の主役は生き物ですが、この番組の主人公は場所そのものです。』と語っています。
「さわやか自然百景」の再放送は?
「さわやか自然百景」の再放送の予定は、以下のとおりです。
再放送 毎週月曜日 午前4時~[NHK総合]※本放送の8日後
再放送 毎週水曜日 午後3時40分〜[NHK総合]※本放送の10日後
過去の放送回の動画を見る方法
同番組のファンの方々の中には、「もう一度あの番組を見たい!」とか「放送時間に制約されずに好きな時に見たい!」と言った方がいらっしゃるのではないでしょうか!?そんな方におすすめしたいのが動画配信サービスです。
1.放送から1週間以内なら「NHKプラス」で視聴!
「NHKプラス」は、NHKの地上波放送の番組をインターネットで視聴できる無料の動画配信サービスです。放送中の番組を視聴できる「常時同時配信」と、放送後の番組を視聴できる「見逃し番組配信」があります。ただし、見逃し番組配信は放送日から1週間となります。
2.放送日の翌日から「NHKオンデマンド」や「U-NEXT」でも視聴できます!
「さわやか自然百景」の見逃し動画は、NHKオンデマンドやユーネクストで配信されています。過去に放送された100本以上の作品を視聴することができます。
現在、NHKオンデマンドやユーネクストで配信中の作品は、コチラから確認できます。
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NHKオンデマンドは、NHKが放送した番組をブロードバンド回線を通じて、日本国内限定でPCやスマートフォン、タブレット、高機能TV等に有料で配信する動画サービスのことです。NHKオンデマンドは、見逃してしまった番組やニュース番組、そしてもう一度見たい過去に放送した番組を、いつでも好きな時間に視聴することができるというメリットがあります。ただし、NHK番組しか見ることができません。
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過去に放送された「さわやか自然百景」の番組内容
1998年4月から放送が始まった「さわやか自然百景」の過去に放送された番組の内容は、同番組公式ホームページの「これまでの放送」ページでご覧になれます。
過去の番組は「放送日」と「地域」から調べることが出来ます。
「まるごと見放題パック」に入れば、約20年間にわたり放送されてきた同番組の過去の放送回をじっくり視聴することができます。
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なお、NHKの見逃した番組を見る方法は、コチラの記事をご参照ください。
(注)なお、本ページに記載しているユーネクストの情報は2024年11月時点のものです。 最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
「さわやか自然百景」の最近の放送内容
新しい順に掲載。なお、以下の作品は2024年11月17日現在、ユーネクストで配信されている作品です。
164作品
愛媛 愛南町の海
四国の南西部、愛媛県愛南町の沖に広がる宇和海。黒潮の影響を受ける温暖なこの海では100種を超えるサンゴが見られる。そこを泳ぎ回るのは色とりどりの魚たち。また、キビナゴの大群を追ってカンパチの群れも現れる。さらに夏、黒潮に乗って南の海から珍しいサメがやってくる。絶滅の危機にあるアカシュモクザメだ。宇和海は群れが見られる数少ない場所の一つである。夏、多様な命がきらめく愛媛・愛南町の海を見つめる。
栗駒山 夏から秋
岩手、宮城、秋田の3県にまたがってそびえる栗駒山。標高1626メートルの活火山だ。6月、まだ雪が残る稜線付近ではヒナザクラやタテヤマリンドウなどが次々に開花。稜線のすぐ下に点在する湿地ではエゾイトトンボが水草の茎に卵を産みつける。10月、山は紅葉の季節を迎える。湿地をヒメアカネやムツアカネが飛び交い、ゴヨウマツの林ではホシガラスがマツの種を忙しく集める。夏から秋、色鮮やかに変化する栗駒山を訪ねる。
紀伊半島 北山川
紀伊半島の南部、大台ヶ原を源流とする北山川。奈良、三重、和歌山の3県を流れ、熊野川に合流する全長100キロほどの川だ。源流部は日本で有数の雨の多い地域。青く澄み切った流れをアユやアマゴなど魚たちが泳ぎ回る。水辺の森にはワカヤマヤチネズミなど貴重な生きものが暮らす。そして、季節毎に水位を変える川。水際の断崖には厳しい環境に適応した珍しい植物が見られる。北山川の流れが織りなす生きものたちを見つめる。
千葉 鋸南町の海
千葉県南西部、鋸南町(きょなんまち)の沖に広がる東京湾。その青い海に潜ってみると海底をさまざまな形をしたサンゴが覆っている。そこにはカエルアンコウやボロカサゴ、コスジイシモチなどたくさんの生きものが暮らしている。なかには、本来南の海で多く見られるクマノミの姿もある。なんと4、5年前からはこの海で繁殖するようになったという。ここは本当に東京湾?多くの生きものたちの命を育む千葉・鋸南町の海を紹介する。
滋賀 西の湖
琵琶湖のすぐ隣に小さな湖がある。滋賀県近江八幡市の「西の湖」だ。水辺には近畿地方有数の規模のヨシ原が広がり、生きものたちの楽園になっている。中でも野鳥は年間120種以上を数える。夏、オオヨシキリがヨシ原でにぎやかに鳴く。夕方になると、周囲の田んぼからヨシ原にスズメやカワラヒワが集まる。さらに、ツバメの大群も湖の上空を覆う。いったい何のために集まるのか? 小さな湖で繰り広げられる命の営みを見つめる。
北海道 ホロニタイ湿原
北海道・根室半島の付け根、太平洋に面したホロニタイ湿原。ここは夏の時期、海からの霧が立ちこめて日を遮り、低温で多湿な環境となる。この冷気により、本州では高山でしか見られない花々がこの低地に咲き、湿地の花に交ざって独特の花畑を生む。多様な花畑は虫たちを集め、それを求めてノビタキやオオジシギなど多くの夏鳥が渡ってきてパートナーを探し子育てを行う。独特な環境の湿原が育む生きものたちの営みを見つめる。
岡山 蒜山(ひるぜん)の森と草原
岡山県北部の森と草原が広がる高原地帯、蒜山(ひるぜん)。初夏、森の中の池では、モリアオガエルが水辺に張り出した木の枝に群がって産卵を始める。草原では、絶滅危惧種のフサヒゲルリカミキリがユウスゲの茎をかじって傷をつけ、その中に卵を産み付ける。草原に点在する湿原ではカキランなどが花を咲かせ、日本一小さなトンボ、ハッチョウトンボが飛び交う。人の暮らしの近くに広がる蒜山の高原地帯で輝く命の営みを見つめる。
立山連峰 浄土山
標高3000メートル級の山々が連なる北アルプス・立山連峰。その一角にそびえる浄土山は標高2831メートルの山だ。7月、雪どけが進むなか、稜線付近には高山植物の花畑が現われ鳥たちは繁殖期を迎える。麓からハイマツ林に上がってきて恋の相手を探すカヤクグリ。巣の材料集めに忙しいイワヒバリ。8月、ライチョウの母親は生まれたばかりのヒナに高山で生きるすべを教える。夏、浄土山で命をつなぐ生きものたちを見つめる。
北海道 襟裳岬の岩礁
北海道の南側に突き出た襟裳岬では、年中強い海風が吹き、海流が岬の岩礁へとぶつかる。潮は豊かな魚介類をもたらしシノリガモやカモメを育む。5月の大潮の日、岬に定住しているゼニガタアザラシは、メスの多くが出産を迎える。出産後の胎盤を狙い集まるのは鳥たち。アザラシの赤ちゃんは生まれてすぐに泳ぎ、岩に上がって母乳をせがむ。アザラシの出産をきっかけに一気ににぎやかさを増す襟裳岬で、命の営みを見つめる。
大阪 摂津峡
大阪府高槻市の摂津峡。市街地のすぐ近くにある渓谷で、江戸時代から景勝地として多くの人に親しまれてきた。初夏、緑あふれる渓谷では生きものたちが躍動!ミヤマカワトンボのオスは岩の上で腹部をくねらせてメスにアピール。夜、カジカガエルのオスは澄んだ声で鳴き、メスへ求愛する。夏、渓谷の森に集まる昆虫たち。木から染み出る樹液にはカブトムシなどが群がる。人の暮らしのすぐ近くの渓谷で連綿と続く命の営みを見つめる。
谷川連峰 春から夏
群馬県と新潟県の境に2000メートル級の山々が連なる谷川連峰。その一つ、谷川岳の群馬県側には標高差およそ800メートルの一ノ倉沢の岩壁がそびえ立つ。春、雪どけとともに生きものたちが躍動!岩壁を移動するニホンカモシカ。渓流ではカワガラスが子育てに励む。そして夏、高山植物の可憐な花が稜線を彩る頃、絶滅が心配されるクマタカは巣立ちの時を迎える。春から夏、谷川連峰の険しい山々で輝く、命の営みを見つめる。
北海道 勇払川の河畔林
北海道、苫小牧市郊外の森を流れる勇払川。川辺には明るく開けた河畔林が広がる。火山性土壌のため、強風などで木々が倒れたからだ。夏、森では、明るい環境を好むキビタキなどの野鳥が子育てを始める。この中に不思議な行動をする鳥がいる。アオバトだ。木の枝に巣を作るが、子育ての時期だけは、森を離れて近くの海岸に行き、海水を飲むのだ。ミネラルを補給するためと考えられている。野鳥たちが命をつなぐ北国の川辺を描く。
淀川水系 三川合流域
京都盆地の南西部に桂川、宇治川、木津川の3つの河川が合流して淀川になる場所がある。「三川合流域」と呼ばれるこの場所にはオギやヨシなどが生い茂るカヤ原が広がり、さまざまな生きものたちの活動の舞台になっている。初夏、オギやヨシの茎に巣を作り、子育てに励むオオヨシキリ。オギの葉を細かく編み込んだ巣で次の世代に命をつなぐカヤネズミ。市街地の近くに残る豊かな自然、淀川水系三川合流域で命の営みを見つめる。
北海道 清流 尻別川
北海道の西側、羊蹄山の麓を流れる尻別川。山麓に降った雨や雪が火山の大地にしみこみ地下水となり、裾野で湧き出して集まった清流だ。澄んで冷たい川の水は藻を育む。そこには水生昆虫や魚が集まり、ヤマセミなどの鳥がそれらを狙う。さらに、初夏のこの時期だけ川を訪れるのはショウドウツバメ。火山灰土でできた崖を掘って巣を作り、この時期に羽化する虫たちを糧に子育てを行う。清流が支える命のつながりを見つめる。
鹿児島 錦江湾
薩摩半島と大隅半島に挟まれた鹿児島湾。地元では古くから錦江湾(きんこうわん)の別名で親しまれている。活火山・桜島の麓に広がる湾の浅瀬にはテーブル状のサンゴが群生し、湾全体では1千種を超える魚たちが暮らしている。夏は繁殖の季節。マダラギンポはサンゴの上で熱烈な求愛のダンス。ナガサキスズメダイのオスは卵の世話で大忙し。そして夜、サンゴの神秘的な営みが見られる。生きものたちでにぎわう夏の錦江湾を訪ねる。
飛騨の湿原
岐阜県北部、飛騨地方に小さな湿地が点在する。標高およそ1000メートルの高原地帯にある池ヶ原湿原。5月上旬にはリュウキンカやミズバショウの花が湿原を埋め尽くす。そんな花園にツキノワグマが意外な理由で訪れる。一方、標高およそ1400メートルの天然林に囲まれた天生(あもう)湿原。5月下旬、森は色とりどりの花であふれ、湿原ではクロサンショウウオが懸命に命をつなぐ。たくさんの命を育む飛騨の湿原を紹介する。
大分 姫島
大分県、国東半島の沖に浮かぶ姫島。5月、島は鳥たちでにぎわう。繁殖期を迎えたミサゴやイソヒヨドリ。浅瀬ではクロサギが夢中で魚を捕まえる。この時期、海岸にはスナビキソウの花が咲き乱れ、大型のチョウ、アサギマダラが集まり蜜を吸う。南西諸島などから本州などへ渡る旅の途中、島に立ち寄ったもので、毎日数百匹を数える。実はアサギマダラがスナビキソウの花に集まるのには特別の理由がある。命輝く初夏の姫島を訪ねる。
宮崎 枇榔島(びろうじま)
宮崎県北部、日向灘に浮かぶ枇榔島(びろうじま)。断崖や荒々しい岩場に囲まれた小さな無人島は、春、たくさんの鳥たちでにぎわう。断崖の岩の隙間で子育てをするイソヒヨドリ。潮や波の浸食で作られた岩山で巣作りを始めるミサゴ。国の天然記念物カンムリウミスズメは、島の中心部を覆うタブノキの根元や岩の隙間で卵を抱く。ヒナは生まれて2日と経たないうちに巣立ちの時を迎えるが…。鳥たちの楽園、枇榔島の春を見つめる。
福島 只見 ブナの森
福島県西部の只見町。標高1000メートル級の山々が連なり、ブナを中心とした落葉広葉樹の森が広がる。森は生きものの宝庫。5月、雪どけとともにブナは一斉に芽吹く。新緑の森には野鳥の声が響き渡り、ニホンザルが柔らかな若葉を求めて動き回る。一方、この辺りの地形の特徴は山肌が剥き出しになった急峻な谷。ニホンカモシカやツキノワグマが急斜面に生える植物を求めて姿を現わす。新緑のブナの森に生きものたちの姿を追う。
「北海道 西別川」
北海道東部を流れる西別川。湧き水が集まり流れるこの川は、残雪の季節、特別な場所となる。森が雪に覆われ緑が無くなっていても、地下水により水温が高いこの川ではバイカモが繁茂し緑のままだ。バイカモは小魚たちの格好の隠れ家となり、そこには魚を求めて鳥たちもやってくる。さらに、貴重な緑を求め、森からはエゾシカが川へとやってきてバイカモを食べて命をつなぐ。雪景色の中、緑豊かな川が育む生きものたちを紹介する。
「春 沖縄 石垣島の海」
沖縄県石垣島は、島の周りに日本最大級のサンゴ礁が広がる。確認されているサンゴは360種以上。たくさんの生きものがサンゴに寄り添うように生きている。春、深場からやってくるのは大型のイカ、コブシメ。繁殖期を迎え、メスは枝状のサンゴの隙間に産卵する。サンゴの欠片などが積もった場所ではモンスズメダイのオスが産卵場所を作る。やがてペアになり、メスは卵を産む。多種多様な生きものが命を育む、春の石垣島を訪ねる。
「奈良 春日山原始林」
奈良市の中心部から2キロほどの場所に緑豊かな森がある。春日山原始林と呼ばれる森で、カシやシイなどの照葉樹が千年以上ほとんど手つかずのまま残されてきた。春、森では生きものたちが活発に動き始める。カシは新芽をつけるとともに、古い葉を少しずつ落とす。そんな落ち葉をニホンジカは盛んに食べる。大木のうろに暮らすムササビは照葉樹の葉を食べて、まもなく始まる恋の季節に備える。春の春日山原始林で命の営みを追う。
「東京 多摩川水系 浅川」
東京都八王子市から日野市を流れ、多摩川に合流する浅川。川の周りには田畑や住宅地が広がるが、都内有数の野鳥の楽園でもある。早春、川岸にカワヅザクラが咲くと、メジロやヒヨドリが花の蜜を求めてやってくる。川ではカワウが水に潜って魚を捕らえるが、コサギの群れが現れてカワウを取り囲む。その訳は…。やがて春本番を迎え、川岸ではキジの雄が甲高い声を響かせる。人の暮らしの近くで躍動する命の営みを見つめる。
「北海道 厳冬 屈斜路湖」
日本最大のカルデラ湖・屈斜路湖では、冬、厳しい寒さにより「寄せ氷」や「フロストフラワー」など氷の造形が現れる。寒さの一方で、湖周辺の、活火山の熱により雪や氷がとけた場所では、なんとコオロギが雪景色の中で恋の音色を奏でる。そこは草も生え、鳥やエゾシカも集まるオアシスとなる。さらに地熱が生む温水で湖の一部は年中氷が張らず、水鳥の冬の住みかとなる。冬、火山の恵みを受けながら暮らす生きものたちを見つめる。
「鹿児島 沖永良部島の海」
鹿児島市から南西へおよそ550キロ、奄美群島の沖永良部島はサンゴ礁が隆起してできた島。周囲の青い海には複雑な海底地形が広がる。冬、海に潜ると、岩場を色鮮やかな魚たちが泳ぎ回っている。水深40メートルの海で出会ったのは、大型魚ギンガメアジの千匹もの群れ。竜巻のように渦を巻いて泳ぐ不思議な行動を見せる。さらに、北の海からザトウクジラがやってきて、子育てに励む様子も見られる。命躍動する冬の海を訪ねる。
「北海道 雪が覆った野幌森林公園」
札幌市のはずれにかけて広がる野幌森林公園。冬、市民がスノーシューを楽しむ傍らには、生きものたちの暮らす様子が雪面に刻まれている。人が歩くような足跡はキタキツネ。前あしの跡と同じ場所を後ろあしが踏むと二本足のような跡がつく。雪の上に目立つ木くずは、キツツキが樹上で虫を探して木を削った証拠。園内を移動するシカの群れは、林の中をラッセルし不思議な跡を残す。雪の公園に暮らす生きものたちの痕跡をひもとく。
「佐渡 国仲平野」
新潟県佐渡。島の中央部に豊かな田園地帯、国仲平野が広がる。秋、田んぼの上空を舞うのは国の特別天然記念物のトキ。この時期、トキに加えて渡り鳥などたくさんの鳥でにぎわう。冬、トキは恋の季節を迎えて求愛行動を始める。そして3月、田んぼの近くの高い木で巣作りを開始するが、しばしば巣の場所を巡って争いが生じる。こうしたトキの暮らしを支えているのは、地元の農家の人たちだ。トキが暮らす佐渡・国仲平野を訪ねる。
「富士山麓 山中湖」
富士山のふもとに位置する山梨県の山中湖。湖の周りにはミズナラやカエデなどの落葉広葉樹とカラマツなどの針葉樹が入り混じる森が広がる。秋、湖畔の森では植物の実や種を求めて鳥たちが躍動。湖面はたくさんの水鳥が飛来してにぎわう。冬、森の奥の水場では鳥たちが水浴び。ハイタカもやってくる。一方、伏流水が作り出した小さな川には魚たちが集結。そこにカワウやマガモが飛来して騒ぎが起こる! 秋から冬、山中湖を訪ねる。
「北海道 凍りつく湖 オンネトー」
北海道東部の湖・オンネトー。火山の土石流が川をせき止めできた標高600mもの高地の湖だ。極寒の高地にある湖は、冬のある日一気に凍りつく。氷が湖面を覆い、エメラルド色の鏡となる奇跡の景観が現れる。氷の中には、湖底から出てくるガスの泡が閉じ込められ「アイスバブル」の造形が刻まれる。氷が厚くなり横にも広がりひしめくことで「湖の歌」が聞こえてくる。厳冬の一瞬に表情を変える湖・オンネトーの自然を紹介する。
「紀伊半島 古座川」
和歌山県南部、紀伊半島の山並みを縫って流れる古座川は日本有数の清流として知られている。この川を代表する魚はアユ。春、アユは食べ物の藻類を求めて滝を越えて上流を目指す。梅雨時、こんどはボウズハゼが滝の横の垂直な岩を張り付くようにして登る。やがて秋、アユは産卵の時期を迎え、下流の浅瀬に集まる。そんなアユを狙うのはダイサギやミサゴ、さらに海の魚クロダイなどだ。古座川の清流で営まれる命のドラマを見つめる。
「十勝平野 命をつなぐ防風林」
十勝平野の広大な農地の中には、防風林が連なる。その中に、この地にかつて多く生えていたカシワの森が残されてきた防風林がある。このカシワの防風林には、花に集まる虫を求めて多くの鳥たちが集まり、カシワの木にあいた樹洞にはシジュウカラやモモンガが暮らす。さらに、防風林の多くは河川敷に広がる森などにつながっているため、防風林が森と森とをつなぐ重要な通路にもなっている。生きものの命をつなぐ防風林を見つめる。
「山口 青海島 春から秋」
山口県長門市の沖、日本海に浮かぶ青海島。島の北側には荒々しい岩場が続く。ここに暮している鳥がいる。タカの仲間、ミサゴだ。春はミサゴにとって恋の季節。巣を作って、夏にかけて子育てを行う。青海島の海は魚が豊富で、魚を主な食べ物とするミサゴにとって格好の環境なのだ。しかし、秋が深まるにつれて海は荒れ、島の北側の岩場では狩りが難しくなる。ミサゴはどう命をつなぐのか?春から秋、島がつむぐ命の物語を見つめる。
「新春特集 人と自然がつながりあう大地」
「さわやか自然百景」新春特集! 折に触れ、暮らしに寄り添う豊かな自然を見つめてきたこの番組。新春特集ではその中から厳選した場所を、磯山さやかさんが訪ねて人と自然の豊かな関わりを体感します。新潟では日本有数の美しい棚田を訪れ、里山に浸ります。横浜の鶴見川では都市部のバードウォッチングに挑戦! オオタカの狩りにも遭遇します。北海道栗山町では人々の努力で再生された里山の自然を紹介します!
「北海道 北見山地 サケ跳ぶ川」
北海道・北見山地、ハイマツが覆うなだらかな山並みが続く。ここは起伏が少なく日あたりが良いため積雪もとけやすく、常に豊富な地下水が麓の川を潤す。秋、サケたちが勾配の小さい川を上ってくる。いくつも低い滝を越えていく中、とうとう越えられない滝が出現。滝の下ではサケがたまり、産卵を繰り返す。すると卵を食べに鳥が訪れ、集まったサケを狙ってクマが現れる。滝の下は、生きものが集う「命つながり合う水辺」となる。
「徳島 蒲生田岬」
四国本土の最も東に位置する徳島県蒲生田(かもだ)岬。9月、海岸ではハマゴウやハマアザミが花を咲かせ、イワツバメやイソヒヨドリが飛び交う。11月、秋が深まるにつれ、岬に強い風が吹きつける。そんな岬の上空に現れたのはハイタカ。越冬のため日本各地に向かう旅の途中だ。時に越冬地に向かうヒヨドリの群れを襲う。一方、岬の先端近くの池には水鳥が飛来して旅の羽を休める。多くの鳥たちが行き交う蒲生田岬を訪ねる。
「秋 軽井沢の森」
浅間山の麓の長野県軽井沢町。秋、高原の森は実りの季節を迎え、たくさんの生きものが活発に動き回る。たわわに実を付けたオニグルミを狙うニホンリス。春に生まれた子リスも母リスといっしょに行動し、生きる術を覚える。ニホンザルやイノシシ、ヤマドリなども森の恩恵を受ける。秋が深まり木々が色づく頃、ニホンリスはせっせとオニグルミを土の中などに隠す。食べ物が乏しい冬から春に備えての行動だ。秋の森で命の営みを見る。
「金剛山 秋」
大阪府と奈良県の境にそびえる金剛山。年間50万人ほどが訪れる人気の山だ。秋、山の中腹、森を流れる沢沿いではかれんな花が次々に咲く。ツリフネソウの花にはトラマルハナバチがやってきて蜜を吸う。一方、稜線近くの落葉広葉樹の森は実りの季節を迎え、ヤマガラやカケスなど鳥たちでにぎわう。この時期、山の上空をタカの仲間、サシバが通過。南の越冬地へ向かう旅の途中だ。秋の金剛山で躍動する生きものたちの姿を追う。
「北アルプス 乗鞍岳 秋」
長野県と岐阜県にかけて20を超える峰々が連なる北アルプスの乗鞍岳。稜線近くのなだらかな斜面にはハイマツ林が広がる。秋、松ぼっくりを求めてやってくるのはホシガラス。盛んに種子を取り出してついばむ。その食べ残しを口にするのはライチョウ。また、ハイマツ林ではカヤクグリやイワヒバリが虫を狙う。さらにツキノワグマが高山植物の実などを求めて麓の森から登ってくる。乗鞍岳の山の上で躍動する生きものたちの姿を追う。
「北海道 樽前山 火山の花畑」
北海道南西部の樽前山は、現在も火山ガスを噴き出す活火山。山頂の周辺には岩が露出し、強い風が吹き付ける。この厳しい環境に適応した高山植物は、夏、かれんな花を次々と咲かせる。火山に現れたこの花畑には多くの虫が現れ、その虫たちを求め、ハクセキレイやヒバリなどの鳥が集まる。ふだんは平地で暮らしている鳥たちが、平地に似た開けた環境があることで、やってくるのだ。火山の特別な環境が育む命の営みを見つめる。
「岐阜 和良川」
岐阜県郡上市、緑の里山を流れる和良川。夏、清らかな流れは、アユをはじめアブラハヤや絶滅危惧種のアジメドジョウなど魚たちでにぎやかだ。一方、川岸の岩の隙間に身を潜めている生きものもいる。特別天然記念物で、世界最大の両生類のオオサンショウウオである。ふだんはのんびりと暮しているが、時に鼻先に近づいた魚を大きな口でパクリ。豪快な狩りを見せる。人々のすぐ隣で生きものたちが命をつなぐ、清流の夏を見つめる。
「愛知 一色干潟」
愛知県、三河湾の奥に広がる一色干潟。繁殖地の北国と越冬地の南国を行き来する渡り鳥の貴重な中継地だ。シギやチドリの仲間など100種ほどが確認されている。そんな鳥たちのお目当ては干潟に生息するカニやゴカイなど。旅の途中、羽を休めたり栄養を補給したりする。海岸沿いには干拓地も広がるが、ここにも渡り鳥が飛来。絶滅が心配されるセイタカシギが繁殖する。夏の終わりから秋の初め、一色干潟に集まる鳥たちを見つめる。
「北海道 東大雪 霧の森」
北海道・東大雪地域には霧が立ちこめる森がある。火山が生んだ岩だらけの山肌は、冬、内部まで凍りつき永久凍土を残す。岩のすき間から出る冷気は霧を生む元ともなり、湿気の多い地面はコケだらけ。冷涼なことで、標高が低いのに高山植物が茂る。氷期の生き残り・ナキウサギは、背丈の低い高山植物を糧に暮らし、秋、シマリスは高山植物の実を地面に隠して厳しい冬に備える。岩だらけの大地が生む霧の森で、命の営みを見つめる。
「京都 冠島」
若狭湾に浮かぶ京都府舞鶴市の冠島。周囲4キロほどの無人島で、タブノキを中心とする緑の森に覆われている。夏の夕方、島に数万もの黒い影が近づく。翼を広げると1メートル以上もある海鳥、オオミズナギドリの大群だ。冠島は西日本最大の繁殖地。鳥たちは森に穴を掘って子育てをするが、巣穴が密集しているため時に争いが起こる。そんな島の自然を地域の人々は大切に守り続けている。海鳥が命をつなぐ、冠島のひと夏を見つめる。
「飯豊連峰 夏」
山形、福島、新潟の3県にまたがって連なる飯豊(いいで)連峰。標高2000m級の山々のりょう線付近は高山植物の宝庫だ。夏、かれんな花が次々に咲くと花の蜜を求めてベニヒカゲやアサギマダラが舞う。斜面に広がるハイマツ林では、ホシガラスがマツの実を探し、カヤクグリが茂みで繁殖する。さらにツキノワグマが山麓の森からりょう線付近まで登ってきて高山植物の柔らかな葉を選んで食べる。命あふれる夏の飯豊連峰を訪ねる。
「三陸海岸 三貫島」
岩手県釜石市の三陸海岸沖に浮かぶ三貫島(さんがんじま)。周囲4キロほどの無人島で、常緑広葉樹のタブノキが生い茂る。初夏、日が沈むと海鳥の大群が島を覆う。オオミズナギドリだ。三貫島は北日本最大の繁殖地。海の上で一生を送るこの鳥は、繁殖期にだけ島にやってきて、タブノキの森に巣穴を掘って子育てを行う。さらに、この島では絶滅危惧種のウミツバメの仲間3種も繁殖する。海鳥の貴重な楽園のひと夏を見つめる。
「徳島 宍喰の海」
太平洋に面した徳島県海陽町宍喰。高知との県境に位置し、2つの県をまたいで幅1キロほどの波穏やかな入り江が広がる。黒潮の影響を受けた海にはサンゴが群生し、たくさんの魚が泳ぎ回る。春から夏、入り江にちょっと変わった魚が姿を現す。大きさ1メートルほどのテンジクザメだ。ふだんは沖の深場に暮らしているが、この海に集まり、驚くような方法で不思議な卵を産む。テンジクザメの貴重な繁殖場所でもある宍喰の海を訪ねる。
「広島 太田川下流」
中国地方最大の都市・広島を貫く太田川。下流では幾筋にも分かれて瀬戸内海に注ぐ。海水が流れ込む下流域には、干潮時、川岸のあちらこちらに小さな干潟が現われる。そこは生きものたちの貴重な楽園。塩分に強い植物の群落。次の世代に命をつなぐハクセンシオマネキやアカテガニ。海から入り込んできた魚を狙うミサゴ。河川敷の草地で繁殖するオオヨシキリ。春から夏、広島を流れる太田川で生きものたちの知られざる姿を見つめる。
「釧路 野鳥さえずる森」
北海道東部の釧路町森林公園は鳥たちの鳴き声でにぎわう森。初夏、コマドリやキビタキは縄張りを主張したり恋をささやいたりするための自慢のさえずりを披露し、トドマツにあいた巣穴ではクマゲラのヒナが親に食べ物をねだって鳴き声を響かせる。カラスやキツネなど天敵の多い草むらでは、ミソサザイの親子が鳴き声でコミュニケーションを取りながら懸命に命をつなぐ。鳴き声があふれる釧路の森で、鳥たちの営みに耳を澄ます。
「草津白根山 山麓の湿地群」
群馬県北西部にそびえる活火山、草津白根山。東側には火山活動によって形成された湿原や池沼が連なる湿地群がある。その一つ、芳ヶ平湿原では初夏から夏、生きものが活発に動き回る。水底に潜むクロサンショウウオの幼生。岸辺の植物に産卵するモリアオガエル。湿原で羽化し、懸命に子孫を残すオオルリボシヤンマ。また、強い酸性の水が流れる川では不思議な植物が群生する。火山が作り出した環境でたくましく生きる命を見つめる。
「島根 日御碕の海」
島根半島の西端、日本海に突き出た日御碕(ひのみさき)。夏、対馬海流に洗われる沖合の岩場には、キンメモドキやイサキの大群をはじめ、回遊魚のブリやヒラマサなどたくさんの魚たちが集まる。一方、浅瀬の海藻の森ではメジナの群れが食事。スズメダイやニジギンポなどは懸命に卵を守る。その頃、岬周辺の海に珍しい魚が現れる。繁殖期を迎えたトビエイで、メスはお腹に赤ちゃんがいる。多様な命が輝く島根・日御碕の海を訪ねる。
「伊豆諸島 三宅島 初夏」
東京都心から南へおよそ180キロ、伊豆諸島の三宅島。直径8キロほどの火山島で、島の8割近くは照葉樹を中心とした緑に覆われている。初夏、たくさんの鳥たちが島で繁殖活動に勤しむ。森で子育てを行うのはアカコッコやオーストンヤマガラ。海岸近くの草原に渡ってくるのはウチヤマセンニュウ。2000年夏の噴火で森は大きな被害を受けたが、鳥たちは危機を乗り越えてたくましく生きている。バードアイランド三宅島を訪ねる。
「信越 鍋倉山 ブナの森」
長野県と新潟県の境にそびえる鍋倉山。この山の一帯には豊かなブナの森が広がっている。5月、山全体が柔らかな新緑に包まれると、森には多くの生きものたちが集まってくる。ブナの新芽に群がるユキグニコルリクワガタ。ブナの老木の巣穴で子育てをするアカゲラ。森の湿地ではちょっと変わった植物、ナベクラザゼンソウが花を咲かせ、そこにツキノワグマが現れる。春から初夏、鍋倉山のブナ林で躍動する生きものたちを見つめる。
「北海道 赤岩青巌峡」
木々の間から巨岩が突き出た不思議な森がある。北海道・占冠の渓谷、赤岩青巌峡の森だ。硬い岩石が積み重なり土壌が乏しいため、森の中は倒木だらけ。キツツキたちが弱った木に穴をあけ、倒木に隠れる幼虫などを糧に子育てを行う。岩のすき間はコウモリたちに格好のねぐらを提供する。草が少ない岩肌にはコケが生え、オオルリはコケで巣を作って卵を温める。岩だらけの大地に広がる独特な森で、つむがれる命の営みを見つめる。
「埼玉 北本の谷戸」
埼玉県中央部の北本市。大宮台地の上に市街地が広がり、西側を荒川が流れる。台地の端には小さな谷がいくつも刻まれている。谷戸と呼ばれる地形で、雑木林に囲まれ、湧き水が作る池や湿地が点在する。そこは都市近郊に残る貴重な自然。水辺には多くの生きものが暮らす。特にトンボは日本に住む種類のおよそ4分の1を記録。水がない場所に卵を産むサラサヤンマなど風変わりなトンボも見られる。春から初夏、埼玉の谷戸を訪ねる。
「北海道 ヨコスト湿原」
北海道・白老町の海岸部に広がる「ヨコスト湿原」。蛇行を繰り返す川により、海の手前で土砂がたまってできた湿原だ。海辺の花が咲き始める5月、ノビタキなど草原性の渡り鳥たちが訪れ、繁殖のための恋の鳴き声を響かせる。中でもこの時期、特別な音をたててメスにアピールしようとするのはオオジシギ。鳴き声だけでなく尾羽で風切り音をとどろかせて飛び回る。海の脇にできた独特の湿地で、初夏に輝く命の営みを見つめる。
「滋賀 霊仙山」
鈴鹿山脈の北部に位置する滋賀県の霊仙山。山頂付近にはカルスト地形と呼ばれる石灰岩が作り上げた景観が広がる。5月、山頂部ではイチリンソウやヤマシャクヤクなどがかれんな花を咲かせる。森に暮らすアナグマがやってきて、岩の隙間に潜む虫などを探す。一方、中腹から麓に広がる森ではエビネやクリンソウなどの花が次々に咲く。沢沿いではミソサザイが繁殖のため巣作りを始める。春、霊仙山で躍動する生きものたちの姿を追う。
「鹿児島 トカラ列島 中之島」
鹿児島から南へ200キロほど、トカラ列島の中之島。火山が作った島で、北部にそびえる御岳は今も活動を続けている。中腹から海岸にかけては常緑広葉樹の森が広がる。春、島をたくさんの鳥が訪れる。繁殖のためにやってきたアカヒゲやイイジマムシクイ。旅の途中で羽を休めるセイタカシギやツバメチドリ。海辺の岩礁で集団繁殖するカツオドリ。島で確認されている野鳥は年間250種を超える。鳥たちでにぎわう中之島を訪ねる。
「北海道 網走湖畔の森」
北海道東部・網走湖の湖畔には、ほとんど手つかずの姿を保つ森がある。ここでは、湿地を好むハンノキなどの広葉樹に、多くのキツツキが営巣する。アカゲラやクマゲラが木に穴をあけ、朽ちやすくなってできた樹洞は、モモンガやフクロウの住みかとなる。早春、湖の氷がとけるとミコアイサなど多くの水鳥が訪れ、森の中ではミズバショウの大群落が一面に咲き乱れる。残された原始の森で、春を迎えた生きものたちの営みを見つめる。
「北海道 別海の森」
北海道別海町の海岸付近では、平らな大地に森が広がる。森に隣接する海岸には高波で食べ物が流れ着き、それを求めオジロワシがやってくる。早春、平坦な森には雪どけ水がたまり、木々は豊富な水を吸い上げて根元の雪をとかす。その根元にはエゾリスが訪れ、秋に埋めたクルミを掘り出して命をつなぐ。水浸しの森では木が弱り、キツツキが削って虫を探しやすい環境となる。海岸沿いに広がる湿潤な森が支える命の営みを見つめる。
「埼玉 元荒川 春」
埼玉県の中央部を流れる元荒川。流域には田畑や住宅地が広がり、川沿いには豊かな緑が続く。元荒川で確認されている鳥類はおよそ100種、人里近くの野鳥の楽園だ。早春、ウメの花が咲くと、メジロとヒヨドリは蜜を求めて場所争い。ヒドリガモは河川敷の柔らかな草を夢中で食べるが、そこに天敵のオオタカが飛来する。やがてサクラの季節、モズやキジは川辺で新たな命を育む。春の元荒川を訪ね、躍動する鳥たちの姿を見つめる。
「秋田 森吉山 秋から冬」
秋田県の中央にそびえる森吉山は標高1454メートルの古い火山。中腹にはブナをはじめとする落葉広葉樹の森が広がる。秋、森は美しく色づき、鳥たちが恵みを求めて集まる。標高1100メートルを超えると風景は一変、針葉樹のオオシラビソが森を作る。厳しい冬、樹氷が山頂に続く斜面を埋め尽くす。世界で数か所でしか見られない絶景だ。今回、樹氷が形づくられる様子の撮影に成功した。秋から冬、神秘の山に輝く命を見つめる。
「北海道 雪裡川 冬」
北海道東部を流れる雪裡川(せつりがわ)は真冬でも凍らない。豊富に湧き出す地下水を集めた川は、水温が外気より高いからだ。冬でも流れ続ける川には、青々と水草が生えアメマスが群れをなし、その小魚を目当てに鳥たちが集まる。凍らない川には、12月でもサケが海から上って来て産卵する。夜、川の浅瀬に集まり眠るのはタンチョウたち。水が苦手なキツネなどの天敵を避けるためだ。凍らない川が育む生きものたちを見つめる。
「神奈川 真鶴半島の海」
神奈川県南西部、相模湾に突き出した真鶴半島。黒潮が沖を流れる海は温暖で、たくさんの魚たちが集まる。なかには、ネコザメなど個性豊かな魚の姿もある。浅瀬にはテーブル状のサンゴも見られ、夏から秋、南の海で生まれた幼魚が黒潮によって運ばれてくる。やがて冬、水温が1年で最も下がる頃、海岸近くに珍しい魚が現れる。主に水深数百メートルの深海に生息するキアンコウだ。多種多様な魚たちが集まる真鶴半島の海を訪ねる。
「福井 三方五湖 冬」
日本海に接するように5つの湖が隣り合って並ぶ福井県の三方五湖。湖はそれぞれ淡水、汽水、海水と性質が異なる。冬、三方五湖には1万羽を超えるカモが集まる。淡水に近い三方湖には水辺の植物を食べるコガモやヒドリガモなどが飛来。塩分濃度の高い汽水の久々子湖には二枚貝を食べるホシハジロなどが飛来。吹雪の日、カモたちは海から離れた湖に避難し、ヨシの茂みでやり過ごす。冬の三方五湖でたくましく生きる水鳥の姿を追う。
「新潟 佐潟 秋から冬」
新潟市の中心部から西へおよそ20キロ、日本海近くに位置する佐潟は、地下水が湧き出してできた湖である。佐潟がひときわにぎわうのは秋。5千羽を超えるハクチョウやおよそ1万羽のカモの仲間が北国からやってくる。そうした水鳥を脅かすものも現れ、時に命の攻防が繰り広げられる。やがて厳しい冬が到来。すると、新たな水鳥が佐潟にやってくる。その理由は…。秋から冬、水鳥の楽園・佐潟で厳しい季節を乗り越える姿を追う。
「厳冬 白山」
富山、石川、福井、岐阜の4県にまたがる山地、白山。その北部、石川県の手取川上流部の山間には深い谷が幾筋も刻まれている。冬、急峻(しゅん)な谷では雪崩が頻発。すると斜面に地肌がむき出しになり、サルやカモシカが集まってくる。目当ては雪の下から現れた植物だ。谷の上に広がるのは森。そこでは、テンやノウサギなどが日々、命の攻防を繰り広げる。冬の白山で厳しい試練を乗り越える生きものたちの姿を見つめる。
「北海道神宮 秋から冬」
札幌の市街地に鎮座する「北海道神宮」は、大都市にすむ生きものたちを守る森。秋、紅葉に彩られた境内では、ゴジュウカラやヒヨドリが秋の実りを求めて木々を飛び交う。樹齢400年を超える巨大なカシワの木には、夜、池にすむオシドリがやってきてドングリをついばむ。境内が雪に覆われる冬、エゾリスは秋に隠しておいた木の実を掘り出し、厳しい季節に命をつなぐ。都会の片隅で、たくましく暮らす生きものたちを見つめる。
「北海道 天塩川の河跡湖」
日本最北の大河、北海道・天塩川。勾配が緩やかなため昔は蛇行を繰り返す暴れ川だったが、治水工事が進められて川が短絡された結果、蛇行部分が取り残され多くの河跡湖が生まれた。秋、流れの少ないこの湖に茂った水草を求め、オオハクチョウなど水鳥が大挙する。湖畔のクルミの木の下ではエゾリスが湖面に落ちた実を拾い、地面に埋めて冬に備える。天塩川から切り離された河跡湖で、独特の環境の中で暮らす動物たちを見つめる。
「日光 中禅寺湖」
栃木県西部、日光国立公園の一角にある中禅寺湖。秋、湖畔に広がる落葉広葉樹の深い森はたくさんの生きものたちでにぎわう。木の幹をつつき虫を捕らえるオオアカゲラ。冬に備えて木の実を貯えるカケス。森を流れる川には湖からサクラマスが遡上し、懸命に子孫を残す。やがて冬、強い季節風が吹きつける湖に北国からオオワシがやってくる。関東では数少ない越冬地のひとつである。秋から冬、中禅寺湖に集う生きものたちの姿を追う。
「北海道 南日高の渓谷」
北海道・日高山脈の南端部は、渓谷も斜面の森も一面岩だらけ。森では、普通は高山にいるエゾナキウサギが、標高わずか50mの岩場のすきまに暮らす。岩場から流れ出る水を集めた川は抜群の透明度。その川の底に、上ってきたサケが産卵する。砂利の川底は新鮮な水を通し卵には最適なのだ。しかし産卵の瞬間、卵を食べようと小魚が群がり水中で命の攻防が繰り広げられる。錦秋の渓谷で、岩が支える生きものたちの営みを見つめる。
「浅間山 秋」
長野と群馬の県境にそびえる活火山、浅間山。標高2000メートル付近の古い火口跡には背の低い草木が繁茂する草原が広がる。そこに暮らすのは国の特別天然記念物のニホンカモシカ。生息密度は全国平均のおよそ10倍を数える。普通は単独生活を送るカモシカがここではメスと子どもからなる緩やかなグループを作って暮らしている。秋、恋の季節を迎えたオスはメスへ求愛を繰り返す。荒々しくも豊かな秋の浅間山で命の営みを追う。
「北海道 千走川」
北海道南西部を流れる千走川。その急流が渓谷を刻み、幾重もの滝を生む。この段差により、場所ごとにすむサケの種類が明確に変わる。下流には、産卵のためサクラマスが上がってくる。その上流にはアメマス、そして源流部には体の模様が消えた特別なオショロコマが暮らす。多様な魚を支える源は、川に暮らす水生昆虫。幼虫は魚に捕食され、羽化して命を終えた後も川に流れて魚たちの糧となる。急流に暮らす多様な魚たちの姿に迫る。
「富士山西麓 清流と湿原」
静岡県、富士山西部の山麓になだらかな大地が広がる。そこを流れるのは湧き水を源とした芝川。アマゴやアブラハヤが群れ泳ぐ自然豊かな川だ。また、上流近くの小田貫湿原はトンボの楽園。夏、トンボたちは湿原で卵を産み、子孫を残す。やがて秋、芝川ではアマゴが繁殖期を迎える。川底の砂利を掘って産卵の準備をするメスをオスたちが奪い合う。夏から秋、富士山が生み出した水辺で、懸命に命をつなぐ生きものたちの姿を見つめる。
「北海道 西興部の牧草地」
北海道・西興部村の山には一風変わった牧場が広がる。牧場内には天然の小川や森が残り、牛が沢へおりて水を飲む。この独特の環境が、草原・森林・水辺の生きものを育む。森と草原を往来するミカドフキバッタは牧場の短い草が大好物。林縁の開けた場所に咲く花には虫が集まり、それをホオジロが狙う。森の保水力は牧場の小川を保ち、オニヤンマやアカマダラが集い、サケも上ってくる。山間部の牧草地が生む多様な環境を見つめる。
「北海道 ハサンベツの里山」
北海道・栗山町のハサンベツ里山地区は20年前までは荒れ果てた離農跡地だった。この荒れ地を地元の人々が整備して小川や水田、雑木林など多様な環境を復活させた。初夏、小川ではトミヨが巣を作って産卵し、クロイトトンボも新たな命を育む。林ではヘイケボタルが舞い、人々が植えたエゾエノキの葉から国ちょうのオオムラサキが羽化して空へと舞う。里山復活を目指す人々の取り組みと、そこで命をつなぐ生きものたちを見つめる。
「鹿児島 稲尾岳」
大隅半島の南部にそびえる鹿児島県の稲尾岳。その山腹には人の手がほとんど入っていない、西日本有数の規模を誇る照葉樹林が広がっている。ネムノキやヘツカコナスビなどのかれんな花々が森を彩る夏、稲尾岳は多様な生きものたちでにぎわう。繁殖の季節を迎えたオオルリやウグイスなどの野鳥たち。森の恵みを手にするニホンザルの親子。水辺で命をつなぐ希少なオオスミサンショウウオ。照葉樹林に命輝く夏の稲尾岳を訪ねる。
「夏 北海道 サロベツ原野」
北海道北部に広がるサロベツ原野。寒さや痩せた土壌により高い木が育たない環境は、見渡すかぎりの大平原を生んだ。そこでは短い夏に100種類を超える花が咲く。花は虫を集め、それを小鳥たちが狙い、小鳥や小動物は哺乳類や猛きん類の糧となる。この独特な生態系の中、子育てを行うノビタキやキタキツネたち。湿原に点在する沼ではカイツブリが子育ての真っ最中。短い夏、生き物にあふれる広大な原野で、命の物語を見つめる。
「鳥海山ろくの海」
山形と秋田の県境にそびえる鳥海山(ちょうかいさん)。日本海をのぞむ標高2236メートルの活火山だ。山頂から海岸までは僅か15キロほど。山ろくに広がる海は多様な生きものがあふれている。潮目の近くを泳ぎ回るマアジの群れ。海藻の森で子孫を残すコウイカの仲間。こうした海の豊かさに一役買っているのが鳥海山。山に降る大量の雨や雪が大きく関わっている。山と隣り合うことで豊かさを増す、鳥海山ろくの海の秘密に迫る。
「広島 深入山」
中国山地の西部に不思議な姿をした山がある。広島県の深入山(しんにゅうざん)だ。斜面の半分は森、もう半分には草原が広がる。この独特の景観は人と山の関わり合いが生み出したもの。250年以上も続く山焼きによって、草原の環境が維持されてきた。色とりどりの花が咲き誇る山の草原は、多様な生きものたちが躍動する。なかでも、ここはチョウの楽園。絶滅が心配される貴重なチョウが命を繋ぐ。春から夏、深入山を訪ねる。
「青森 奥入瀬渓流 春から初夏」
青森県の奥入瀬(おいらせ)渓流は十和田湖から流れ出る川の上流に位置し、周囲には落葉広葉樹の森が広がる。森を覆うのは多様なシダ植物。また、日本有数のコケの宝庫でもあり、300種以上が確認されている。春、渓流にはたくさんの鳥が集まる。水辺を泳ぐのはシノリガモのペア。日本で数少ない繁殖地の一つだ。コケを集めて巣を作るのはミソサザイ。鳥たちは渓流の恵みを受けて子育てに励む。春から初夏の奥入瀬渓流を訪ねる。
「長野 裾花川」
戸隠連峰を源に長野盆地へ流れる裾花川(すそばながわ)。全長50kmほどの信濃川水系の川だ。5月中旬、源流域の一つ、奥裾花は遅い春を迎え、雪どけ水が集まる湿地では80万株を超えるミズバショウが開花する。近くの池にはクロサンショウウオが産卵のため集まる。長野盆地に入ると、川の景色は一変する。川岸の崖ではハヤブサが子育ての真っ最中。巣を必死に守り、懸命にヒナへ食べ物を運ぶ。裾花川で命のドラマを見つめる。
「月山 夏」
山形県の月山(がっさん)は夏も山腹のあちらこちらに雪が残る。夏を迎えるころ、稜線付近には色鮮やかな花が咲き乱れ、鳥たちが繁殖のために集まる。雪の上で食べ物を探すビンズイやカヤクグリ。お目当ては風に乗って山ろくから飛んできた虫たちだが、そうした鳥を狙ってチョウゲンボウが空を舞う。中腹の森では、ブナの新芽にユキグニコルリクワガタが集まり、サメビタキなど夏鳥が子育てをする。活気あふれる夏の月山を訪ねる。
「栃木 高原山」
栃木県北部の高原山。 氷河1700メートル級の峰々が連なる山の総称で、今も噴気をあげる火山である。そこに冬眠から目覚めた数千匹ものクロサンショウウオが集まり大産卵! 懸命に命を繋ぐ。 初夏、トンボが次々に羽化し、湿地を飛び交う。モリアオガエルが必死に産卵場所を目指す。春から初夏、高原山で命の躍動を追う。
「京都 巨椋池跡の田園地帯」
京都府南部、京都市と宇治市、久御山町にまたがって田園地帯が広がる。春、水が張られる前の田では、ケリが簡単な巣を作って卵を産む。初夏、田植えの季節、こんんどは絶滅が心配されるタマシギが田の近くの茂みに巣を作り、子育てをする。人の営みのすぐ近くでたくましく生きる鳥たちの姿を追う。
「伊豆半島 富戸の海」
伊豆半島東海岸の静岡県伊東市富戸(ふと)。火山噴火の溶岩が海に達し、海底には荒々しい岩場と砂地が入り組むように広がる。そこは海の生きものたちの楽園。イソギンチャクに寄り添うクマノミ。奇妙な姿のイロカエルアンコウ。豊かな海が多様な生きものを育む。夏、魚たちは繁殖の季節を迎える。岩穴に産み付けた卵を世話するセホシサンカクハゼ。オスが卵を口の中で保育するスジオテンジクダイ。命が躍動する富戸の海を訪ねる。
「長野 北八ヶ岳 コケの森」
八ヶ岳連峰の北部、北八ヶ岳の一角にある長野県の白駒の池。周りには針葉樹の森が広がる。森に一歩足を踏み入れると、岩や地面を覆うのはコケ。まるでじゅうたんのようだ。ここは日本有数のコケの森で、八ヶ岳では500種以上のコケが確認されている。そうしたコケは多くの生きものを育んでいる。ミソサザイはコケに集まる虫を捕食するとともに、コケを子育てのための巣の材料として使う。北八ヶ岳の神秘的なコケの森を訪ねる。
「東京 葛西の海辺」
東京湾の一角にかつての海辺の自然を人の手で蘇らせた公園がある。人工の砂浜と干潟が広がる都立葛西海浜公園と緑に囲まれた大きな池がある都立葛西臨海公園だ。春、干潟はホウロクシギやクロツラヘラサギなど多くの鳥でにぎわう。池にも水鳥が集まり、それを狙ってオオタカが現われる。初夏、鳥たちは繁殖の季節。海岸で魚を受け渡すコアジサシのペア。ヒナを連れて池を泳ぐカルガモ。意外なほど命あふれる大都会の海辺を訪ねる。
「高知 鵜来島」
四国の南西部、太平洋に浮かぶ高知県の鵜来島(うぐるしま)。周囲7キロほどの島を取り囲む海はたくさんの魚が集まる楽園だ。黒潮の影響を受け、一面に広がるサンゴの群生。色とりどりの生きものが住みかとする。また、瀬戸内海からも潮が流れ込み、2つの潮がぶつかる境目では大量のプランクトンが発生。小魚が集まり、それを狙って回遊魚の群れもやってくる。多様な生きものが息づく高知県の小さな島を訪ねる。
「北海道 遠別川」
北海道北部を流れる遠別川。上流部には地滑りなどによってできた荒々しい山肌が続く。春、崖を流れ下る支流は生きものたちの楽園。澄んだ流れが水生昆虫や魚たちを育む。急斜面の一角に湧き水が溜まってできた湿地にはエゾアカガエルが大集結。それを狙うのはキタキツネやヒグマだ。下流部の川岸には土砂が運ばれてできた平原が広がる。そこではエゾユキウサギが繁殖の相手を探す。川と急峻な崖が織りなす北国の水辺を見つめる。
「富山 滑川の海」
水深1千メートルを超える日本有数の深い湾に面した富山県滑川市。春を迎える頃、海岸の浅瀬にたくさんの生きものたちが集まってくる。水温が一年で最も下がるこの時期、普段は深い海に暮らす生きものがやってくるのだ。海藻の森を泳ぎ回るホッケ。岩場で魚やカニなどを捕える巨大なミズダコ。岩陰に卵を産み付けるヤリイカ。産卵後に岸に打ち上げられて淡い光を放つホタルイカ。世界でも珍しい光景が見られる滑川の海を訪ねる。
「沖縄 西表島 水の世界」
世界自然遺産、沖縄県の西表島。島を囲む海にはサンゴ礁が広がり、多くの命が躍動する。その中でひときわ繁栄している魚がハゼの仲間だ。生息場所は海だけではなく、干潟や淡水の川まで実にさまざま。現在、西表島で確認されるハゼは何と500種を超える。サンゴに隠れ潜むパンダダルマハゼ。泳ぐことが苦手なミナミトビハゼ。急流の岩場でコケを削り取って食べるボウズハゼ。そして初夏、ハゼたちは懸命に次の世代に命をつなぐ。
「早春 北海道 千歳川」
北海道の南西部を流れる千歳川。至るところから水が湧き出し、一年を通して凍ることがない。温かな水の中にはたくさんのサケの仲間が暮らす。それを狙ってヤマセミが繰り返し川に飛び込み、巨大なオジロワシもやってくる。川の周辺に広がる森の木をつつくのはキツツキだ。傷ついた場所からしみ出した甘い樹液が凍ってつららとなる。そのしずくをなめに集まるシマエナガなどの小鳥たち。この季節ならではのとっておきのごちそうだ。
「新潟 十日町の丘陵」
新潟県十日町市の西側に標高200~800メートルほどの丘陵が連なる。斜面には棚田が築かれ、美しい里山の景観が広がる。冬、半年近く雪に閉ざされるが、そこには懸命に生きるたくさんの命がある。木の幹に潜むヤスデなどを探して食べるオオアカゲラ。棚田のあぜ道でネズミを捕らえるキツネ。民家の庭に現われ、柿をとるテン。生きものたちは人の営みに寄り添いながら冬を乗り越える。雪国の里山に息づく命の営みを見つめる。
「宮城 志津川湾」
宮城県南三陸町の志津川湾。三陸地方では有数の冬鳥の越冬地で、ガンやカモの仲間が10種以上も訪れる。絶滅が心配されているコクガンもその一つ。豊富な海藻を糧に冬を越すが、うまく潜ることができないため、浅瀬で逆立ちをして海藻をとったり、潜水が得意なオオバンから横取りしたりする。湾に飛来する冬鳥は他にもいる。サハリンなど北国から飛来するオオワシは魚を捕らえて過ごす。冬の三陸の海で躍動する鳥たちの姿を追う。
「長崎 野母崎」
東シナ海に突き出た半島の先端、長崎県の野母崎。冬、岬の周辺や近くに浮かぶ樺島は多くの鳥たちでにぎわう。海岸の崖で羽を休めるのはカツオドリ。冬を越すために飛来した海鳥で、多い年には200羽ほどを数える。カモの仲間、ウミアイサも越冬のために飛来。魚を主食とする猛きん類のミサゴも暮らす。そうした命を支えているのは半島の周りに広がる豊かな海。鳥たちは魚を狙って次々に海へ飛び込む。命輝く冬の野母崎を訪ねる。
「山形 庄内平野」
山形県北西部、日本海に面した庄内平野。秋、平野を流れる最上川の河口などにハクチョウが次々に降り立つ。繁殖地のシベリアから飛来したもので、その数およそ1万羽。また、平野の片隅のため池にはマガモやハシビロガモなどが北国から渡ってくる。そうしたカモを狙うのはオオタカ。命をめぐる闘いが続く。やがて冬。ハクチョウやカモたちは寒さと飢えをしのぎ、懸命に冬を乗り越える。秋から冬、庄内平野で息づく命を見つめる。
「鶴見川 秋から冬」
東京都と神奈川県をまたがって流れる鶴見川。流域のほとんどは市街地であるが、水辺には緑が広がり、多くの生きものたちが集まる。秋、中流域には10種近くのカモたちが冬を越すために渡ってくる。河川敷にも木の実や草の種などを求めてカワラヒワやジョウビタキなどの鳥たちが集まる。だが、恐ろしい敵もいる。カモを狙うオオタカだ。日々命を巡る厳しい闘いが繰り広げられる。秋から冬、鶴見川に集う生きものたちを見つめる。
石川 手取川扇状地
石川県南部、豪雪の白山に源を発し日本海へと注ぐ手取川は全長72km。2000m級の峰々から流れ込む水は土砂やれきを運び、下流に広大な扇状地を作った。大量の雪解け水は地下水となり、平野全域に行き渡って貴重な生きものを育む。湧き水で命をつなぐのがトミヨ。水温の低い清流を好む魚で、オスはバイカモなどを利用して巣を作り卵を守る。ふ化した後も稚魚の世話を続ける。水の恵みを享受し命をつなぐ生きものたちを追う。
北海道 十勝海岸の湖沼群
北海道・十勝地方の海岸線に、細長い砂州で海と隔てられた大小5つの沼や湖がある。春には、水面を覆っていた氷が一気に海へ流れ出し、そのあとに現れるのは鳥たちの楽園。水深が浅く獲物を狙いやすい水辺は、絶好のえさ場になるのだ。国の特別天然記念物タンチョウのつがいも、食べ物が豊富なこの場所を選び子育てを行う。春から夏、劇的に変化する沼や湖に支えらえた、多くの命の営みを見つめる。
新潟 松之山
新潟県十日町市、山あいに棚田とブナの森が広がる松之山。雪国の里山では夏、多様な命のつながりが見られる。田んぼやため池ではトンボやカエルが産卵し、こうした獲物を狙ってクマタカやサシバなどの鳥が舞う。森ではノジコやオオルリの声が響き渡り、ブッポウソウは巣穴をめぐって攻防を繰り広げる。雪の残る森で命をつなぐのは瑠璃色に輝く虫、ユキグニコルリクワガタ。田んぼと森が密接につながる里山で、めぐる命を見つめる。
長野 戸隠山
険しい断崖と堂々たる姿から、古来より人々に信仰されてきた戸隠山。夏、山の麓に広がる森は多くの生きものでにぎわう。コサメビタキやノジコなどの鳥たちは森の恵みを受けてヒナを養い、ムササビ親子は夜の森で仲むつまじく過ごす。豊かな森を育むのは幾筋もの川。山に降る雨は切り立った山肌を一気に流れて川となり、森を潤す。豊かな森と清らかな水を頼りに生きる動物たち。しゅん険な戸隠山が支える多様な命の世界を見つめる。
北海道 雨竜沼湿原 初夏
北海道屈指の豪雪地帯、増毛山地の山腹に広がる雨竜沼湿原。6月、湿原は1年で最も躍動感にあふれる。長い冬の間に積もった雪が一斉に解け始めるのだ。雪は1日数10cmものスピードで急速に解け、現れた湿原の大地には次々とミズバショウが花を咲かせる。エゾサンショウウオは湿原の沼で産卵。ヒバリは短い季節に追われるように急いで巣作りを始める。春から夏へと季節が一気に駆け抜ける雨竜沼湿原。その一瞬の夏を見つめる。
島根 隠岐諸島
島根半島から北へ50km、日本海に浮かぶ隠岐諸島。春から初夏、海から発生する霧は島を包み込み幻想的な光景を見せる。霧がもたらす冷涼な気候は、北国や高山帯で咲く花々を育む。森では島固有の動物たちが躍動する。新緑の葉を目当てに動き回るのはオキノウサギ。オキマイマイは木の幹を伝い、沢ではオキサンショウウオが活発に獲物を追い求める。霧の恵みを受ける隠岐諸島の森で、個性あふれる生きものたちの営みを見つめる。
初夏 十勝川
北海道の南東部、日本有数の畑作地帯を流れる十勝川。そこにあるのは牧草地や農業用の水路など、人が手を加えた多様な環境。かつてこの一帯に広がっていた湿原を人が農地に変えた場所だ。その十勝川周辺では、タンチョウが水路の中でヒナを育て、牧草地ではかわいらしいヒバリの幼鳥が草陰で親鳥の帰りを待つ。上空ではオオジシギが風のような奇妙な音をとどろかせながら飛び回る。人工環境もたくましく利用する鳥たちの姿を描く。
沖縄 池間島
沖縄本島から南西へ300km。宮古諸島の北端にある池間島では、春から夏にかけて二つの神秘的な光景が見られる。春の大潮の日、池間島から5kmの沖合に現れる“幻の島”。干潮の間だけ姿を見せる国内最大級のサンゴ礁群、八重干潮(やびじ)だ。200種類ものサンゴが大海原を色鮮やかに染めていく。夏の大潮の夜には、数百匹のオカガニが海岸に集まり、満月の光のもとで一斉に卵を放つ。月と潮が導く自然の営みを見つめる。
長野 八千穂高原 初夏
八ヶ岳の北東に広がる長野県の八千穂高原。なだらかに広がる斜面には広葉樹や針葉樹などの木々が織りなす多様な森が広がる。初夏、シラカバの森では赤紫やオレンジのツツジが鮮やかに咲き誇り、白い木立との見事なコントラストを描く。川べり近くの森ではカモシカやアナグマが姿を見せ、繁殖の時期を迎えた鳥たちは森じゅうにさえずりを響かせる。初夏ならではの彩りとにぎわいを見せる八千穂高原の森で多様な命の営みを見つめる。
北海道 檜山(ひやま)の森
北海道の南部、渡島半島の西側、檜山地方。この地域に広がるおよそ1万haの広大な森は、江戸時代から人々に大切に守られてきた。開拓以前、北海道南部の日本海側を覆っていた原始の森の姿を今に伝える数少ない場所だ。6月、檜山の森は鮮やかな緑色に包まれ、子育てに励む多くの鳥たちでにぎわう。エゾライチョウの母鳥は、ヒナを連れて草花の新芽を探しながら森の中を練り歩く。 2012年7月に放送した番組のアンコール。
伊吹山 春
岐阜と滋賀の県境にある伊吹山(1377m)。冬、日本海からの湿った季節風は大量の雪を山にもたらす。3月下旬、雪どけを迎えた中腹の森ではセツブンソウの花が春を告げ、カモシカは地面の草を食べて活動的になる。5月、ピンクのオドリコソウや淡い紫のエゾノタチツボスミレなど色とりどりの花が咲き誇る頃、森ではヤマドリやオオルリなどの鳥が躍動し、カモシカはやがて出産を迎える。伊吹山でたくましく生きる命を見つめる。
大阪城公園
大阪市の中心部にある大阪城公園。およそ106haの敷地には豊かな林が広がり、春、南から渡り鳥が飛来する。サンコウチョウやオオルリ、キビタキやセンダイムシクイなど、林や草地にいる虫などを食べて栄養補給する。キツツキの仲間、コゲラのオスは、木を小刻みにたたいて求愛。大都会にある大阪城公園で、生きものたちの知られざる姿に迫る。 2012年6月に放送した番組のアンコール。
伊勢神宮の森
2千年にわたって守り継がれ、人の立ち入りが禁じられてきた伊勢神宮の森。シイやカシなどの常緑広葉樹に覆われた森は春、若葉や花が色とりどりの淡い彩りを見せ、1年でこの時期だけの美しさを見せる。春の恵みを受けるニホンザル、優雅に舞うミカドアゲハ、オオルリやサンコウチョウは南から渡ってきて子育ての準備をする。森の奥深くには神秘に満ちた驚きの景観もある。原始の姿をとどめる伊勢神宮の森の知られざる自然を描く。
白馬山麓 湿原の春
標高3000m級の山々がそびえる長野県の白馬連峰。4月下旬、標高1000m付近にある高原は豊富な雪解け水で潤う。湿原ではハクバサンショウウオが本格的に動き出し産卵期を迎える。群生する薄い青紫色の花のキクザキイチゲや、ミズバショウなどの植物がハクバサンショウウオの隠れ家になる。湿原を舞台に、春の訪れとともに輝きを増す数々の命の営みを見つめる。 2012年6月に放送した番組のアンコール。
伊豆半島 城ヶ崎海岸
伊豆半島東部の城ヶ崎海岸。全長9kmの荒々しい断崖は多様な命を支えている。春、岩の割れ目で繁殖を始めるのはイソヒヨドリ。アマツバメは南から集団で飛来し、岩場の近くを高速で飛び回りながら虫を捕らえる。一生の大半を飛び続けて生活するアマツバメだが、繁殖の時期だけは岩の隙間に巣を作って暮らす。一方、断崖の上に広がる森ではヒヨドリなどの鳥たちが春の恵みを受ける。春の城ヶ崎海岸でにぎわう命の営みを描く。
北海道 朱鞠内湖 春
北海道北部、天塩山地の懐に抱かれた朱鞠内湖。5月、遅い春を迎えた湖では、野山を白一面におおっていた雪と、半年間にわたって湖面をふさいでいた氷が姿を消し、一気に命のにぎわいが増す。この時期、鮮やかな彩りを見せるのはフクジュソウやミズバショウ。野山ではユキウサギたちが恋の相手を求めて追いかけっこ。雪どけ水が流れる沢には幻の巨大魚イトウが群れ、湖に開いた氷の割れ目ではワカサギの大群が列をなして産卵する。
吉野川上流 春
高知県を源に紀伊水道に注ぐ大河、吉野川。その上流は険しい四国山地を削り、深いV字谷を作って「大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)」などの渓谷が続く。春、水ぬるむころ、アマゴが姿を見せ始める。ニホンカモシカやニホンザルが山の斜面に姿を見せる。野鳥は活発に動き回り、カワガラスは子育てに追われる。吉野川上流の雄大な渓谷を舞台に、生きものたちの営みを見つめる。 2012年5月に放送した番組のアンコール。
多摩川源流域
大都市・東京を流れる多摩川。源流の一つが山梨県の小菅川だ。雪に覆われる厳冬期、ヤマメやイワナは川底でじっと過ごす。一方、水中で冬眠する変わったカエル、ナガレタゴガエルはいち早く、この時期に活動し、恋の駆け引きを始める。水辺に春を告げる花が咲き、ミソサザイが高らかにさえずるころ、産卵を終えたナガレタゴガエルは春眠に入り、卵からオタマジャクシがかえる。多摩川源流域で春を迎える小さな命の営みを見つめる。
早春 北海道 風蓮(ふうれん)湖
北海道東部にある風蓮湖は、海流が運んだ砂が湾をふさいでできた湖。春と秋、海草が生い茂る浅い湖には、数多くの渡り鳥たちが訪れ羽を休める。冬は、オオワシやオジロワシが魚を糧に冬を越す。3月半ばになると、湖の氷も解け、ハクチョウやタンチョウなどの水鳥が訪れて、湖は一気ににぎやかさを増す。冬から春へと変わる風蓮湖を舞台に、湖の恵みを受ける野生動物たちを見つめる。 2010年4月に放送した番組のアンコール。
霞ヶ浦 早春
日本で2番目に広い湖、霞ヶ浦。冬、ここには多くの渡り鳥が集う。カモたちは湖岸で水草を食べ、沖ではカンムリカイツブリが魚を捕らえる。関東有数の広さを誇る湿原では珍しいオオジュリンが越冬し、ハイイロチュウヒは獲物を求めて舞う。この時期、最もにぎやかなのがガンの仲間オオヒシクイ。早朝、田んぼに飛来し落ち穂を食べて過ごす。水鳥たちが北へ去る頃、大地は花々に彩られる。早春を迎える霞ヶ浦で鳥たちの営みを描く。
北海道 宗谷海岸
北海道の北の果て、宗谷地方。オホーツク海と日本海が出合う場所だ。海に囲まれているため、一年じゅう風が強い。特に真冬には北西の季節風が強烈に吹きつける。厳しい環境の中、海岸では数百頭のアザラシなど、寒さに強い海獣類が体を休める姿が見られる。エゾシカは風で飛ばされた雪の下から、わずかな枯れ草を食べる。エゾシカやイルカが死ねば、オオワシやオジロワシの糧となる。冬を生き抜く動物たちの命の営みを見つめる。
山形 鮭川
山形県北部、鳥海山麓(さんろく)から最上川へ注ぐ鮭川。多くのサケがそ上することから名付けられた川には、一年を通じて多様な命が集う。春から夏は鳥たちでにぎわう。カワセミは水中めがけて豪快な狩りをし、イカルチドリは河原の石に紛れて巧みな子育てをする。秋、水辺ではサケの大群が躍動、タヌキは岸辺でたやすく魚を捕える。深い雪に閉ざされる冬、サケの稚魚は旅立ちを迎える。美しく移ろう季節の中で、輝く命を描く。
厳冬 阿寒の峰々
北海道東部、阿寒湖を見下ろす雌阿寒岳は、現在も白煙を上げて激しい噴火を続ける活火山。1月下旬の山頂付近の寒さは、北極圏に匹敵する。すさまじい風で雪は飛ばされ、風と氷が作り上げる風景は、生命を寄せ付けない厳しさを見せる。しかし、中腹より下では、厳しい寒さの中に命の営みがある。ボッケと呼ばれる噴気口があるため、雪が溶け、その周囲には草やササが茂る。エゾシカは、それら火山のめぐみを受けて冬を乗り切る。
岩手山
「南部富士」の名で知られる東北地方の名峰、岩手山。1年を通じて多様な命が躍動する。初夏の森ではリスが盛んに駆け回り、タカの仲間ノスリは捕えた獲物をヒナに与える。夏、色とりどりに咲き誇るハクサンチドリやコマクサなどの高山植物。秋、山肌を壮麗に染め上げる紅葉。そして白銀の冬、ハイタカは森で獲物を追い、リスは雪の下の食べ物を探して命をつなぐ。四季折々に豊かな表情を見せる岩手山で、輝く命の営みを見つめる。
北アルプス 乗鞍岳 厳冬
長野と岐阜にまたがる乗鞍岳(標高3026m)。冬、中腹の森ではニホンザルやカモシカがわずかな食べ物で生き抜く。標高2500mまで上がると一面の銀世界。激しい吹雪はシュカブラと呼ばれる波模様を雪面に刻む。ここで冬を過ごすのがライチョウ。10羽ほどの集団で力強く躍動する。晴れ渡ると広がる壮大なパノラマ、朝日を浴びて赤く染まる白銀の山々など、高山の自然が見せる一瞬のきらめきと山の命を厳冬の乗鞍岳で描く。
秋 北海道 屈斜路湖
北海道東部にある屈斜路湖。およそ3万年前、火山活動によってできたくぼみに水がたまった国内最大のカルデラ湖だ。秋、湖の岸辺は赤い色をした大きな魚でにぎわう。産卵のために湖から川へと遡上(そじょう)するサケの仲間・ヒメマス。大きさは40cm以上と国内でもトップクラスだ。火山の湖・屈斜路湖の独特な環境が、海に劣らぬ豊富な栄養を育み、ヒメマスを大きく成長させるのだ。
静岡 掛川丘陵
良質な茶の産地で名高い静岡県掛川の丘陵地帯。ここでは茶木の根元に草を敷く伝統的な農法が行われている。それを支えるのが茶草場と呼ばれる草地だ。この草地では独特の自然が育まれている。春、日光の降り注ぐ地面にはハルリンドウが咲き、季節とともにササユリやキキョウなどの花々が彩りを添える。草地には希少なバッタをはじめ多様な小動物が集い、サシバは獲物を狙って狩りをする。里山で命を紡ぐ生きものの四季を見つめる。
箱根 仙石原
神奈川県の箱根・仙石原。春、草原や湿原の自然環境を守るために山焼きが行われると、辺りは一面、真っ黒に。やがて草が芽吹くと大地は淡い緑に染まり、かれんな花々が咲く。夏、草原を象徴するのは色とりどりのチョウ。青緑色に輝く羽を持つミドリシジミは、オス同士が激しい縄張り争いをする。秋、朝露にぬれたススキは朝日を浴びて草原を黄金色に染め上げる。早春から晩秋、劇的に変化する仙石原の美しい自然と命の輝きを描く。
大阪 淀川のヨシ原
琵琶湖を源に、大阪の市街地を流れる淀川。豊かな水は広大な河川敷をつくった。ここには古くから貴重なヨシ原が残されている。大阪府高槻市にある「鵜殿のヨシ原」では、夏、近くの市街地で巣立ったツバメが大群となって上空を飛び交い、秋には虫の音が響き渡る。冬には大陸からの渡り鳥も数多く姿を見せにぎわう。多くの生命を支える淀川のヨシ原を舞台に、生きものたちの営みを描く。2012年1月に放送した番組のアンコール。
愛媛 佐田岬半島
四国、愛媛県の佐田岬半島。長さ50km、幅は狭い所で800mしかない東西に細長い半島だ。岬の対岸は大分県。秋、佐田岬半島では上空を飛んでいくノスリやハチクマなど、ワシやタカの仲間の姿が、よく見られる。九州にほど近いこの半島を渡りの通り道として利用している。佐田岬半島で秋のひととき繰り広げられる、生きものたちの営みを見つめる。2011年12月に放送した番組のアンコール。
群馬 妙義山
関東平野の西、びょうぶのようにそびえ立つ岩峰・妙義山(みょうぎさん)。鋭く切れ落ちた崖に点在する針葉樹と、崖の下に広がるイヌブナやカエデなど広葉樹が、断崖絶壁に独特の景観を作り上げる。山が紅葉に染まる秋、森ではヤマガラやジョウビタキなどの鳥たちが木の実をついばみ、ニホンザルは春に生まれた子どもを連れ、群れで木から木へと渡り歩く。奇岩と木々が絶景を織りなす秋の妙義山で、生きものたちの躍動を見つめる。
北海道 利尻島 秋
北海道北部、利尻島。まん中にそびえる利尻山は、火山でできた切り立った地形のため、水はすぐに地中にしみ込み、そのほとんどが海に注ぐ前に姿を消す「かれ沢」となる。険しい環境の中に、生きものたちを支える「不思議な水辺」がある。山麓(さんろく)で突如、地中から湧き出す水。わずか100mほどで海へと注いでしまう。しかしそこには、驚くほどたくさんの生きものたちが暮らしている。小さな水辺の命のドラマを見つめる。
静岡 三保松原の海
世界遺産に登録された富士山。その絶景と共に、古くから絵画に描かれた白砂青松の地が、静岡・三保松原だ。目の前に広がる海では、不思議な景観が見られる。海底を覆うオレンジやピンクの色鮮やかなサンゴ。水深20mの砂地にはハクセンエビや、全身真っ赤な魚イッテンアカタチなど、普通は深い海にいる生きものがすむ。夜になるとサクラエビやタチウオが深海から浮上して獲物を追う。秋、多様な命でにぎわう三保松原の海を描く。
丹沢山地
神奈川県西部、1500m前後の山々が連なる丹沢山地。夏、雨や霧がもたらす豊富な水は森を潤し水辺の命を育む。水生昆虫を狙って泳ぐのはヤマメ、カジカガエルは恋のバトルを繰り広げる。霧にかすむ断崖ではサガミジョウロウホトトギスやイワギボウシなど貴重な花が咲く。紅葉に色づく秋、森では鳥たちが実りを受け、水中ではヤマメが新たな命をつなぐ。みずみずしい夏から輝きに満ちた秋、多彩な表情を見せる丹沢の自然を描く。
北海道 阿寒の森
北海道東部、阿寒湖。周囲の森には樹齢数百年の木々が生い茂り、多くの種類のきのこや粘菌、コケ類が地面を覆い尽くしている。きのこは森の生きものたちの栄養源にもなっている。美しい毒きのこ、ベニテングタケは、ヒグマやエゾシカ、エゾリスたちにとっては大切な食べ物だ。湖の底には、世界に類を見ないマリモが無数に転がる。阿寒湖の独特の地形や周りに広がる森に深く関わりを持って、奇跡的に生まれたマリモの生態に迫る。
鳴門海峡
淡路島と徳島の間にある鳴門海峡。潮の流れが日本で最も速く、その潮流が大きな渦潮を生みだす。この渦潮をハイスピード映像・コマ撮り映像などで多角的に捉え、知られざる姿に迫る。さらに鳴門海峡は、マダイなど、さまざまな生き物が集まる“いのちの海”でもある。1年で最も大きな渦潮ができる秋の鳴門海峡を取材。ダイナミックな渦潮と、潮流が育む生き物たちの姿を伝える。2011年10月に放送した番組のアンコール。
石鎚山麓 面河渓
愛媛県、石鎚山のふもとに広がる面河渓(おもごけい)。豊かな雨と花こう岩の一枚岩が作り出した美しい渓谷だ。夏、水辺では恋の季節を迎えたイモリなど小さな命が躍動。源流部に広がる森では、1年で数日だけの神秘的な湿原が現れる。珍しい昆虫たちの営みもある。寒い地域にすむコエゾゼミの羽化、朽ち木の中でオスとメスが大切に幼虫を育てるツノクロツヤムシ。夏から秋、彩り豊かに移ろう石鎚山麓の面河渓で輝く命を見つめる。
兵庫 宝塚 西谷の里
兵庫県宝塚市の北部、棚田とため池が広がる田園地帯、西谷。夏、田んぼの近くにはキキョウやオミナエシ、スズサイコなどが咲き誇る。一昔前ならどこででも見られたが、今や絶滅が心配される貴重な花々だ。水辺ではトノサマガエルやメダカが泳ぎ、クロイトトンボは水の中に身を沈めて植物の茎に産卵、ダイサギやアオサギは小動物を狙って狩りをする。日本の田園の原風景が残る西谷で、希少な花々の花園と多様な命の営みを見つめる。
茨城 宍塚大池
茨城県の南部、土浦市の郊外にあるため池、宍塚(ししつか)大池。池を中心に、およそ100haの緑豊かな自然が残っている。ハスの花が池を覆う夏、水辺ではドジョウやザリガニが動き回り、多くの種類のトンボが飛び交う。また、雑木林で子育てをするオオタカのヒナは巣から飛び立ち始める。多彩な環境が広がる宍塚大池の水辺や雑木林で、生き物たちの営みを見つめる。2011年10月に放送した番組のアンコール。
北海道 占冠の森
北海道の中央部、占冠(しむかっぷ)村。村の9割が森に覆われた、緑豊かな森の王国だ。初夏、森から湧く大量の霧が、盆地にたまって雲海となる。霧で潤った森では、その恵みを利用してオオルリが子育てをする。そして月に数度、奇跡的に生み出された雲海が見られる。100km離れた太平洋沖で発生した海霧が、山脈をも乗り越えて占冠に流れ込むのだ。2種類の雲海に包まれる占冠の森で、霧が織りなす命の営みを見つめる。
八丈島の海
伊豆諸島の八丈島は火山の噴火で出来た島。溶岩が造り上げたダイナミックな地形は、海中まで続く。複雑な岩場は、生きものにとって格好のすみかだ。ユウゼンやテングダイなど色鮮やかな魚が群れをなし、アオウミガメはゆったりと舞う。夏は繁殖の季節。ミヤケテグリは優雅な求愛のダンスを繰り広げ、黄色や青の派手な色をしたナメモンガラは、砂の中に産み付けた卵を守る。夏、青く澄み渡った八丈島の海で、躍動する命を見つめる。
長野 阿寺渓谷
長野県の木曽谷に自然豊かな渓谷がある。全長15kmの阿寺渓谷だ。目をひくのは水の青さ。透明感を持った神秘的なブルーは、渓谷の自然環境が作り上げた独特の色だ。初夏、阿寺渓谷はさまざまな生きものであふれる。渓流ではヤマトイワナやアジメドジョウが躍動し、川岸ではササユリやヒメシャガなど貴重な花々が咲く。木々の枝ではオオルリやカケスがさえずり、ムササビは夜の森を舞う。美しい阿寺渓谷に輝く命を見つめる。
中国山地 船通山
中国山地の船通山は標高1142m。なだらかな斜面には、天然のブナ林が広がる。梅雨の時期、森が受け止めた大量の雨は地面にしみこみ、やがて大地から湧き出して沢となる。水辺ではカスミサンショウウオの幼生や、中国地方固有のイワナの仲間ゴギが見られる。夜、ふもとの清流ではゲンジボタルの群れが飛び交い、繁殖のため淡い緑の光を一斉に放つ。初夏の船通山で、恵み豊かな森と水に支えられる生きものたちの営みを見つめる。
北海道 恵山
北海道の南にある活火山、恵山。山肌は噴出した溶岩と火山灰で覆われ、噴気孔からは煙が立ち上る。6月、この荒々しい風景が一変、燃えるような赤に染まる。60万本ものツツジが、花を咲かせるのだ。恵山は、日本有数のツツジの群生地。花に誘われ、昆虫や小鳥たちが集まってくる。中でも多いのは、エゾハルゼミ。ツツジの森で、羽化・産卵と地上での生活を3週間ほどで終える。はかないセミの営みと、幻想的なツツジを描く。
熊本 荒尾干潟
有明海に面した荒尾干潟。ラムサール条約に登録された干潟に、春、3000羽を超える渡り鳥が集まる。潮が引くと、干潟の生きものと鳥たちの激しい攻防が始まる。長いくちばしで泥の中の獲物を探すオオソリハシシギ、太いくちばしで石をひっくり返すキョウジョシギ、シロチドリは猛ダッシュでカニを追う。夏、干潟では恋の季節を迎えたカニやムツゴロウがメスを巡って争いを繰り広げる。多様な命でにぎわう荒尾干潟を見つめる。
西表島の海
沖縄で2番目に大きな島、西表島(いりおもてじま)。青い海には日本最大級のサンゴ礁が広がり、1000種を超える色鮮やかな魚が乱舞する。一方、波の穏やかな湾内では、泥の海底にサンゴが群落を作り、個性的な魚が集う。西表島の海と深い関わりを持つのが、川に広がるマングローブ林。森の恵みはカニや貝などを育み、やがて海に栄養をもたらす。森に美しい花が咲き、海の生きものが命をつなぐ夏、西表島に輝く自然を見つめる。
北海道 ニセコ花の山
北海道ニセコ連峰。初夏には180種を超える高山植物が咲き競う「花の楽園」だ。冬は北海道でも有数の豪雪地帯となるため、山頂や斜面の雪は6月まで残る。だが、そこから一気に雪解けし、さまざまな花で埋め尽くされるのだ。連峰の中でもいち早く花を咲かせる「沼や湿原」。噴気孔近辺に広がる「火山性の土壌」。山の斜面に残雪がたまった「雪田」。火山が作り出した3つの環境が、多彩な花の楽園を育む。
青森 仏沼
青森県の北東部にある仏沼。2.5平方kmほどの湿原は野鳥の宝庫。初夏は、まさに“恋の季節”。歌にダンスに見事な鳥たちの繁殖行動が繰り広げられる。高らかな歌声で求愛する、コヨシキリやコジュリン。水面で冠を振って求愛する、カンムリカイツブリ。珍鳥オオセッカは、にぎやかにさえずりながら半円を描くように飛び、メスにアピール。仏沼を舞台に、夏鳥たちの競演を楽しむ。2010年7月に放送した番組のアンコール。
三陸海岸 北山崎
高さ200mの断崖が大海原にそそり立つ岩手県・三陸海岸の北山崎。初夏、切り立った岩場ではアマツバメが群れで飛び交い、ミサゴのつがいがヒナを大切に育てる。この時期、北東から冷たい風「やませ」が吹くと沖で霧が発生。白い霧と奇岩が織りなす幻想的な風景が断崖に現れる。冷涼な気候はシロバナシャクナゲやニッコウキスゲなど、山や高原に育つ花々を海辺に咲かせる。荒々しい自然の中で輝く命を、初夏の北山崎で見つめる。
北海道 知床の清流
北海道の東、知床半島に広がる森。その中を流れる川は広大な原生林の中を通り、オホーツク海へ注ぐ。厳しい冬から解放された清流とその河畔林では、絶滅危惧種のシマフクロウを食物連鎖の頂点とした、独特の生態系が見られる。雪解け水で水かさを増した清流には、オショロコマなどの川魚があふれ、春に生まれたシマフクロウのヒナの食べ物となる。春から夏、シマフクロウの命の営みを追う。
大阪湾 成ヶ島
阪神工業地帯を抱える大阪湾の入り口、紀伊水道に浮かぶ周囲6kmほどの無人島。大都会に近い場所ながら、驚くほど多種多様な動植物にあふれている。島の西側に広がる干潟では、絶滅の危機にひんしているハクセンシオマネキが求愛のダンスを見せる。干潟に続く海の中でも、アマモを隠れ家に小さな生き物たちが身を潜めて暮らしていた。小さな無人島に息づく貴重な自然を見つめる。2011年7月に放送した番組のアンコール。
四国山地 瓶ヶ森
高知と愛媛の県境に位置する四国山地・瓶ヶ森(かめがもり)。山頂を境に対照的な環境が広がる。北西斜面にはなだらかなササの平原と針葉樹林。対して、南東側は切り立った断崖の下に広葉樹林が続く。アケボノツツジが咲き始める春、鳥たちが集まってくる。ササ原でさえずるウグイス、渓谷にたたずむオオルリ。ミソサザイやキビタキは森の中で繁殖期を迎える。多様な自然が凝縮された野鳥の楽園・瓶ヶ森で、命の息吹を見つめる。
北海道 有珠山
火山地形が広がる北海道南西部、今も白煙をあげるのが標高737mの有珠山。過去100年間は20~30年間隔で噴火している。そこには、荒廃した地で植生を回復しようと根を張る植物、緑を求めて集まる動物たちなど、必死な生きものたちの姿がある。2002年、噴火して2年後の有珠山の自然を撮影。その過去の映像を交えながら、火山地形に育つ植物たちと、そこに集まる生きものたちの営みを見つめる。
鳥取 日野川
鳥取県西部、中国山地から日本海へ注ぐ日野川。清らかな水をたたえた上流部には手つかずの自然が今も残され、絶滅が心配されるオオサンショウウオが数多く息づく。4月、源流付近にある水たまりでは、姿を見ることさえ難しいカスミサンショウウオが現れて産卵。川沿いの棚田では、トノサマガエルなどさまざまなカエルが、にぎやかな恋の駆け引きを繰り広げる。春から初夏、貴重な生きものの宝庫・日野川で、躍動する命を見つめる。
春 北海道 然別湖
北海道、大雪山系の然別湖(しかりべつこ)。およそ2万年前の火山活動でできたカルデラ湖だ。冬に厚い氷に覆われていた湖面が半年ぶりに姿を現す5月、珍しい現象が起こる。湖の氷が解ける時、細長い棒状の氷が崩れだし、風に流されて「シャララ」と美しい音を奏でるのだ。北海道でも、寒さの厳しい限られた湖でしか見られない「キャンドルアイス」という現象だ。神秘的な解氷とともに、活動を始める生きものたちの春を見つめる。
早春 穂高連峰
北アルプスの穂高連峰。早春、西穂高岳(2909m)へ続くりょう線は一面、深い雪に覆われている。この時期、生きものたちの営みは日増しに活発になる。雪の斜面には冬をしのいだオコジョの足跡が続き、ライチョウは雪の下から現れた木々の芽を食べて繁殖に備える。針葉樹の森ではヒガラやコガラ、カケスなどがさえずりはじめる。季節の移ろいを告げる多様な命。その躍動を、雄大な風景が広がる穂高の山々で見つめる。
周防大島
瀬戸内海の周防大島は面積およそ130平方km。島北部の海底にはアマモ場が広がり、カレイやハゼなどが暮らす。一方、南部の岩礁地帯ではさまざまな稚魚が群れで泳ぎ、アジやハマチなどの大きな魚が狙う。イルカの仲間スナメリも生息する。ほかにも自然の豊かさを示す光景がある。緑の蛍光色に輝くアワサンゴだ。周防大島では4万にも及ぶ世界最大の群落が見られる。春、多様な命にあふれる周防大島の海で命の営みを見つめる。
神奈川 真鶴半島
神奈川県の南西部、相模湾に突き出た真鶴半島。わずか3平方kmの半島を、うっそうとした照葉樹林が覆う。昔から地元では、この森を「お林」として大切に守ってきた。一年中、葉が茂る森はヤマガラやアオジなど小鳥の隠れがとなり、また半島周辺の豊かな海ではクロサギやミサゴなどが魚を狙う。早春の半島を訪ね、照葉樹林の恵みを受けて暮らす生き物の春の営みを見つめる。2011年5月に放送した番組のアンコール。
白山山系 山毛欅尾山(ぶなおやま)
日本有数の豪雪地帯、石川県の白山山系。その一角、いち早く春が訪れるのが山毛欅尾山(ぶなおやま)だ。山の南斜面は切り立っているため、春先になると雪崩が起こり、山肌に厚く積もった雪が一気に消え去る。3月、ニホンザルやニホンカモシカは、地面があらわになった急斜面にやって来て、雪の下から現れた若々しい草を食べる。雪深い白山山系で、一足早く春の恵みに満ちていく山毛欅尾山。早春に活気づく命の営みを見つめる。
埼玉 狭山丘陵
狭山丘陵は都心からおよそ40km、埼玉県と東京都にまたがる広大な雑木林に覆われた丘だ。早春、クヌギやコナラなどの広葉樹が一斉に芽吹き、ヤマザクラやうす紅色のウグイスカグラが花を咲かせる。水ぬるむころ、林の水辺ではおたまじゃくしが泳ぎ始める。野鳥たちも林に集まり巣作りを始める。大都会郊外の雑木林で見つけた生きものたちの営みを通して、狭山丘陵の春の訪れを探す。2009年4月に放送した番組のアンコール。
早春 多摩川
東京と神奈川の境を流れ、東京湾へと注ぐ多摩川の下流域。ここは潮の満ち干の影響が大きく、干潮時には広大な干潟が現れる。面積は合わせて1平方キロメートルにもなる。春の日中、干潟では生きものたちが活発に動きだす。泥の中からカニが現れ、浅瀬ではコサギやカモなどの鳥が集う。干潟の隣に広がるヨシ原ではオオジュリンやセッカ、チュウヒなどが飛び交う。早春の多摩川下流域を舞台に、都会の水辺で力強く輝く命を見つめる。
北海道 朱鞠内湖
北海道北部、朱鞠内湖(しゅまりないこ)。年間20mを超える降雪量と、氷点下40度を下回る寒さを記録する、世界でも稀有(けう)な極寒豪雪の地だ。凍結した湖には独特の雪の結晶が大量に積もり、見渡す限りの大雪原となる。一面の結晶は太陽や月の光を反射し、色とりどりに輝く。対照的に、大量の雪にフタをされた水中には闇が広がる。未知の暗黒世界となる水中の撮影に挑戦。イトウやワカサギの、初の潜水撮影に成功した。
諏訪湖
長野県の中央部に位置する諏訪湖は、周囲15.9kmの大きな湖である。標高が高く、盆地にある諏訪湖の冬は厳しい。近年は湖の全面凍結が減り、コハクチョウやカモ類など多くの冬鳥が飛来するようになった。さらに、かつて保護されたオオワシが、今では元気になって14年連続で飛来している。冬鳥たちの冬越しを中心に、厳冬期から北帰行が始まる早春まで、諏訪湖やその周辺で冬を越す生き物たちの営みを見つめる。
宇和海
四国南西部・豊後水道の愛媛側に広がる宇和海。日本で最初の海中公園の1つに指定され、南からの黒潮の影響でテーブル状のミドリイシの仲間などの造礁サンゴや花畑のような景観を作るソフトコーラルなど、100種類を超えるサンゴが見られる。このサンゴの群落には、南の海にすむ魚をはじめ1000種類以上の生き物が生息している。サンゴの海の豊かな自然を紹介する。2010年11月に放送した番組のアンコール。
宮城 金華山の秋
宮城県牡鹿半島沖に浮かぶ周囲26kmの島・金華山。ブナなどの落葉広葉樹とモミなどの常緑針葉樹に覆われた島では、ニホンザルとニホンジカが数多く暮らす。実りの時期、生きものたちは躍動する。ニホンジカのオスは恋の時期を迎え、角を突き合ってライバルと争う。森では、この春産まれたニホンザルの子どもが、大人に混ざって秋の恵みを口いっぱい頬張る。島という閉ざされた環境で、たくましく暮らす生きものたちを見つめる。
北海道 宮島沼 秋
北海道・石狩平野の宮島沼。秋には数多くの野鳥が見られる。マガンは5万羽を超え、東アジアに住むうちの3割ほどといわれている。沼で休み、田んぼで落ちモミを食べ、渡りの鋭気を養う。圧巻は、朝の飛び立ちと夕暮れのねぐら入り。5万羽ものマガンが一斉に乱舞するのだ。ハイスピードカメラで世界的にも極めて珍しい一斉飛び立ちを撮影。細かな羽の動きや、水しぶき、群れをなして躍動するマガンの姿をスペクタクル映像で紹介。
沖縄 竹富島
沖縄本島から南西に約300km、周囲約9kmの小さな島・竹富島。透明なサンゴの海にはスズメダイやクマノミが泳ぐ。1年を通して花が咲き、花のみつを求め色とりどりのチョウが舞う。南西諸島特有のリュウキュウアサギマダラやツマベニチョウ、最も目を引くのは日本最大級のチョウ・オオゴマダラだ。南国の島の海と陸に舞う、カラフルな生き物たちの姿を竹富島に訪ねる。2010年11月に放送した番組のアンコール。
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