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大河ドラマ「龍馬伝」の概要

福山雅治主演!幕末の風雲児・坂本龍馬を等身大のヒーローとして描いた快作

「幕末史の奇跡」と呼ばれ「日本人が最も愛するヒーロー」のひとり坂本龍馬の33年の生涯を、龍馬と同じ土佐に生まれ幕末から明治にかけての屈指の経済人であり三菱財閥の創始者・岩崎弥太郎の視線から描く。土佐から江戸、そして世界へ・・・。龍馬の行くところ、時代が怒とうのように動き始める。土佐に生まれた名もなき男が幕末の動乱で薩長同盟に尽力し、明治維新を大きく進める原動力となった姿を描く。

  • 放送期間 2010(平成22)年1月~11月[全48話]
  •  福田靖
  • 音楽 佐藤直紀
  • 題字 紫舟
  • 主な出演者 福山雅治、香川照之、大森南朋、広末涼子、寺島しのぶ ほか

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2010年、日本全国に大ブームを巻き起こした大河ドラマ「龍馬伝」を、4回の総集編にまとめ、2夜連続で放送。大河ドラマの総集編として初の企画として番組ホームページ上で、もう一度見たいベストシーンを視聴者から募集。人気が高かった名シーンを中心に、「龍馬伝」を振り返る。さらに、第1部と第2部は後藤象二郎を演じた青木崇高さんが高知を、第3部と第4部は岩崎弥太郎を演じた香川照之さんが長崎を訪れ、龍馬ゆかりの地を巡りながらナビゲート。さらに、福山雅治さんのクランクアップ(撮影終了)の際の秘蔵映像なども初公開!

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大河ドラマ「龍馬伝」各話のあらすじ

第1回「上士と下士」

天保14年(1843)高知城下、9歳の坂本龍馬(濱田龍臣)は学問も剣術も苦手、そのうえ泣き虫。父・八平(児玉清)や姉・乙女(土屋太鳳)は龍馬に武士らしく、強くたくましく育ってほしいと願っていた。ある日、幼い龍馬は鳥かごを売り歩く地下浪人の岩崎弥太郎(渡邉甚平)と出会う。弥太郎は農民からも蔑まれるような貧しい暮らしをしていた。土佐藩には上士・下士の厳しい階級制度があり、武士と言っても位の低い郷士の龍馬や地下浪人の弥太郎は屈辱的な差別を受けていた。龍馬は、ふとしたことから上士の少年を怒らせてしまい、上士に無礼討ちされそうになる。母の幸(草刈民代)が決死の覚悟で上士を止め、龍馬はことなきを得るが、その事件がもとで幸の病気は悪化し、ほどなくして死ぬ。龍馬は母の遺言を胸に刻む。  時はたち嘉永5年(1852)、龍馬(福山雅治)は剣術の腕を磨きたくましい武士に成長していた。幼なじみの平井加尾(広末涼子)は美しい娘に成長し、密かに龍馬に恋心を抱いていた。武市半平太(大森南朋)は下士のリーダー的存在になり、弥太郎(岩崎弥太郎)はひとり学問に専念していた。ある日、恩師を失い自暴自棄になった弥太郎が上士にけんかをふっかけてしまい、龍馬は仲裁にかけつける・・・。

第2回「大器晩成?」

嘉永5年(1852)秋。土佐で剣術の腕を磨いた坂本龍馬(福山雅治)は、自分の生きる道を探すために世の中を見てみたいと、父・八平(児玉清)に江戸行きを願いでる。しかし、八平は龍馬の江戸行きを認めず、かわりに堤防工事の差配役を命じる。  武市半平太(大森南朋)も江戸行きの夢を抱くが、妻・冨(奥貫薫)に年老いた祖母・智(菅井きん)の世話を任せて江戸に行くわけにはいかなかった。岩崎弥太郎(香川照之)も龍馬の江戸行きをうらやましく思うが、どうすることもできない。龍馬が堤防工事の現場に行ってみると、集まった二つの村の農民たちは、互いにいがみ合って、ついにはけんかを始めてしまう。困り果てた龍馬は農民たちに酒を飲ませ、仲良くさせようとするが失敗に終わる。農民たちから、下士の侍は役立たずだとののしられ、落ち込む龍馬。  そんな折、龍馬に密かに恋心を抱く加尾(広末涼子)は龍馬を訪ね、縁談の話が来ていると打ち明ける。しかし、龍馬は加尾の気持ちを受け止めることは出来なかった。龍馬はなんとか堤防普請を進めようと自ら汗をかいて働き、その姿を見た農民たちも龍馬に協力するようになる。

第3回「偽手形の旅」

江戸での剣術修行を許された龍馬(福山雅治)は、父・八平(児玉清)から修行心得を渡される。乙女(寺島しのぶ)や加尾(広末涼子)らが見送る中、江戸行きの経験もある溝渕広之丞(ピエール瀧)とともに土佐を出発する。すると、城下を出て間もなく龍馬たちの前に弥太郎(香川照之)が現れる。弥太郎は江戸行きの許可を得たが、江戸まで行く金はないので、龍馬たちに同行させてほしいと願いでる。溝渕は反対するが、龍馬は弥太郎を仲間に入れる。最初の関所で弥太郎が役人に見せた通行手形は、弥太郎が自分で偽造したものだった。無事に関所を通過する三人だが、龍馬は、弥太郎が土佐に家族を残してきたことを心配する。藩を捨てて行くということは、二度と家族には会えないということ。その頃、岩崎家では弥太郎の行方が分からず、弥次郎(蟹江敬三)が捜し回っていた。武市(大森南朋)はひたすら剣の修行に打ち込んでいた。加尾は、龍馬への思いを断ち切れず、兄が勧める縁談を断る。龍馬一行は瀬戸内の港に到着するが、そこで弥太郎の手形が偽造だと発覚する。

第4回「江戸の鬼小町」

江戸に到着した龍馬(福山雅治)は、北辰一刀流の名門・千葉道場に入門する。千葉定吉(里見浩太朗)の息子・重太郎(渡辺いっけい)に案内されて道場に入ると、女剣士・佐那(貫地谷しほり)が龍馬に腕試しを願い出る。佐那の素早い竹刀さばきで打ち込まれた龍馬は、江戸の剣術の凄さに驚かされる。佐那は「鬼小町」と呼ばれる千葉道場の看板娘で、剣術を生きがいにしていた。その頃、土佐にとどまった武市(大森南朋)は道場に門人たちを集めていた。武市に負けずと、弥太郎(香川照之)も学問塾を開き、加尾(広末涼子)も入門する。剣術に打ち込み腕をめきめき上げる龍馬。佐那は、龍馬と剣の勝負を願い出るが、龍馬はなかなか佐那と立ち会おうとしない。佐那はいつの間にか龍馬に心惹かれ始めていた。乙女(寺島しのぶ)は龍馬が剣術だけにのめり込み、世の中を見ていないと叱る手紙を龍馬に送る。世の中を知りたいという龍馬を、溝渕広之丞(ピエール瀧)は飯屋に連れて行く。そこで龍馬は桂小五郎(谷原章介)と出会う。桂は異国の船が日本に迫ってきていると言うが、龍馬は桂の説く危機を実感することはできなかった。

第5回「黒船と剣」

ペリー(ハリス)の来航を受け幕府は各藩に江戸湾の警備を命じた。龍馬(福山雅治)と溝渕広之丞(ピエール瀧)も品川沿岸の警備に駆り出される。龍馬は浦賀沖に停泊している黒船を見るために陣を抜け出す。浦賀への道中、桂小五郎(谷原章介)と出会い、二人は黒船を間近に目撃することになる。刀では敵わない圧倒的な西洋文明の力を見せつけられ、龍馬は剣術修行を続けることに疑問を抱き始める。「黒船に対して剣は役にたたない」と佐那(貫地谷しほり)に打ち明けると、佐那はそれは言ってはいけないと釘をさす。幕府が諸藩に異国への対応について意見を求める。土佐では武市半平太(大森南朋)や弥太郎(香川照之)が藩へ意見書を提出し、武市は評価される。剣術修行を続けるべきか思い悩んだ龍馬は桂を訪ねる。桂も黒船に対して日本のとるべき道を考え悩んでいた。一方、佐那が龍馬に恋心を抱いていると知った千葉重太郎(渡辺いっけい)は龍馬と佐那を結びつけようとする。

第6回「松陰はどこだ?」

道場を追い出された龍馬(福山雅治)は、することもなく時間をもてあましていた。そこへ龍馬を心配した佐那(貫地谷しほり)が訪ねてくる。佐那は、定吉(里見浩太朗)に謝罪して許してもらうように言うが、龍馬は自分が剣術をやる意味を見出せない以上、謝ることはできないという。龍馬が再び桂小五郎(谷原章介)を訪ねると、小五郎は吉田松陰(生瀬勝久)にこそ話を聞くべきだと言う。龍馬が思い悩む間にペリー(ハリス)が再び来日し、龍馬は再び海岸警備に動員される。日本中に異国を排斥すべきという攘夷運動が巻き起こる中、小五郎は龍馬を呼び出し、松陰を探しに出る。松陰はペリーの船に乗り込もうとしていた。海の向こうに何があるのか自分の目で確かめたいという松陰は、龍馬に、思い悩んでいる暇があったらできることを今すぐに始めろと説教する。一方、土佐では半平太(大森南朋)が意見書を藩に提出したが、上士ではないために冷遇されてしまう。弥太郎(香川照之)もまた提出する。加尾(広末涼子)に意見書がよくできていると褒められ気をよくした弥太郎は、加尾との結婚を願う。

第7回「遙かなるヌーヨーカ」

江戸での剣術修行を終えた龍馬(福山雅治)は土佐に帰る。半平太(大森南朋)はかつての仲間たちから先生と呼ばれるようになっていた。弥太郎(香川照之)は加尾(広末涼子)に結婚を申し込むが、断わられてしまう。龍馬が弥太郎とともに絵師の河田小龍(リリー・フランキー)を訪ねると、小龍の話を聞こうと多くの若者たちが集まっていた。そこには、龍馬の幼なじみの饅頭屋の近藤長次郎(大泉洋)がいた。小龍は西洋文明がいかに進んでいるかについて話す。それを聞いた半平太は攘夷を主張し、弥太郎は異国船など関係ないと言い、龍馬は黒船の影響は避けられないと言う。小龍は黒船を見たという龍馬に興味を抱き、龍馬の家に押しかける。その時、父・八平(児玉清)が倒れてしまう。八平は小龍の知り合いの医者の手当てで回復する。小龍は坂本家に居つき、一枚の絵を描き始める。弥太郎は、加尾の働きにより江戸行きの夢が叶い、江戸に向けて旅立つ。龍馬には小龍からアメリカに行ったジョン万次郎の話を聞く。龍馬は八平を桂浜に連れて行き、船を作って遠い異国を家族と一緒に旅するのが夢だと語る。小龍は、坂本家のために龍が天に昇っていく絵を描いていた。

第8回「弥太郎の涙」

父の葬儀を終え、挨拶のために出かけていた龍馬(福山雅治)は、弥太郎(香川照之)の父・弥次郎(蟹江敬三)が男たちに殴られているのを目撃する。弥次郎は庄屋と水の配分について争っていたのだった。その頃江戸で学問修行をしていた弥太郎は、父親がけがをしたという知らせを受け、急ぎ土佐に帰ってくる。弥太郎は庄屋や奉行所に抗議に行くが、行く先々で龍馬がすでに奉行所の不公正な判断に異議を申し立てていることを知る。しかし、下級武士の龍馬と弥太郎には奉行所の判断を変えることはできなかった。一方、半平太(大森南朋)は岡田以蔵(佐藤健)や平井収二郎(宮迫博之)とともに江戸に剣術修行に出発する。収二郎は妹の加尾(広末涼子)に龍馬に近づくなと釘を刺す。弥太郎と龍馬は土佐藩の実力者である吉田東洋(田中泯)に面会を求める。しかし、東洋は何の力もない二人の若者の訴えなど藩が受け入れるはずがないと一蹴する。弥太郎は奉行所の門に、奉行所の不正を告発する落書きをし、捕らえられ投獄される。

第9回「命の値段」

龍馬(福山雅治)は再び江戸に剣術修行に出る。千葉重太郎(渡辺いっけい)や佐那(貫地谷しほり)と再会する。龍馬と再会するのを楽しみにしていた佐那だが、思わずつれない態度をとってしまう。一方、一足先に江戸に出てきていた半平太(大森南朋)は桃井道場で塾頭になるほど剣術の腕を上げていた。ある日、龍馬が半平太に誘われて居酒屋に行くと、薩摩藩や水戸藩、長州藩の若い藩士たちが、朝廷に働きかけ徳川幕府の開国方針を改めさせようと話し合っていた。半平太は土佐藩が攘夷の先鋒になるべきだと考えていた。そんな時、土佐藩の山本琢磨(橋本一郎)が、商人佐州屋の懐中時計を拾い、密かに金に換えて自らの懐に入れようとしていたことが発覚する。半平太は、金を不正に得ようとした山本に、責任をとって切腹すべきだと苦渋の選択をする。しかし、龍馬は切腹する必要などないと、佐州屋に乗りこみ山本を赦すように説得する。そして、山本を密かに藩邸の外に連れ出し、逃がしてやる。半平太は藩の上士に呼び出され、山本が脱走した責任を問われ、土佐に戻っていく。土佐では、牢屋に入った弥太郎(香川照之)が謎の老人から商売について教えを受けていた。

第10回「引きさかれた愛」

龍馬(福山雅治)は江戸での2度目の剣術修行を終え、目録を千葉定吉(里見浩太朗)から授かる。龍馬に密かに恋心を寄せていた佐那(貫地谷しほり)は龍馬に気持ちを打ち明けるが、龍馬は土佐に帰らなくてはならないと言う。土佐に戻った龍馬は加尾(広末涼子)に、剣術道場を開いたら夫婦になってほしいと求婚する。そのころ武市半平太(大森南朋)は、幕府の大老・井伊直弼(松井範雄)が朝廷を無視してアメリカと通商条約を締結したことに憤り、攘夷を行うために土佐藩を動かそうと考えていた。参政・開国派の吉田東洋(田中泯)は後藤象二郎(青木崇高)に命じて弥太郎(香川照之)を牢から出し、外国との貿易が始まった長崎に派遣する。東洋は家臣たちの禄を半減するなど、藩の財政改革を強力に推進し始めていた。東洋の改革により、既得権益を失った柴田備後(北見敏之)は武市を利用しようと考える。  一方、武市は開国派の東洋を土佐藩の藩政から退けようと、柴田備後に近づく。武市と柴田は、朝廷内の攘夷派・三条実美(池内万作)らの動きを探るために、収二郎(宮迫博之)の許しを得て加尾を隠密として京に送り込もうとする。

第11回「土佐沸騰」

龍馬(福山雅治)は結婚を約束した加尾(広末涼子)が、京都に送られてしまうことになり、落胆していた。弥太郎(香川照之)は長崎で藩の金を使いこみ、役を解かれて土佐に戻ってきた。一方、江戸では朝廷を無視して開国をした井伊直弼(松井範雄)が水戸浪士たちによって殺されるという桜田門外の変が起こる。武市半平太(大森南朋)は、土佐藩を攘夷一色に染め、薩摩藩や長州藩と協力して朝廷を動かし、幕府の開国政策を改めさせようと考える。弥太郎は吉田東洋(田中泯)によって、郷廻りという役に取り立てられる。そんなころ、上士が下士を斬り殺し、その仇討ちで下士の池田虎之進(笠原秀幸)が上士を斬り殺す。岡田以蔵(佐藤健)らは武市道場に集まり、上士たちと戦うと気勢をあげる。上士と下士は一触即発の事態となる。龍馬は上士たちが集まる屋敷に単身で乗りこみ、上士を説得して事態の収拾を図る。その場にいあわせた東洋は、そんな龍馬を見てただ者ではないと悟る。東洋は自らの屋敷に龍馬を呼び出し、龍馬の身分を上士に引き上げるという。そして、半平太らは結成した土佐勤王党に加盟するよう龍馬に迫る。

第12回「暗殺指令」

龍馬(福山雅治)は武市半平太(大森南朋)らが結成した土佐勤王党に入り、沢村惣之丞(要潤)と出会う。沢村は、長州は久坂玄瑞(やべきょうすけ)らが今にも攘夷を決行しようとしていると話す。龍馬は久坂に会いに長州へと旅立つ。久坂は龍馬に、日本は異国に不公平な条約を押しつけられたのであって、幕府や藩などにこだわっていては、攘夷は実行できないと、熱く語る。一方、そのころ弥太郎(香川照之)は、喜勢(マイコ)と結婚。弥太郎は吉田東洋(田中泯)によって、郷廻りという役人に取り立てられた。武市は、すぐにも攘夷実行のために決起すべきだという勤王党を押さえきれなくなっていた。武市は藩がまとまって攘夷に向かわなければ、攘夷の実行は難しいと考えていた。武市は勤王党の同志とともに吉田東洋に面会を求め、土佐藩は攘夷のために動くべきであると必死に訴える。しかし、東洋は山内家が恩ある徳川幕府に逆らうはずもないと、武市の訴えを退ける。屈辱的な扱いを受けた武市は、東洋を殺す決意をする。東洋門下の後藤象二郎(青木崇高)は、東洋が龍馬の力を認めたことに嫉妬し、密かに龍馬の暗殺を弥太郎に命じる。

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第13回「さらば土佐よ」

後藤象二郎(青木崇高)から龍馬(福山雅治)暗殺の命を受けた弥太郎(香川照之)は、龍馬のお茶に毒を入れる。しかし、龍馬がお茶を飲む前に、弥太郎は龍馬の湯飲みを払いのけ、命を救う。龍馬は、武市半平太(大森南朋)が吉田東洋(田中泯)を殺そうとしているのを知り、東洋に会いに行く。東洋は真に土佐藩のためを考えているのは武市ではなく自分だと、龍馬に語る。龍馬は、東洋は武市が思うような悪人ではないと悟る。そのころ武市は、密かに東洋暗殺を実行するための刺客を集めていた。勤王党の中には、何もできない武市と土佐藩に見切りをつけ、脱藩を考える者たちも出はじめていた。沢村惣之丞(要潤)は龍馬にともに脱藩しようと持ちかける。龍馬は再び武市を訪ね、東洋を殺すべきではないと武市を説得する。武市は龍馬の気持ちをくみ、東洋を殺したりしないと、その場をとりつくろう。龍馬の心の中には、土佐を飛び出し日本のためになることをしたいという気持ちがふつふつとわき始めていた。龍馬の気持ちを知った乙女(寺島しのぶ)は龍馬に密かに家伝の刀を渡す。その翌日、龍馬の姿は坂本家から消えていた。武市は那須信吾(天野義久)に命じて、吉田東洋の暗殺を決行する。

第14回「お尋ね者龍馬」

龍馬(福山雅治)は土佐を脱藩し、姿を消していた。その頃土佐藩では、吉田東洋(田中泯)を暗殺した武市半平太(大森南朋)が、藩の保守派と手を組み、藩主・山内豊範(染谷将太)の上洛を実現しようとしていた。武市は藩を動かすまでの力をつけていた。一方、後藤象二郎(青木崇高)は姿を消した龍馬が東洋暗殺の実行犯とにらみ、弥太郎(香川照之)と井上佐市郎(金山一彦)に龍馬の捕縛を命じる。弥太郎は妻の喜勢(マイコ)を土佐に残し、井上とともに大坂に向かう。山内豊範の上洛のため、武市も勤王党の平井収二郎(宮迫博之)、岡田以蔵(佐藤健)らとともに大坂に入る。同じ頃、大坂の飯屋で沢村惣之丞(要潤)が溝渕広之丞(ピエール瀧)と脱藩したあとの龍馬の足取りについて語り合っていた。沢村と龍馬はともに脱藩したが、下関で二人は別れたのだった。弥太郎と井上は、武市が龍馬を匿っているのではないかと疑い、大坂で龍馬を探していた。と、二人の前に龍馬がふらりと現れる。弥太郎と井上は刀を抜いて龍馬を捕まえようとするが・・・。

第15回「ふたりの京」

龍馬(福山雅治)は大坂から京へと向かっていた。京には、三条家に仕える加尾(広末涼子)がいる。武市半平太(大森南朋)も藩主・山内豊範(染谷翔太)とともに京に入っていた。武市は公家の尊王攘夷派・三条実美(池内万作)に拝謁し、徳川幕府に攘夷を実行させるために、帝の勅命を持って江戸に乗り込むことを提案する。武市とともに京に入った平井収二郎(宮迫博之)は妹の加尾と久しぶりの対面をしていた。収二郎は龍馬が武市を裏切り土佐藩を脱藩したことを加尾に教える。岡田以蔵(佐藤健)は土佐勤王党のために、天誅と称し開国派の人々を暗殺していた。龍馬が加尾を訪ねてくると、加尾は兄の忠告を破り龍馬と一夜を過ごす。その頃、土佐に戻った岩崎弥太郎(香川照之)は農民と同様の生活を送っていた。京の龍馬は以蔵が殺人に手を染めていることに気づく。加尾もまた、兄から以蔵の話を聞く。龍馬と加尾、以蔵は、自分たちが時代の流れのなかで、かつてのような友達のままではいられないことに気づく。龍馬は加尾に別れを告げ、江戸に向け旅立つ。

第16回「勝麟太郎」

土佐を脱藩した龍馬(福山雅治)は江戸の千葉道場に現れる。佐那(貫地谷しほり)は龍馬を一途に待ち続けていた。佐那の兄・重太郎(渡辺いっけい)も龍馬が戻ってきたことを喜ぶ。しかし、龍馬は軍艦奉行並の勝麟太郎(武田鉄矢)に会うために江戸に来たのだった。重太郎と龍馬は前越前藩主の松平春嶽(夏八木勲)に会い、勝への紹介状を書いてもらうことに成功する。龍馬は紹介状を携え、赤坂にある勝の屋敷を訪れる。勝の屋敷で龍馬の前に現れたのは、龍馬の幼なじみでまんじゅう屋の長次郎(大泉洋)だった。長次郎は、日本のために役にたちたいという志を持って江戸に出てきたのだった。龍馬は、勝の弟子になりたいと申し出るが、勝は拒否する。三条実美(池内万作)を警護して江戸に来た武市半平太(大森南朋)が岡田以蔵(佐藤健)と平井収二郎(宮迫博之)を連れて勝の屋敷を訪れる。武市は、開国派の勝を、ことによっては斬り捨てようという覚悟で乗り込んできたのである。勝は武市の言葉から、龍馬が他人とは違う考え方をもっていることを知る。龍馬を呼び出した勝は、龍馬が戦をしない攘夷の方法を考えていると聞いて弟子にすることを決める。

第17回「怪物、容堂」

勝麟太郎(武田鉄矢)の弟子となった龍馬(福山雅治)は、ジョン万次郎(トータス松本)からアメリカの大統領制について話を聞く。勝は龍馬とともに人材を集め、海軍塾を開き、日本の海軍を作ろうと計画していた。龍馬は千葉道場に戻り、佐那(貫地谷しほり)と重太郎(渡辺いっけい)に自分の生きる道を見つけたと話す。京に戻った武市半平太(大森南朋)は慶喜(田中哲司)が上洛した時に、慶喜に会えるように身分を引き上げてほしいと三条卿(池内万作)に願い出る。勝は龍馬を連れて各藩の屋敷を訪ね、海軍塾への人材提供を頼みこむ。さらに、勝は土佐藩の前藩主・山内容堂(近藤正臣)の屋敷に龍馬を連れて行く。勝は土佐藩を脱藩した者の罪を免じてほしいと願い出るが、容堂は許さない。そのころ、弥太郎(香川照之)は材木を仕入れて一儲けを狙っていた。龍馬は神戸に海軍塾をつくるために江戸を離れることとなり、千葉家に別れの挨拶に行く。佐那は涙をこらえて龍馬を見送り、生涯龍馬だけを思い続けようと心に誓う。龍馬は近藤長次郎(大泉洋)とともに江戸から大坂へと向かった。

第18回「海軍を作ろう!」

勝麟太郎(武田鉄矢)の弟子となった坂本龍馬(福山雅治)と長次郎(大泉洋)は船で大坂へ向かっていた。神戸に海軍操練所ができるまで、大坂の専称寺の勝塾で学ぶことになる。龍馬と長次郎が勝塾の訓練生を集めに大坂の町に出ると、龍馬とともに脱藩した沢村惣之丞(要潤)と出くわす。龍馬は一緒に海軍を作ろうと惣之丞を勝塾に誘う。一方、第14代将軍徳川家茂(中村隼人)は京に入る。武市半平太(大森南朋)は、将軍に確実に攘夷を約束させようと朝廷内で画策する。過激な攘夷派を嫌う山内容堂(近藤正臣)は武市の動きを封じるために、土佐勤王党を分裂させようと企む。大坂で龍馬と長次郎は大和屋という商家に寝泊まりしていた。そこに、土佐勤王党の望月亀弥太(音尾琢真)、高松太郎(川岡大次郎)、千屋寅之助(是近敦之)が現れ、勝塾の入門を希望する。同志を得て喜ぶ龍馬と長次郎だが、これが容堂の策略とは気づかなかった。さらに、容堂は勤王党のナンバー2の平井収二郎にも策をめぐらし、武市から離反させようとする。岡田以蔵(佐藤健)は、武市に命じられ勝を斬りに行くが、結局は勝の護衛をすることになる。武市はいつの間にか孤立していたことに気づく。

第19回「攘夷決行」

上洛した将軍家茂(中村隼人)は孝明天皇に5月10日に攘夷を決行すると約束する。龍馬(福山雅治)は岡田以蔵(佐藤健)が勝麟太郎(武田鉄矢)の用心棒をしているのを知り驚く。以蔵は武市半平太(大森南朋)に人斬りを命じられるのが嫌で逃げ出してきたのだった。以蔵と龍馬が居酒屋で酒を飲んでいると、そこに平井収二郎(宮迫博之)が現れる。収二郎は土佐藩の役人に追われていた。収二郎は青蓮院宮から土佐藩改革の令旨(りょうじ)を前藩主である山内容堂(近藤正臣)に断りもなくもらい受けたことをとがめられたのだった。武市と勤王党員たちは、将軍が攘夷を約束したその日、攘夷のための出陣の命令が下るのをひたすら待ち続けていた。幕府は朝廷には攘夷を実行すると約束しながら、外国と密かに通じ合っていた。一方、長州にもどった久坂玄瑞(やべきょうすけ)は5月10日に外国船の砲撃を始めるが、実際に攘夷を行ったのは長州藩のみだった。武市は攘夷の夢が叶わなかったことを知り、土佐藩に捕らえられた収二郎を助けるために、土佐に戻ろうとする。龍馬は土佐に戻れば武市も捕らえられてしまうと、必死に武市を制止する。

第20回「収二郎、無念」

龍馬(福山雅治)は大坂の専称寺で航海術の勉強に励んでいた。平井収二郎(宮迫博之)が投獄されたことを知った龍馬は、京に滞在中の勝(武田鉄矢)に会いに行く。龍馬と入れ違いに、兄の権平(杉本哲太)が専称寺を訪れる。脱藩を許された龍馬に会いに来たのだった。龍馬は勝から海軍塾を続けて行くための資金が足らないと聞き、越前福井藩の前藩主・松平春嶽(夏八木勲)のもとへと向かう。春嶽に会った龍馬は生きる金として千両を貸してほしいと頼む。そこに居合わせた横井小楠(山崎一)から西洋のデモクラシーについて話を聞く。土佐では弥太郎(香川照之)が商売を始めようと材木を仕入れたが、売れずに困っていた。そして、武市半平太(大森南朋)は後藤象二郎(青木宗高)に収二郎の命乞いをし、山内容堂(近藤正臣)にも頼み込むが、容堂は収二郎に切腹を命じる。武市は収二郎に会い、命を救えなかったたことを詫びる。

第21回「故郷の友よ」

龍馬(福山雅治)は土佐で平井収二郎(宮迫博之)が切腹させられたと知り、土佐に戻った武市半平太(大森南朋)の身を案じていた。龍馬は再び京にいる勝麟太郎(武田鉄矢)を訪ねる。勝は急いで日本の海軍を作らねばならないと龍馬に語る。その頃、朝廷では過激な攘夷を叫ぶ長州を京から追い出そうと、薩摩藩が密かに公家たちに近づいていた。そして後に八月一八日の政変と呼ばれる事件が起こり、桂小五郎(谷原章介)ら長州藩士と三条実美(池内万作)ら攘夷派の七人の公家たちは追放されてしまう。帝は異国との戦を望んではいなかったのだ。同じ頃、京に潜伏していた岡田以蔵(佐藤健)は土佐藩だけでなく、幕府からも追われる身となっていた。京都で過激な攘夷派が追放されたのを見て、山内容堂(近藤正臣)が土佐勤王党の帰国を命じ、弾圧を始める。勤王党の本部が置かれていた武市道場は取りつぶされ、武市にも追っ手が差し向けられる。武市は妻の冨(奥貫薫)に別れを告げ、役人たちに連れられていく。近藤長次郎(大泉洋)は土佐には戻らないと言うが、龍馬は土佐に戻って武市たちを救いたいと勝に懇願する。勝は龍馬ひとりでは武市を助けられないと言って、龍馬を引き留める。

第22回「龍という女」

大坂の専称寺で航海術を学ぶ龍馬(福山雅治)たち土佐藩士に、土佐への帰国命令が届く。勤王党の弾圧を始めた容堂(近藤正臣)が発したのだった。帰国を拒む龍馬たちは再び脱藩浪士の身となってしまう。龍馬たちが身を寄せる大和屋の徳(酒井若菜)は商人だった近藤長次郎(大泉洋)を心配していた。そして、龍馬の身を案じた乙女(寺島しのぶ)からは、龍馬に金5両が届けられる。岡田以蔵(佐藤健)は、なつ(臼田あさ美)のもとで身を隠していたが、役人に脅えるなつを見て去っていく。しかし、なつは龍馬たちに以蔵を探してほしいと頼む。龍馬は、なつのために京都に向かう。その頃土佐では、武市の牢のそばで島村衛吉(山﨑雄介)が吉田東洋暗殺犯を捜す後藤象二郎(青木崇高)の拷問を受けていた。京で以蔵を捜す龍馬は扇岩という宿に泊まる。そこで宿屋の主人とひとりの女が言い争う声を聞く。その女はお龍(真木よう子)という名で、ならず者に連れ去られた妹たちを助けに行こうとしていたのだった。龍馬は持ち合わせていた5両をお龍に貸す。そして、再び京の町に出た龍馬は、近藤勇(原田泰造)ら新選組に追われる以蔵を発見する。

第23回「池田屋に走れ」

龍馬(福山雅治)、勝(武田鉄矢)ら勝塾の面々は、近藤長次郎(大泉洋)と大和屋の娘・徳(酒井若菜)の婚礼を祝う。そして、いよいよ神戸海軍操練所が完成する。待ちに待った操練所で操船術や砲術について学ぶ龍馬たち。しかし、そのなかで、ひとり望月亀弥太(音尾琢真)は思い悩んでいた。かつての勤王党の仲間たちが土佐藩に捕らえられ、攘夷を叫んだ長州藩が朝廷から追われ、時代は亀弥太が思い描く方には向かっていなかった。同じ頃、薩摩藩と会津藩らによって京を追われた長州の久坂玄瑞(やべきょうすけ)たちは、帝を攘夷派の手に奪い返そうと企んでいた。過激な攘夷派は土佐でも弾圧され、後藤象二郎(青木崇高)による武市半平太(大森南朋)への尋問は厳しさを増していた。時代の流れからひとり外れた岩崎弥太郎(香川照之)は、妻の喜勢(マイコ)との間に長女が誕生し、幸せをかみしめていた。操練所では、紀州脱藩浪士の陸奥陽之助(平岡祐太)が憎まれ口を叩きながら秀才ぶりを発揮していた。龍馬は望月亀弥太の姿が見えないことに気づく。亀弥太は京の池田屋で長州藩の志士たちと会い、帝を奪う計画を立てていた。龍馬は亀弥太を探して京に向かう。

第24回「愛の蛍」

京の池田屋に向かった龍馬(福山雅治)は、亀弥太(音尾琢真)の死を目の当たりにする。池田屋を襲撃したのは新選組だった。怒りに震える龍馬は、引き上げていく新選組に挑もうとするが、居合わせた桂小五郎(谷原章介)に止められる。桂は池田屋で殺された者たちの無念をいつか必ず晴らすと誓う。その頃土佐では、以蔵(佐藤健)が厳しい拷問を受けていた。吉田東洋殺しの犯人を吐かせようという後藤象二郎(青木崇高)の追及が続いていた。武市半平太(大森南朋)は以蔵が拷問で苦しむ声を間近に聞きながら、じっと堪え忍ぶしかなかった。坂本家の伊與(松原智恵子)は武市家を訪ねて、武市の妻の冨(奥貫薫)を慰める。龍馬はお龍(真木よう子)の家に身を隠していたが、亀弥太の死を防げなかった自分自身にいらだっていた。その頃、勝麟太郎(武田鉄矢)は幕府の老中に呼び出され、池田屋での策謀に神戸海軍操練所の浪士がいたことについて詰問される。お龍は、亀弥太が志を貫いて死んだのだから誉めるべきだと龍馬に言う。その言葉を聞き、龍馬も自分の志を取り戻す。京を出発して、神戸に戻ろうとする龍馬。龍馬は伏見の船宿・寺田屋で亡き母にそっくりの女性を目撃する。

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第25回「寺田屋の母」

龍馬(福山雅治)は伏見の船宿・寺田屋で、亡き母・幸(草刈民代)にそっくりの女将・お登勢(草刈民代=二役)に出会い、思わず泊まることに。そして、お登勢に励まされ、新たな気持ちで神戸海軍操練所に戻っていく。池田屋で多くの同志を殺された長州藩は、再起をかけて京に攻め入り、会津藩との戦いが始まる。後に蛤御門の変と呼ばれる戦いである。勢いに乗った長州軍に押される会津兵を助けたのは薩摩軍だった。長州藩は総崩れとなり、久坂玄瑞(やべきょうすけ)も自刃する。海軍操練所にも京の戦が知らされ、龍馬は自らの目で戦場となった京を見に行く。焼け野原となった京で龍馬は復讐を誓う桂小五郎(谷原章介)と出会う。龍馬は焼け出されたお龍(真木よう子)を、お登勢に託す。幕府の内部では、長州を徹底的に叩くべきだという一橋慶喜(田中哲司)と、内戦は避けるべきだという勝麟太郎(武田鉄矢)が対立。勝は海軍操練所閉鎖を命じられてしまう。

第26回「西郷吉之助」

海軍操練所が閉鎖されることになり、勝麟太郎(武田鉄矢)は龍馬を薩摩藩の西郷吉之助(高橋克実)に会わせることにする。龍馬は、西郷に薩摩と長州が戦っている場合ではないと意見するが、西郷は幕府も長州も油断がならないと反論する。逆に、西郷は勝から操船技術をもつ龍馬たちを薩摩に引き取ってほしいと頼まれていると話す。龍馬は、長州を討った薩摩に従う気にはなれなかった。いよいよ海軍操練所が閉鎖され、勝が江戸に戻る日がやってくる。勝は龍馬たちに「日本を世界と互角に渡り合える国にしてほしい」と言い残して去っていく。脱藩者である龍馬たちは操練所が閉鎖されても土佐藩には帰ることができなかった。その土佐では、岩崎弥太郎(香川照之)が、武市半平太(大森南朋)から毒入りのまんじゅうを預かっていた。岡田以蔵(佐藤健)がこれ以上拷問で苦しまないように毒殺を依頼されたのだった。弥太郎は以蔵の苦しみを間近で見て、毒殺すべきかどうか悩んだ末、ついに以蔵に毒まんじゅうを食べさせようとする。龍馬たちは、近藤長次郎(大泉洋)の妻・徳(酒井若菜)がいる大坂に向かうことにする。

第27回「龍馬の大芝居」

海軍操練所が閉鎖され、龍馬(福山雅治)たちは行き場所を失っていた。龍馬はお龍(真木よう子)を預けた伏見の寺田屋に足を運ぶ。土佐藩の定宿でもあるという寺田屋の女将・お登勢(草刈民代)に薩摩藩のことについて話を聞こうと思ったのだ。海軍操練所に引き入れてしまった仲間たちを生かす道を龍馬は考えていた。龍馬(福山雅治)は、大坂の大和屋に行き、薩摩藩の世話になるべきかどうか議論していた。大和屋の娘のお徳(酒井若菜)も近藤長次郎(大泉洋)の行く末を心配していた。そこに溝渕広之丞(ピエール瀧)が弥太郎(香川照之)から龍馬にあてた手紙を携え現れる。その手紙には龍馬に土佐に戻るよう書かれていた。そのころ土佐では、武市半平太(大森南朋)が投獄され、岡田以蔵(佐藤健)は厳しい拷問にあっていた。龍馬は密かに土佐に潜入し、坂本家に帰ってくる。突然の龍馬の帰宅に驚く乙女(寺島しのぶ)たちだが、龍馬は権平(杉本哲太)に坂本家から自分を離縁してほしいと頼む。龍馬は弥太郎の協力で、吉田東洋殺しに関わる情報を集め、後藤象二郎(青木崇高)に会いに行く。そして東洋を殺したのは自分だと嘘をつくのだった。

第28回「武市の夢」

龍馬(福山雅治)は、武市半平太(大森南朋)を助けるために、吉田東洋を殺したのは自分だと後藤象二郎(青木崇高)に嘘をつく。後藤は逃げ去った龍馬を全力で捕らえようとする。一方、龍馬が土佐に現れ、自分が東洋殺しの下手人だと認めたことを聞いた山内容堂(近藤正臣)は、武市の牢を訪れる。容堂は、尊王運動と土佐藩との板挟みになりながらも土佐藩に忠義を尽くそうとした武市と、徳川家のやり方に納得せずとも徳川家に忠義を尽くさなくてはならない容堂自身が似ていると武市に話す。容堂の予期せぬ優しい言葉に、武市は感激するのだった。その夜、龍馬と岩崎弥太郎(香川照之)は武市の牢に忍び込む。龍馬は自分が罪をかぶり、武市を助けようとしたことを話す。しかし、武市は自ら罪を認め切腹する決意を語り、龍馬には日本を変え、異国から日本を守ってほしいと話す。以蔵は斬首、武市は切腹と刑が決まる。大坂に戻った龍馬は近藤長次郎(大泉洋)や沢村惣之丞(要潤)たちに、自分たちが海軍操練所で身につけた航海術を使って、日本を変えていくという決意を語る。

第29回「新天地、長崎」

神戸の海軍操練所が閉鎖され、龍馬(福山雅治)たち脱藩浪士は薩摩藩の西郷吉之助(高橋克実)と小松帯刀(滝藤賢一)に身を預け、大坂から薩摩へ航行中、長崎に立ち寄る。龍馬たちは豪商・小曽根乾堂(本田博太郎)の屋敷に泊まることに。西郷や小松は、龍馬たちに薩摩の船の操船をさせようと考えていたが、龍馬は近藤長次郎(大泉洋)や沢村惣之丞(要潤)らとともに、藩の世話にならずに生きていく道を探そうとする。龍馬たちは操船技術を生かすため蒸気船を手に入れようとイギリス商人のトーマス・グラバー(ティム)を訪ねる。惣之丞や陸奥陽之助(平岡祐太)が英語で交渉するが、グラバーは龍馬たちを信用せず、船は借りられなかった。そこで龍馬たちは花街である丸山の料亭・引田屋(ひけたや)に乗り込み、商人相手に船を借りようとする。その引田屋では、外国からの武器購入のために長崎に潜り込んでいた長州藩の高杉晋作(伊勢谷友介)や井上聞多(加藤虎ノ介)、伊藤俊輔(尾上寛之)が酒を飲んでいた。高杉の部屋では芸子のお元(蒼井優)が踊りを披露していた。そこへ龍馬たちが入り込んでくる。さらに、そこへ薩摩藩士たちが飛び込み…。

第30回「龍馬の秘策」

長崎滞在の龍馬(福山雅治)たちは、船を借りることも出来ずに途方に暮れていた。そこへ、土佐勤王党だった池内蔵太(桐谷健太)が訪ねて来る。池は高杉晋作(伊勢谷友介)とともに長崎に潜伏していたのだった。龍馬は池に連れられて高杉に会いにいく。そこには、引田屋で出会った伊藤俊輔(尾上寛之)と井上聞多(加藤虎ノ介)もいた。高杉は長州藩が幕府に従わず戦いぬく覚悟であると語る。龍馬が小曽根邸に戻ると、長次郎(大泉洋)がカステラ作りをして金を稼ごうと提案する。龍馬はカステラを長崎で売って良いかと長崎の豪商、大浦慶(余貴美子)や小曽根乾堂(本田博太郎)に相談する。大浦慶は龍馬たちに興味を覚え、カステラ作りに必要な金を貸す。そして、龍馬たちは偶然引田屋の芸子のお元(蒼井優)と町で出会う。お元は長崎奉行・朝比奈昌広(石橋凌)に情報を伝える隠密として働いているのだが、実はキリシタンだった。龍馬は西郷吉之助(高橋克実)に長州と手を結んではと提案する。朝敵である長州と結びつけば、薩摩も朝敵となるおそれもある。西郷が出す答えは…。

龍馬伝 第31回「西郷はまだか」

龍馬(福山雅治)は西郷吉之助(高橋克実)から、長州と手を結んでも良いという答えを引き出す。龍馬は高杉晋作(伊勢谷友介)に会うために、陸奥陽之助(平岡祐太)とともに太宰府に向け旅立つ。太宰府には、都を追われた三条実美(池内万作)ら攘夷派の公家たちが幽閉されていた。龍馬らが太宰府に着くと、すでに高杉は去ったあとだった。三条たちを警護していたのは、かつて土佐勤王党にいた中岡慎太郎(上川隆也)だった。龍馬は、薩摩と長州を結びつけ新しい世の中の仕組みを作りたいということを、三条と中岡に話す。中岡もまた龍馬と同じように長州と薩摩が手を組めば、幕府を上回る勢力になると考えていた。中岡は、下関に西郷を連れて行くと約束して薩摩に向かう。一方、龍馬と陸奥は下関に向かい、桂小五郎(谷原章介)に再会。龍馬は、桂に長州と薩摩が手を結ぶことが長州藩、そして日本を異国から守る最善の方法だと説く。龍馬の必死の説得により、桂は下関で西郷が来るのを待つことにする。一方、中岡もようやく西郷吉之助を連れて下関へと出発するが、西郷と中岡を乗せた船には、幕府の隠密が潜んでいた。

第32回「狙われた龍馬」

下関に来なかった西郷(高橋克実)を追って、京の薩摩藩邸にやってきた龍馬(福山雅治)と中岡慎太郎(上川隆也)は面会を断られ、龍馬は伏見の寺田屋へ向かう。そこで龍馬は新選組の近藤勇(原田泰造)がお龍(真木よう子)に酒の相手をさせているのを知り、危険を冒して近藤を泥酔させお龍を助ける。近藤は龍馬にとって、以蔵を追い、亀弥太を殺した憎き相手だったが刀を抜くことを思いとどまる。同じ時、千葉重太郎(渡辺いっけい)が、妹・佐那の思いのために龍馬を追って寺田屋を訪れていた。重太郎はお登勢(草刈民代)とお龍の会話から龍馬が日本を変えるという大きな仕事に邁進していることを知る。寝入っていた近藤が目をさまし、龍馬の正体に気づいて刀を抜くが、千葉道場の当主である重太郎が加勢するのを見てその場を去る。重太郎はお龍の龍馬への気持ちにも気づき、黙って江戸へと帰っていく。西郷と会い、西郷が幕府の隠密の存在で下関を通り過ぎたことを知った龍馬は、また険悪な関係に陥った薩長を再び結びつけるために、思いもかけない策を提案する。それは幕府の目が光っていて武器を購入できない長州のために、薩摩藩の名義で武器を購入するという奇策だった。

第33回「亀山社中の大仕事」

長州の船と武器を薩摩の名義で購入するという龍馬(福山雅治)の策に、桂小五郎(谷原章介)と高杉晋作(伊勢谷友介)は乗ることにする。長崎に戻った龍馬は、亀山社中の初仕事として意気込み、グラバー(ティム)に長州のための取引だと隠して薩摩の船購入の話をもちかけるが、交渉の場に薩摩の者がいないことにグラバーは疑念を抱き断る。西郷吉之助(高橋克実)は幕府を警戒して、この取引を龍馬たちだけで行わせたのだ。龍馬は正々堂々と頼もうとグラバー邸に乗り込み、この話が長州の払いであることを告げ、もうけ話をかぎつけたお慶(余貴美子)の口添えもあってグラバーは承諾する。  龍馬はお元(蒼井優)がグラバー邸でキリストの絵に十字をきる姿を見てしまう。龍馬はグラバーとの商談を長次郎(大泉洋)と惣之丞(要潤)に任せる。イギリスに留学していた長州の伊藤俊輔(尾上寛之)と井上聞多(加藤虎ノ介)やグラバーの話を聞くうちに、長次郎は自分もいつかイギリスに行きたいと思うようになるのだった。長次郎の活躍で商談はまとまったが、お元に知られてしまう。お元は龍馬に、自分がキリシタンであることを黙っておいてもらう代わりに、この商談を長崎奉行に伝えないという取引を持ちかける。

第34回「侍、長次郎」

ユニオン号を下関に運んだ龍馬(福山雅治)たちだったが、船の運航は亀山社中が行い、社中や薩摩藩が自由に使えるという約束を近藤長次郎(大泉洋)と井上聞多(加藤虎ノ介)がしていたことが問題になる。龍馬は薩長を結びつけることを優先しようと、船の管理は長州がすることで話をまとめる。長次郎は社中の生活費用を現実にやりくりしてきたので、社中が動かせる船を持ちたいと思ってしたことだった。失意の長次郎は長崎に戻るが、社中のメンバーに私欲に走ったと責められる。長次郎はグラバー(ティム)からイギリスへの密航、留学を勧められ、社中での居場所がないと思った長次郎は密航を決心。しかしその晩、海が荒れ船は出港できなかった。密航の情報が奉行所に入り、社中に調べが入る。龍馬は再び薩摩と向かい合う気になった桂(谷原章介)とともに西郷の待つ京へ向かおうとする。そんな龍馬に高杉晋作(伊勢谷友介)はピストルを贈る。長次郎が密航を企て奉行所に追われているという手紙を受け取った龍馬は桂を先に京へ向かわせ、長崎へ。しかし追い詰められた長次郎は・・・。

第35回「薩長同盟ぜよ」

桂小五郎改め木戸貫治(谷原章介)が護衛にとつけた槍の達人・三吉慎蔵(筧利夫)とともに京に向かう龍馬(福山雅治)は、大和屋に寄って徳(酒井若菜)に長次郎(大泉洋)の写真と遺書を渡す。京に着くと薩摩藩邸の周りに幕府方の隠密がいて、なかなか近付けない。一橋慶喜(田中哲司)が出兵しない薩摩に疑念を抱き不穏な動きはないか探っていたのだ。寺田屋に戻り、龍馬は慎蔵に薩長同盟にかける思いを話す。お龍(真木よう子)の自分への想いを知った龍馬は、命の危険を冒して日本を変える仕事に取り組んでいるから、もう会うことはないと告げる。一方、木戸は薩摩藩邸で、龍馬が来なければ話を始めないと交渉を拒否。西郷(高橋克実)は「なぜ龍馬なのか」と問う。木戸は龍馬こそ信じられる男だと答え、西郷も納得する。同じ頃、藩の命令で薩摩の動きを探ろうと京に来ていた弥太郎(香川照之)は龍馬と間違えられて新選組に捕えられ拷問を受けていた。お龍の働きで小松帯刀(滝藤賢一)邸に西郷と木戸が移ったことを知り、急ぎ向かう龍馬は、途中、新選組から放り出された弥太郎を救う。薩長を結びつける男として新選組や伏見奉行に追われ始めた龍馬だったが、ついに薩長の盟約を結ぶことに成功する。

第36回「寺田屋騒動」

薩長同盟を成し遂げ寺田屋に戻った龍馬(福山雅治)は、弥太郎(香川照之)に薩長が手を結んだこと、そして日本の仕組みが大きく変わり幕府の時代が終わりを告げるであろうこと、その中で弥太郎が何をすべきか考えろと告げる。弥太郎は驚きをもって土佐へ帰っていく。西郷(高橋克実)が密約を文書にしなかったことを危ぶむ木戸(谷原章介)が、それを文書化を主張。龍馬は証明の裏書きを書くまで、寺田屋に残ることになる。もう京へ戻ることはないという龍馬にお龍(真木よう子)は複雑な思いを抱き、龍馬もお龍が気になる。京都守護職・松平容保(長谷川朝晴)は薩長の裏に龍馬がいることを知り、伏見奉行に龍馬を捕らえよと命じる。捕り方が寺田屋を囲む。深夜、風呂に入っていたお龍が捕り方に気づき、風呂を飛び出して龍馬と三吉慎蔵(筧利夫)に知らせる。外に出されたお龍は薩摩藩邸へと走り、龍馬たちは捕り方と激闘。高杉(伊勢谷友介)から以前にもらったピストルで応戦するが左手を斬られ、慎蔵と寺田屋を飛び出る。しかし、龍馬はひどい出血で材木置き場で動けなくなり、慎蔵を伏見薩摩藩邸に行かせる。

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第37回「龍馬の妻」

寺田屋の襲撃で死の淵をさまよった龍馬(福山雅治)は、薩摩藩邸でお龍(真木よう子)の看病を受けてなんとか動けるようになる。不自由な右手で木戸(谷原章介)が送ってきた密約の文書に裏書きし、西郷(高橋克実)の勧めで安全な薩摩で療養することになる。龍馬はお龍に妻として一緒に行こうと言い、お龍はうなずく。長崎に立ち寄った2人。お龍は亀山社中の面々に紹介されたものの、龍馬はすぐ忙しく今後の相談を社中と始め、次は一人でグラバー邸に出かけてしまう。グラバー邸には海外へ密かに行こうとする高杉(伊勢谷友介)がいて、これから2人で一緒に面白いことをやろうと誓うが、実はこのとき高杉の体は病魔に蝕まれていた。引田屋で龍馬の結婚の祝いが開かれる。お元(蒼井優)は龍馬が結婚したことに驚き、また、そんな自分にとまどう。お龍はそんなお元の想いを気づいていた。お龍は龍馬に本当にこれでよかったのかと不安を打ち明ける。龍馬は、一度死にかけて、時がもうないと気が急いていると謝り、そして今、心の支えはお龍だと、生母・幸(草刈民代)からもらって肌身離さず付けていた「希(のぞみ)」の文字の入った首飾りをお龍に渡すのだった。

第38回「霧島の誓い」

龍馬(福山雅治)とお龍(真木よう子)は薩摩に向かい、温泉で療養することになる。そこで龍馬は霧島山に伝わる神話、ニニギノミコトが国を治めるためにこの山に降臨して、天逆鉾を頂上に突き刺したという話を聞き登ろうとする。女人禁制のこの山にお龍は男装し、龍馬と登る。頂上で、龍馬は逆鉾を引き抜き、一度失いかけた命を使って、生まれ変わった気持ちで日本を変えていく先頭に立つと誓う。長崎では内蔵太(桐谷健太)がお元(蒼井優)に求婚するが、内蔵太の乗った亀山社中の船・ワイルウェフ号は難破してしまい内蔵太は命を落とす。土佐では弥太郎(香川照之)が、象二郎(青木崇高)に、土佐藩が異国相手に商売をするのを手伝うように命じられ、ジョン万次郎(トータス松本)と象二郎とともに長崎に向かうことになる。一方、幕府による第二次長幕戦争が始まり、薩摩が直接出兵せず、高杉もイギリスに行かずに戦列に加わったことを聞いた龍馬。内蔵太の死にもショックを受け、悩んだ末、社中のメンバーとともに参戦を決意する。

第39回「馬関の奇跡」

下関に到着した龍馬(福山雅治)ら亀山社中は、長州軍に合流。高杉(伊勢谷友介)率いる武士ではない者たちを集めて結成した奇兵隊と交流し、こういう人たちのために新しい世の中を築かねばと確信する。しかし龍馬は高杉が労咳を病んでいることを知り、イギリス行きをやめてこの戦に挑む高杉の覚悟を感じるのだった。龍馬たちは海軍操練所仕込みの操船術で、夜半の奇襲作戦を行う。小倉に上陸した高杉と奇兵隊は幕府軍に大勝利。おりしも14代将軍・家茂(中村隼人)が死去したことで幕府は停戦に持ち込もうとする。このことで長州は一気に武力で幕府を倒そうという機運が大きくなるが、龍馬は木戸(谷原章介)に戦はこれきりにしてほしいと頼む。しかし、木戸はもはや武力討幕の道を選ぼうとしていた。一方、長崎にやってきた弥太郎(香川照之)は土佐商会を開き、溝渕(ピエール瀧)を呼び寄せて万次郎(トータス松本)を通訳にし、グラバー(ティム・ウェラード)や大浦慶(余貴美子)に樟脳を売ろうとするが、皆、土佐なら龍馬を通して商売の話をしてくれと言うばかり。とうとう弥太郎は象二郎(青木崇高)に龍馬に会ってくれと頼み、象二郎は激怒する。

第40回「清風亭の対決」

馬関での戦いを終え、龍馬(福山雅治)は長崎に戻るが、奉行所のお尋ね者になっていて出歩けない。一方、土佐商会の主任として長崎で商売をしたい弥太郎(香川照之)は、どこでも龍馬の紹介が必要と言われ、後藤象二郎(青木崇高)に言い出せない。そこへ時勢を見極めた土佐の山内容堂(近藤正臣)から「薩長と密かに繋がれ」との命が下る。小曽根乾堂(本田博太郎)やお慶(余貴美子)から、どうして龍馬に頼まないのかと言われた象二郎は、これまでの私怨をこえて龍馬に会うと決心。しかしうまくいかなかった場合は、龍馬を斬れという命令も出す。龍馬の居場所を探す弥太郎だったが、引田屋に龍馬が突然現れて「象二郎と会おう」と言う。龍馬は大政奉還のためには、徳川家を大事にする土佐藩を薩長側にひきこんで、武力討幕を止めるというもくろみがあった。清風亭で対決する2人。話の展開次第では斬りこもうと部屋の外で構える象二郎側の上士や社中の面々、そして弥太郎が見守る中、龍馬は象二郎に、徳川の世はもう終わること、徳川家を守るには大政奉還しかない、薩長と繋がるのならしっかり手を組む覚悟でなければだめで、土佐が新しい日本を作る要になるのだと説く。

第41回「さらば高杉晋作」

土佐藩と手を結び海援隊として龍馬(福山雅治)たちは再出発。新たな脱藩浪士が加わり、小曽根乾堂(本田博太郎)が用意した離れで土佐藩の庇護のもと、船を使って新たなビジネスを展開し、大政奉還を目指すという目標をかかげる。龍馬を追う長崎奉行・朝比奈(石橋凌)には、後藤象二郎(青木崇高)が、龍馬は土佐藩士であり詮議は無用と押し切る。しかし龍馬は身の危険を感じ、お龍(真木よう子)を三吉慎蔵(筧利夫)に預けるため下関へ向かう。そこでは高杉(伊勢谷友介)が死の床についていた。高杉と木戸(谷原章介)に会った龍馬は、土佐藩が大政奉還の策に乗ったことを伝え、長州も戦わずして幕府を倒そうと説得するが、木戸は納得しない。龍馬は高杉と身分など関係ない新しい国の形を語り合い、道半ばで命つきようとしている高杉の夢を引き継いでいく決心をする。長崎に戻ってきた龍馬を中岡(上川隆也)が訪ねてきた。そして自分は陸援隊を作り武力討幕を目指すと宣言する。一方、弥太郎は才覚を発揮し始めていた。いろは丸を大洲藩から借り受けることに成功。龍馬たちは海援隊の初仕事としていろは丸で大坂に向け出港する。そして高杉は下関で最期を迎えようとしていた。

第42回「いろは丸事件」

大坂に向かういろは丸は、夜の瀬戸内海で、紀州藩の船・明光丸と衝突し沈没する。龍馬(福山雅治)たち海援隊は、明光丸に乗り移って命は助かったが、鞆の浦で紀州は1000両の見舞い金で事を済ませようとした。龍馬は長崎で船と積み荷の賠償をかけて談判を始める。陸奥陽之助(平岡祐太)は、紀州藩の勘定奉行であった父が排斥されたことを打ち明け、この談判に勝ちたいと語る。土佐商会の命運をかけ弥太郎(香川照之)も加わり談判は始まる。明光丸に非があるにもかかわらず、御三家である大藩紀州は全く海援隊を相手にしない。龍馬はお元(蒼井優)に頼んで、長崎の街中に、紀州を揶揄する歌を流行させる。またこの談判は、幕府と土佐藩の戦いでありこの勝敗が日本の将来を決めると後藤象二郎(青木崇高)を説得。長崎の街での不評を知った紀州藩は次の談判に勘定奉行までが出てきて事を収めようとする。しかし龍馬は万国公法を持ち出して、外国船も行き交う今の日本の海で事故は世界の航海法で裁くべきと主張。象二郎がイギリス海軍提督を連れて現れ、談判はやり直し。紀州は83000両の賠償金を払うこととなる。

第43回「船中八策」

大政奉還論を山内容堂(近藤正臣)に提案するため、後藤象二郎(青木崇高)と京へ向かう龍馬(福山雅治)は、幕府を倒した後の道筋の案を書く。京では、四侯会議で十五代将軍・慶喜(田中哲司)に振り回された容堂が、怒って土佐へ帰ってしまう。海援隊の支部になる場所として酢屋を見つけた陸奥陽之助(平岡祐太)は、龍馬と向かうが新選組に見つかり斬り合いに。そこへ中岡(上川隆也)が助けに入り、相撲部屋へと龍馬たちを隠す。武力討幕を目指す中岡は、薩摩が象二郎に会いたがっていると伝える。西郷(高橋克実)らと顔を合わせた象二郎と龍馬は、容堂の許しを得ぬまま、土佐は大政奉還を目指していると言い、なぜか西郷は薩摩もともに大政奉還を目指していくと言う。驚く中岡。しかし、同席していた大久保利通(及川光博)は、大政奉還がならなかったら土佐も挙兵するかと聞き、象二郎はそれを約束する。西郷は長州と武力討幕で手を組み、土佐とも手を結び、どちらでも主導権を握れるように動いていた。その晩、酢屋で中岡に龍馬は船中で書いた草案を見せる。そこには民主主義の世の中を作ること、能力のある者は誰でも政に加わり、外国と対等な関係を結び、海軍の拡張を目指すことなどが書かれていた。

第44回「雨の逃亡者」

薩土盟約を受け後藤象二郎(青木崇高)は土佐に戻り、山内容堂(近藤正臣)に大政奉還論を説くが容堂は拒否する。土佐の挙兵のために必要な銃を仕入れるために長崎に戻った龍馬(福山雅治)だったが、白袴の武士がイカルス号という船のイギリス人水夫を殺した事件で海援隊に犯人の嫌疑がかかってしまう。イギリス公使・パークス(ジェフ・ワスティラー)は弥太郎(香川照之)に、犯人を引き渡さなければイギリス艦隊が土佐を攻撃すると脅す。奉行に追われる龍馬の代わりに惣之丞(要潤)が奉行所に連行され、隊士たちは真犯人を探し始める。一方、事件を目撃したお元(蒼井優)がそれを報告せず不審に思った奉行・朝比奈(石橋凌)が、お元の荷物を調べさせると、ロザリオが見つかる。キリシタンの弾圧を始める奉行。逃げるお元を龍馬と弥太郎は見つけ出す。海援隊は真犯人は福岡藩士で自害したことを探りだし、龍馬はパークスの元に乗り込んで犯人が海援隊ではなく別にいることを伝える。パークスは薩長を結びつけた龍馬のことを知っていて信じると言う。龍馬はお元をイギリスに連れて行ってくれと頼む。

第45回「龍馬の休日」

容堂(近藤正臣)に大政奉還の建白書を書かせるために、弥太郎(香川照之)が仕入れた一千丁の銃を携え長崎から土佐に向かった龍馬(福山雅治)は、途中、お龍(真木よう子)のいる下関に立ち寄る。土佐の坂本家では龍馬から、土佐に戻ることと、お龍と結婚したという報告の手紙が届き、大騒ぎになる。一方、弥太郎はイカルス号事件の責任を取らされて土佐商会の主任の座を追われ、自らの力で商売をしていくことを決心。薩長と幕府との戦争が始まり銃の値段が暴騰すると考え、銃を大量に仕入れる。龍馬は下関に着き、木戸(谷原章介)に会うと、薩摩の大久保利通(及川光博)が来ていた。二人は大政奉還で徳川家を残さず根絶やしにするべきだと主張。龍馬は己の道の厳しさを感じる。お龍は龍馬との久しぶりの再会に喜ぶが、三吉(筧利夫)や奇兵隊たちと飲みに出かけた龍馬は朝帰りしてしまい、お龍は激怒する。

第46回「土佐の大勝負」

土佐に着いた龍馬(福山雅治)は、象二郎(青木崇高)を通じて、容堂(近藤正臣)に直接会いたいと願い出るが、容堂は相手にしない。坂本家に久しぶりに戻った龍馬を、家族は温かく迎える。継母の伊與(松原智恵子)は亡くなり、姪の春猪(前田敦子)には子も生まれている。岩崎家の面々も加わり、宴会が始まる。一方、弥太郎(香川照之)は長崎で、時代の変化を感じた土佐商会の上士たち数名が仲間となり、藩とは別に自らの商売を始めていた。土佐では龍馬が持ってきた銃をめぐり、上士も下士も薩長に付くか、それとも徳川を守るかで大騒ぎに。容堂は、象二郎の説得で龍馬に会うことにする。龍馬は容堂に「下士が上士に虐げられる・・・この土佐の古い仕組みが憎い。大政奉還となれば、幕府も藩も、そして武士という身分もなくなるだろう。新しい世の中を作る魁となるべく、大政奉還の建白書を書いてほしい」と伝える。容堂は徳川家への恩を思いながら、涙ながらに建白書を書く決心をする。難事を成し遂げた龍馬は象二郎とがっちりと握手。「この大仕事を終えたら、お龍と土佐に戻ってくる」と乙女(寺島しのぶ)と約束し、京へ旅立つ。

第47回「大政奉還」

容堂(近藤正臣)の書いた大政奉還の建白書を受け取った将軍・慶喜(田中哲司)は動揺する。龍馬(福山雅治)は、慶喜に一番近い永井玄蕃頭(石橋蓮司)に直接会い、徳川家を存続するためにはこれしかないと説き、慶喜を説得してくれと頼む。弥太郎(香川照之)は、戦が始まり武器が高く売れるようになると銃を買い占めていたが、ふと龍馬なら大政奉還を成し遂げると思い立ち、方針転換して手持ちの銃を売りに転じる。永井に後押しされ、慶喜は二条城に諸藩を集め、大政奉還を問うが、どの藩も反対しない。時流を悟った慶喜は大政奉還を決意する。知らせを待つ龍馬のもとに、勝(武田鉄矢)が訪れる。幕臣である勝は、龍馬がなくそうとする幕府の人々の将来を憂うが、龍馬は皆が同じように自分の食いぶちを自分で稼ぐ世の中になると返す。そこへ大政奉還の知らせが舞い込み、新しい日本の夜明けに歓喜する龍馬。しかし、武力討幕を目指してきた薩摩や長州、幕府に忠誠を誓う新選組、そして揺るぎないはずだった権力を奪われた将軍、幕臣たちが、自分たちの道をことごとく邪魔をする龍馬の命を狙い始める。弥太郎は銃を売り抜けてもうけを得たが、龍馬と決別するために京へと向かう。

第48回「龍の魂」

龍の魂を成し遂げた龍馬(福山雅治)は追手から隠れるために近江屋に移り、新政府綱領八策を書き、各藩に送る。人々は「○○○を盟主とし」という文を見て、「○○○」が誰なのかを噂し合い翻弄される。龍馬は、新政府の人材を集めるために奔走していた。越前に松平春嶽(夏八木勲)を訪ね、経済に明るい三岡八郎(中川家礼二)を新政府に出してほしいと頼む。龍馬のおかげで稼いだ金を龍馬に渡そうと京へ来た弥太郎(香川照之)は、土佐藩邸にも入れない龍馬の立場を知る。近江屋を訪ねた弥太郎は、龍馬に「日本一の会社を作って、日本人を幸せにしろ。達者での」と言われ、これで最後のような発言に言いようのない不安を感じ始めた。一方、幕府という唯一の拠り所を失った見廻組は、その元凶とにらんだ龍馬を探していた。弥太郎も見廻組につかまり龍馬の居所を詰問される。龍馬の身に何か起こるのでは、と近江屋へと急行する弥太郎。「○○○」の真意をただしに近江屋を訪ねた中岡(上川隆也)。将来の夢を語りあう二人だったが、今井たち見廻組が近江屋を襲撃する・・・

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