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漫画の神様・手塚治虫。その創作の原点は戦火の中にあった!
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特集ドラマ「手塚治虫の戦争」
放送 2026年8月12日(水)午後10時~11時13分[NHK総合]
漫画の神様・手塚治虫。その創作の原点は戦火の中にあった。
1970年代の東京、漫画家としてどん底にあった手塚治虫は、自身の戦争体験をもとにした漫画『紙の砦』を描き始める。少年誌の連載は打ち切られ、会社も倒産――すべてを失いかけたその時、なぜ手塚は“戦争”を描こうとしたのか。
執筆に挑む1970年代の手塚治虫と、戦時下を生きる彼の分身・大寒鉄郎。漫画を描くことに生を見出した二人の物語が、時代を越えて重なり合う。
- 原作 手塚治虫『紙の砦』『ゴッドファーザーの息子』
- 作 桑原亮子
- 音楽 原摩利彦
- 漫画考証 三浦みつる
- 漫画指導 つのがい
- 出演 高良健吾 原田琥之佑 野内まる 久野渚夏 山田健人 岡崎体育 田中哲司 ほか
- 制作統括 福岡利武
- プロデューサー 田島彰洋
- 演出 鈴木航
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あらすじ
1973年、東京。漫画の神様・手塚治虫は、会社の倒産と少年誌の連載打ち切りによって一転、どん底へと転落する。多額の借金と世間の「終わった」という評価に追い詰められ、創作への自信すら失いかけていた。そんな手塚の脳裏によみがえるのは、戦時中――漫画を描くことすら許されなかった少年時代の姿だった。
1945年、大阪。中学生の大寒(おおさむ)鉄郎(てつろう)は、軍事訓練と統制に縛られた日常の中で、ただ一人、漫画を描くことに心を燃やしていた。教師や同級生から「非国民」と蔑まれ、原稿を奪われてもなお、鉄郎の手が止まることはない。“漫画家になる”という夢に向かってまっすぐに生きる鉄郎。ふとしたきっかけで彼の漫画に触れた同級生・明石健司や女学生・岡本京子との出会いは、鉄郎の日常に小さな変化をもたらしていく。仲間との青春の日々の中、近づく戦火の足音は、かけがえのない日常をゆっくりと浸食していく――。
過去の記憶に触れながらも、それを描くべきか迷い続ける、手塚。戦争を描くことの意味、そして今の自分に何が描けるのか。交錯する二つの時代の中で、手塚の本能が目を覚ます。
見どころ
1970年代の東京、漫画家としてどん底にあった手塚治虫は、自身の戦争体験をもとにした漫画『紙の砦』を描き始めます。少年誌の連載は打ち切られ、会社も倒産──すべてを失いかけたそのとき、なぜ手塚は“戦争”を描こうとしたのでしょうか。執筆に挑む1970年代の手塚治虫と、戦時下を生きる彼の分身・大寒鉄郎。漫画を描くことに生を見出した2人の物語が、時代を越えて重なり合います。
ドラマの企画・演出を手がけた鈴木 航監督に見どころを聞きました。
原作は手塚治虫さんの『紙の砦』と『ゴッドファーザーの息子』。演出としてこの制作に携わった思いから聞かせてください。
私はもともと手塚治虫さんのファンで、中でも、学生のころに読んだ『紙の砦』はずっと心に引っかかっていました。『紙の砦』は、フィクションではありますが手塚さんご本人がモデルになっている自伝的短編漫画です。自分がドラマの仕事をするようになり、手塚作品にふれられるならば手塚治虫さん自身をドラマにしたいと思っていたので、その願いがかなった形になりました。
(これらの原作をもとに)特集ドラマ『手塚治虫の戦争』は、時代の異なるふたつの世界を描いています。ひとつは、漫画家として苦境にあった1970年代の手塚さんの世界、もうひとつは、1940年代の戦時下を過ごす子ども時代の手塚さんの分身「大寒鉄郎」が主人公である世界です。時代も登場人物も異なるふたつの世界を描くので、撮影の規模も大きくなるし、ストーリーをまとめ上げる点ではかなり苦労しました。スタッフもキャストもふたつ分になるため、労力はかかりましたね。
その2つの世界のそれぞれの主人公が、手塚治虫さん役の高良健吾さんと、「大寒鉄郎」役の原田琥之佑さん。おふたりの起用理由と撮影中のエピソードをお聞かせください。
まず手塚治虫さんのビジュアルは、だいたいの人が思い浮かべられますよね。なので、この役を担っていただく方をどなたにお願いしようかというのはすごく悩みました。漫画家となった成年時代の手塚治虫も、ティーンエイジャーの手塚さんがモデルの「大寒鉄郎」も、どちらも純粋で、ものづくりにまっすぐな人です。さらに、清潔感が失われない育ちの良さと上品さも持ち合わせている。そんな人物を描きたいと思っていた時、高良健吾さんの名前が挙がりました。
高良さんとは以前ほかの作品でもご一緒しましたが、いい意味で時代から少し浮いているような存在感のある方だと私は感じています。だからこそ偉人を演じる際にも指名がかかるのかなと思うんですけど。手塚治虫役を高良さんに演じていただけたことは、監督冥利(みょうり)に尽きる思いです。
一方で、もうひとつの世界の主人公「大寒鉄郎」は、16歳の少年です。高良さんとの年齢差はリアルにした方がいいだろうと、10代の役者の方を探しました。結果、演じていただいた原田琥之佑さんも高良さんと同じく浮遊感を感じさせる方で、演技力だけでは表現できないような、“子どもと大人のまさに中間”くらいの抜け感のある方という印象を受けて、お会いしてすぐに決めました。
撮影中は二人とディスカッションしながら、1シーンごと丁寧に撮影していきました。おふたりとも、ちゃんとその役を生きてくれたと思います。中でも特にこだわったのは、手塚さんのしぐさや癖です。こうした部分は、漫画家の三浦みつるさんに漫画考証をしていただきながら反映させていきました。三浦さんはかつて、手塚治虫さんのアシスタントもされていた方なので、手塚さんにまつわるいろいろなお話も伺うことができました。
劇中には『ブラック・ジャック』の原稿にペン入れをするシーンも登場しますが、あれはどなたが描いているのですか?
あのシーンは、吹き替えでなく高良さんに描いてもらっています。厳しければ吹き替えも考えていたのですが、高良さんが一生懸命練習してくださったおかげで見事に描いていただけたので、そのままご本人の手元を使わせていただきました。
漫画家・手塚治虫の世界では1970年代が舞台でしたが、一方の大寒鉄郎の物語は第二次世界大戦中です。戦時下を描くにあたっては、どんなことを心掛けましたか。
この作品は、当時の人の気持ちを現代の私たちの物差しで演じさせてはいけないと思っていました。つまり、今の私たちの「戦争反対」「戦争はよくない」という尺度や価値観だけでは描かないよう細心の注意を払いました。あの時代、国民の多くが戦争賛成、戦争協力にまい進していた中で、鉄郎は友達の出征を送り出し、空襲にも見舞われます。そんなとき、16歳の少年はどんな反応をするだろうかと一生懸命想像しながらドラマに落とし込んでいきました。
また空襲シーンもこだわっていまして、参考にしたのは大阪空襲を体験した方たちの描いた絵です。印象的だったのは、B29爆撃機が空いっぱい覆っていた絵でした。実際には、空襲は数機のグループごとに周期的に行われていたそうなので、何十機ものB29が空一面を覆い尽くす光景にはならないはずなのですが、その方の絵には、ご本人がそのときに感じた恐怖や驚きの感情も加味されていたのだと思います。
その絵を参考に、劇中の空襲シーンは、当時の人々が受けた印象を大事にして描きました。人間の感覚に強く刻まれた印象や、トラウマともいえる記憶の断片を映像化していくことが“感覚面のリアリティー”を描くうえでは有効なのではと思ったからです。
最後に、この作品を通して、今の視聴者の皆さんにどんなことを感じてほしいかお聞かせください。
手塚さん自身も、SFの形を借りるなどして、人と人との争いをずっと漫画に描き続けてきましたよね。大きくいうと、手塚さんにとって「戦争」は作品に通底するテーマだったのではないかと思います。ですから、戦争が起きたらどういうことが起きて、人がこういうふうになるんだということを描き続け、漫画を読む未来の子どもたちに思考してもらうための材料を渡し続けていたような気がしています。
NHKも毎年いろいろな切り口で戦争にまつわる番組を放送し続けていますが、この積み重ねにも意味はあると思っています。若い世代に向けて、これは忘れてはいけないことなんだよと。
そんな思いを伝えるため、今回は「手塚治虫さんと、その漫画作品をドラマ化」という、ある種キャッチーな入り口を用意しました。81年前の戦争は、もちろん私も体験していないですし、近年起こっている戦争や紛争よりも遠い感覚だと思います。どんな入り口だったら「自分ごと」として感じてもらえるだろうかと考えて作ったドラマなので、何かひとつでも引っかかったり、考える糸口になってくれるといいなと思っています。自分と同じ16歳の少年、または16歳だったころのご自身と重ね、思い出して見ていただけたらうれしいです。
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関係者のコメント
作 桑原亮子
ベレー帽をかぶってニコニコしている、漫画の神様――皆さんが『手塚治虫』と聞いて思い浮かべるのは、このような像ではないでしょうか。
けれどもこのドラマは、そんなイメージの奥の、生身の人間・手塚治虫を追いかけます。人知れず悩み、苦しみながら、それでも生涯をかけて漫画で子どもたちを楽しませたいと願った人。その彼が、自身の戦争体験を元に凄絶(せいぜつ)な漫画を描きました。そこに込められた、時を超えたメッセージを感じ取っていただけると幸いです。
企画・演出 鈴木航
手塚治虫さんの『紙の砦』という短編を知ったのは20年以上前のことです。忘れられない印象的なタイトル、漫画が大好きな少年が見た戦争、それが手塚節のユーモアで描かれますが、ユーモアで包み切れない痛切さが胸に刺さりました。戦争の中でも漫画を描くことを手放さない少年の姿は、決して遠い時代の話ではなく、巨大な暴力の中で私たち一人一人がどうやって正気を保つのか、心に”砦”を築くのかという問いを突きつけてきます。
手塚治虫さんが漫画家人生の苦境の時期に、あえてこの特別な作品を描いたことにも、私は強い意思を感じます。ご本人にとっても描かなければならなかったテーマなのではないでしょうか。
このドラマは『紙の砦』の執筆に挑む手塚治虫さんの姿と、手塚さんが戦時中の少年少女たちの物語を通じて、描き残したメッセージに迫ります。すばらしい脚本を手に、魅力的なキャストの皆さんと「手塚治虫」という高い山に挑めることをうれしく思います。今も戦争が止むことのない世の中ですが、そんな時だからこそ、多くの方にこのドラマが届くよう力を尽くします。
プロデューサー 田島彰洋
戦後81年。時代がどれだけ進んでも、世界から戦争はなくなっていません。手塚治虫先生が『紙の砦』を描いたのも、遠い国で戦火が続いていた時代でした。
少年時代、大阪で空襲に遭い、その光景を「これは漫画だと思った」と語った言葉に、私は強い衝撃を受けました。現実があまりにも過酷なとき、人はそれを物語として受け止めるしかないのかもしれません。
二度と同じ光景を繰り返してはならない――。子どもたちが大人になったとき、自らの意思で戦争を拒むことができるように。その思いを胸に、手塚先生は漫画を通して戦争と向き合い続けました。
その願いは、終戦ドラマという形でこの作品に向き合う私たちにも重なっています。このドラマが多くの方に届き、戦争が奪ってしまうかけがえのない日常の尊さに、少しでも思いを巡らせるきっかけとなれば幸いです。
手塚治虫 役 高良健吾
このドラマでは、手塚治虫先生の「虫プロ」が倒産する、不遇の時代も描かれます。その時代の手塚さんの苦しみは、愛するものを突き詰めるがゆえに生まれてくる苦しみで、その苦しみを乗り越える原動力もまた、自分が愛する漫画への信念や、闘争心だと思うんです。それを僕はドラマの中で演じ切りたいですし、皆さんが知らない手塚治虫先生の一面を描けたらと思っています。
僕自身もこの作品に携わることで見えてくる、手塚先生のいろんな面にとてもひかれています。役を演じる上で、当時の手塚先生の仕事ぶりと自分を重ねたときに、手塚先生は「漫画の神様」や「天才」と言われていますが、その言葉でまとめてはいけないのではないか、と思うんです。何かと闘う心、常に自分に向いている戦い方に尋常じゃない強さがあって、「これだけできる人っているか?」と僕は感じるんです。手塚先生は手塚治虫先生以外に、誰にも真似できないことをやり続けてきた方なんだと思います。
皆さんにとっても面白いドラマになると思いますので、楽しみにしていてください。
主な登場人物・キャスト
手塚治虫 高良 健吾
『鉄腕アトム』、『ジャングル大帝』、『リボンの騎士』、『火の鳥』――数々の名作を生み出してきた稀代の漫画家。漫画家生活30年。その名はすでに伝説となりつつあった。……のだが、漫画家人生最大のピンチに直面していた。
大寒鉄郎 原田 琥之佑
手塚治虫が描き始める漫画『紙の砦』の主人公。漫画を描くことに夢中な16歳の少年。いつ戦火に巻き込まれるかもわからない時代の中で、それでも漫画に向かい続ける。
葛西健蔵 田中 哲司
大阪でベビー用品を扱う葛西株式会社の社長。経営者であり、漫画にも興味がなく、手塚とは別世界で生きてきた。しかし、仕事がきっかけで意気投合。純粋に創作に打ち込む手塚の姿に、人として深い敬意を抱いている。
岡本京子 野内 まる
宝塚音楽舞踊学校に通う女学生。舞台に立つ夢を抱きながらも、戦争によってその日常を奪われる。戦時下でも漫画を諦めず描き続ける鉄郎と出会い、忘れかけていた夢を思い出していく。
明石健司 久野 渚夏
鉄郎が通う南野中学校の番長。腕っぷしの強さで生徒たちに恐れられるが、実は大の漫画好き。鉄郎の描く漫画に魅せられ、その才能を誰よりも信じる親友となる。
三井明 山田 健人
鉄郎の同級生。真面目な軍国少年で、漫画ばかり描いている鉄郎を快く思っていない。しかし、ある出来事をきっかけに、鉄郎や明石との距離を少しずつ縮めていく。
黒川拓二 岡崎 体育
漫画雑誌『少年キング』の編集者。手塚治虫の才能に心酔し、その背中を追い続けてきた。世間が「手塚は終わった」とささやく中でも、その才能を信じ続ける。
伊丹邦夫 長村 航希
創作活動に大忙しな手塚治虫を支える若いマネージャー。おおらかな人柄で、編集者やアシスタント、そして手塚を優しくつなぐ縁の下の力持ち。
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特集ドラマ「手塚治虫の戦争」の再放送・見逃し動画配信は?
特集ドラマ「手塚治虫の戦争」の再放送については、現在のところ未定です。でも、安心してください。このドラマの見逃し動画は、「NHKオンデマンド」や「ユーネクスト」で配信される予定です。
漫画の神様・手塚治虫。その創作の原点は戦火の中にあった!
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なお、NHKの見逃した番組を見る方法は、コチラの記事をご参照ください。
(注)なお、本ページに記載しているユーネクストの情報は2026年8月時点のものです。 最新の配信状況はU-NEXTサイトにてご確認ください。
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