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NHKドラマ「風よあらしよ」のあらすじ・再放送・見逃し動画配信は?

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プレミアムドラマ「風よあらしよ」

放送 2022年9月4日(日)午後10時スタート・全3回
   毎週日曜日 午後10時〜[BSプレミアム]

再放送 翌週水曜日 午後11時〜[BSプレミアム]

伊藤野枝。大正時代の女性解放運動家。100年前、筆一本の力で、結婚制度や社会道徳に真正面から異議を申し立てた。 あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに。 「原始、女性は太陽であった」と書いた平塚らいてうへの憧れ、第一の夫、ダダイスト・辻潤との暮らし、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い…。 自由を求めて奔放に生き、文筆家としてさらに開花しようとしたやさき理不尽な暴力がわずか28歳の彼女の命を奪うが、貧困・ジェンダー格差など、現代に通じる社会矛盾に果敢に立ち向かったその生涯は、閉塞感に満ちた現在を、今改めて、強烈に揺さぶっている。 吉川英治文学賞を受賞した村山由佳の評伝小説を原作に、向田邦子賞受賞の矢島弘一が脚本を担当、吉高由里子が主人公・伊藤野枝を演じ、自由を守ろうと懸命に生きた一人の女性の“炎”を描く。

  • 原作 村山由佳
  • 脚本 矢島弘一
  • 音楽 梶浦由記
  • 出演 吉高由里子、永山瑛太、松下奈緒、美波、玉置玲央、朝加真由美、山下容莉枝、山田真歩、栗田桃子、音尾琢真、石橋蓮司、稲垣吾郎 ほか
  • 制作統括 岡本幸江
  • 演出 柳川強

あらすじ

今から100年前の大正時代、平塚らいてうは「元始、女性は太陽だった」と宣言を出し、男尊女卑の風潮が色濃い世の中に反旗を翻した。喝采した女性達は社会に異を唱え始めた。
福岡の片田舎で育った伊藤野枝は、貧しい家を支える為の結婚を蹴り上京。自由を渇望し、溢れんばかりの情熱を武器にらいてうの青鞜社を支え、やがては時代の“若きアイコン”となっていく。
第一の夫、ダダイスト・辻潤との別れ、生涯のベターハーフとなる無政府主義者・大杉栄との出会い、波乱万丈の人生を更に開花させようとした矢先に関東大震災勃発。理不尽な暴力が彼女を襲う事となる…。

注目ポイント

[1]どんな弾圧にも屈しない主人公の強さ

「自らを曲げてまでへつらうのはまっぴらなのです」 貧困ゆえに望まない結婚を強いられた野枝は、力で屈服させようとする者たちに屈することなく、自らの手で人生を切り開こうと立ち上がります。

やがて、平塚らいてうが立ち上げた「青鞜社」で結婚制度や社会道徳に異議を申し立てる文章を精力的に発信し、頭角を現していく野枝。ところが政府の弾圧により危険と恐怖にさらされるなか、次々と社員が辞めていき、ついに、らいてうと野枝だけになってしまいます。どんな状況下でも、果敢に自分の意志を貫こうとする野枝の力強い姿から目が離せません。

[2]野枝が愛した2人の男性

物語のキーパーソンとなる2人の男性にも注目です。

まず1人目は、稲垣吾郎さん演じる野枝の最初のパートナー・辻潤。翻訳家・思想家の辻は、日本のダダイズム(既成概念を否定、破壊する芸術運動)の中心的人物で、教え子だった野枝の文才を見いだします。

そして、永山瑛太さん演じる2人目のパートナー・大杉 栄。無政府主義者の大杉は、自由恋愛を実践し刃傷沙汰になることも……。しかし、次第に野枝にとってかけがえのない同志となっていきます。

原作本『風よあらしよ』


『風よ あらしよ』(著者 村山由佳)

明治・大正を駆け抜けた、アナキストで婦人解放運動家の伊藤野枝。生涯で三人の男と〈結婚〉、七人の子を産み、関東大震災後に憲兵隊の甘粕正彦らの手により虐殺される――。その短くも熱情にあふれた人生が、野枝自身、そして二番目の夫でダダイストの辻潤、三番目の夫でかけがえのない同志・大杉栄、野枝を『青鞜』に招き入れた平塚らいてう、四角関係の果てに大杉を刺した神近市子らの眼差しを通して、鮮やかによみがえる。著者渾身の大作。

著者 村山由佳(むらやま・ゆか)

1964年東京都生まれ。立教大学文学部卒。会社勤務などを経て作家デビュー。1993年『天使の卵――エンジェルス・エッグ』で小説すばる新人賞、2003年『星々の舟』で直木賞、2009年『ダブル・ファンタジー』で中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、島清恋愛文学賞を受賞。

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主な登場人物・キャスト

伊藤野枝 吉高由里子

福岡の片田舎で育ち、貧しい家を支えるために押し付けられた結婚生活から逃げ出して上京。平塚らいてうの青鞜社に入り、結婚制度や貧困問題に真正面から立ち向かい、自由を求めて奔放に生きた女性解放運動家。

大杉栄 永山瑛太

日本を代表するアナキスト。自由恋愛を実践し、刃傷沙汰にもなるが次第に野枝とベストパートナーとなっていく。

辻潤 稲垣吾郎

翻訳家・思想家。日本のダダイズムの中心的人物。伊藤野枝の女学校の教師で、最初のパートナー。彼女の文才を見いだし、知の扉を開いた。

平塚らいてう 松下奈緒

日本初の女性による女性のための文芸誌「青鞜」を創刊。「原始、女性は太陽であった」という言葉は、日本の女性解放運動の幕開けを象徴する言葉となる。

渡辺政太郎 石橋蓮司

「大逆事件」の前から大杉栄らと行動を共にした社会主義者。山梨県の貧しい家の生まれ。孤児院で働くなどして社会の歪みに目を向け社会主義者となった。同志の世話養成に力を尽くす。

村木源次郎 玉置玲央

大杉栄の「近代思想」に共鳴し、大杉の死に至るまでいつも傍にいた。掃除洗濯台などの家事、子供の世話など何でもやり、「源にぃ」と親しまれた人物。

神近市子 美波

津田英学塾で学び、青鞜社に参加し、その後東京日日新聞の記者となる。大杉栄らの「仏蘭西文学研究会」に参加し、大杉と恋仲に。その後「葉山日陰茶屋事件」を起こすことに。

堀保子 山田真歩

婚家から出戻り、親戚の家で厄介になっていた時に大杉栄と出会い、結婚。しかし大杉には定収入がなく、保子が「家庭雑誌」の編集をして活動を支え、入獄を繰り返す大杉を物心両面から支えた。

甘粕正彦 音尾琢真

関東大震災当時、憲兵大尉。震災直後に大杉栄、伊藤野枝らを憲兵隊本部に連行し殺害した、いわゆる「甘粕事件」を引き起こす。

主演・吉高由里子さんのコメント

最初に台本を読んだとき、伊藤野枝の生涯があまりにも濃くて、体力を全部もっていかれるような感覚に陥りました。生命力に満ちあふれていた彼女は、女性解放のため自ら動き出し、決して黙って流されることなく一つ一つの問題に立ち向かって闘った人。監督からは「あんまり柔らかくならないでね、かわいらしくならないように」と言われました。

野枝の性格は、たぶん私と真逆ではないでしょうか。私には彼女のような強さはないので、あまり矢面に立って発言できないですし、自由を求めたくても、きっとそんなに闘わないんじゃないかなと思います。だから演じるのは本当に大変でしたが、彼女の思いを伝えるのが自分の使命だと思い、役に挑みました。最後にナレーションを録る段階では、「やっとここまできた」と安堵しましたね(笑)。

とはいえ現場の空気感はとても和やかで、共演者の皆さんに助けられました。稲垣吾郎さんは、女学生があこがれるような口数の少ないミステリアスな辻を演じられましたが、稲垣さん自身も静かで不思議なオーラがある人でしたね。また、野枝と一緒に闘うことになる大杉を演じる永山瑛太さんも、ことばに説得力があって、役柄と共通しているところがあるなと思いました。

野枝たちの活躍のおかげもあって、今はずいぶんと女性が生きやすく働きやすい時代になったし、女性は家の中にいるという考えは少なくなってきたと思います。これからもっと男女がお互いを尊重し合って共存する世の中になっていくといいですよね。

野枝は理不尽に命を奪われますが、みんなが心の中で思っていても口に出せなかった時代に、おじけづくことなく正しいことを主張していました。

1話でぜひご注目いただきたいのが、演説をするシーンです。とても長いせりふだったのですが、野枝の思いが明確に表現されている大切な場面なので、熱を込めて演じました。大きな覚悟とともに臨んだ撮影なので、野枝が命懸けで現代に残してくれた叫びから、何かを感じ取っていただければうれしいです。

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プレミアムドラマ「風よあらしよ」の再放送・見逃し動画配信は?

プレミアムドラマ「風よ あらしよ」の再放送は、翌週水曜日 午後11時〜BSプレミアムにて放送される予定です。一方、同番組の見逃し動画配信については、2024年1月6日より「NHKオンデマンド」や「ユーネクスト」で配信される予定です。

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NHKの見逃し番組を見る方法

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プレミアムドラマ「風よあらしよ」の各話のあらすじ

第1話 2022年9月4日(日)放送

今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝(吉高由里子)は、東京の女学校へ入学し、教師の辻(稲垣吾郎)から「青踏」の存在を教わり心を掴まれる。貧しい家を支える為の結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導く。溢れんばかりの情熱を持った野枝は平塚らいてう(松下奈緒)の青鞜社の門をたたき、時代の若きアイコンとなる。

<補足>

野枝は民衆の前で堂々と女性の地位向上を訴えるようになる。一方、政府による青鞜社への取締りは厳しくなり、社員たちは離散していく。さらに、野枝と夫の関係がぎくしゃくし始める。そんな時、野枝はアナキストの大杉栄と出会う。

第2話 2022年9月11日(日)放送

「青踏」を通して次々と世の中の不平等を訴えていく野枝。しかし、世間の風当たりは厳しく、ついにはらいてう自身が隠居をしてしまう。らいてうから青踏を引き継いだ野枝であったが、辻との関係も次第に亀裂が生じ、青踏も廃刊となる。野枝に逆風が吹く中、時代の風雲児でアナキストの大杉栄(永山瑛太)に出会う。野枝は辻との別れを選び、大杉のもとへと駆け寄るが、待ち受けていたのは自由恋愛という名の四角関係であった。

<補足>

野枝が辻と別れる決断をしたきっかけになったのが、渡辺から足尾銅山による公害問題に苦しめられている農家の人々の話を聞いた時の辻の冷酷な反応だった。野枝は自由恋愛を主張する大杉とも度々ぶつかるが、それでも大杉に惹かれていく。それは、まさに大きな壁に立ち向かう同志そのものだった。

第3話(最終話) 2022年9月18日(日)放送

自由を強く求める野枝と大杉は、“同志”として人生をともに歩む覚悟を決める。そして、平等で公正な社会を作ろうと、“言葉”を武器に理不尽な権力に立ち向かっていくのであった。波乱万丈の人生を更に開花させようとした矢先、関東大震災が勃発。世の中はますます混乱に陥り、野枝や大杉たち無政府主義者にも疑いの目が向けられ…そして、理不尽な暴力が彼女たちを襲ってしまう。

<補足>

関東大震災後の混乱のなかで、朝鮮人が放火・暴動を起こそうとしている…といったデマが広がり、デマを信じた市民による自警団や軍隊が朝鮮人や中国人を殺傷した。社会主義者や無政府主義者への監視も強まっていく。あるとき、大杉と野枝は憲兵隊に拉致される。朝鮮人を煽動して国民を混乱に陥れたと疑われて…。反論した二人は虐殺された。

伊藤野枝さんのプロフィール

1895~1923年。作家、婦人解放運動家。福岡県生まれ。14歳で上野高等女学校に編入学。卒業後、郷里の婚家先を出奔、恩師の辻潤(後にダダイストとして有名に)と一緒になる。雑誌『青鞜』に参加し、評論・小説・翻訳を発表。20歳で編集長になる。記事を通して無政府主義者の大杉栄と結ばれる。日本が軍国主義にひた走る中、自由を求めて闘うが、関東大震災直後、憲兵隊に虐殺された。

〜詳細〜

伊藤野枝は、1895(明治28)年、九州の今宿村(現・福岡市)の貧しい家に、7人兄弟の3番目に誕生しました。そして、高等小学校卒業後、村の郵便局で働き始めます。しかし、〝ここから抜け出し、東京で勉強したい〟と、向上心旺盛な野枝は切に願うように。そこで頼ったのが、東京にいる裕福な叔父でした。「必ず何倍にもご恩返しします」と、何通もの手紙を送りつけます。ついに根負けした叔父は、野枝の上京を許可。猛勉強の末、野枝は上野高等女学校(現・上野学園)の4年に飛び級で編入学。そこで、博学で文学にも詳しい英語教師の辻潤と親しくなっていきます。

その頃、故郷では野枝の縁談がまとまっていました。卒業後、福岡の婚家へ入った野枝は、数日で逃げ出し、辻のもとに飛び込みます。この事件で辻は退職。無職となった辻は、10歳年下の野枝にありったけの知識を授けることに熱意を傾けます。『青鞜』を教えたのも辻でした。そうして野枝は、『青鞜』編集部を訪ね、らいてうに採用されたのです。やがて、多くの記事を書くようになった野枝は、20歳で『青鞜』を引き継ぎます。そして、様々な社会の矛盾や問題に目を見開いていきます。

辻と正式に結婚して二児も授かりますが、語り合うべき辻は世間に冷めた眼差しを向けるだけ…。夫に失望する野枝の前に現れたのが、行動的で魅力的な無政府主義者・大杉栄でした。野枝は夫と子供を捨て、大杉のもとに奔ります。

その大杉は「フリーラブ」を提唱し、妻の保子の他に、愛人の新聞記者神近市子、そこに野枝が加わり四角関係に。しかし、嫉妬にかられた神近が、1916(大正5)年11月9日、神奈川県葉山の旅館日蔭茶屋で、大杉に切り付けたのです。事件後、保子は離縁、神近は入獄。恋の勝利者となったのは21歳の野枝でした。その野枝に、世間の非難が集中。しかし、野枝はひるみませんでした。『青鞜』は廃刊となり、野枝は大杉と共に、個人の自由を得るために権力と闘うのです。そのため二人は、当局に危険視され、尾行が開始されます。

1923年8月初め、大杉との共訳でファーブルの『科学の不思議』を刊行し、辻との長男一に届けます。9日には、大杉との5番目の子、ネストルを出産。そして、9月1日関東大震災が発生。混乱が続く16日、大杉と野枝、甥の6歳の橘宗一は外出先で憲兵隊に拉致され、その日のうちに3人とも虐殺されました。

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