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目次
プレミアムドラマ「定年女子」
初回放送 2017年7月9日(日)スタート・全8回
毎週日曜日 午後10時〜[BSプレミアム]
アンコール放送 2021年5月2日(日)スタート・全8回
毎週日曜日 午後10時〜[BSプレミアム]
深山麻子、53歳。大手商社の部長を務め、仕事も順調、さらなるキャリアアップも、と思っていたところ、急に配置転換の辞令が降りた。しかし新しい職場では邪魔者扱い。「今までの私のキャリアってなんだったの!」意を決して会社を辞めるが、結婚したばかりの娘は出産で出戻り、元夫の母がいまだに何かと懐いてくる。果てはなぜか彼女の介護まで降りかかり、仕事を選ぶぜいたくは言っていられない状況に。そしてなりふり構わずいろいろな仕事をやり七転八倒するうちに、しだいに今自分がこの社会に対してやらなければいけないことに気づいていく。現代の女性のセカンドライフをリアルな視点とユーモアで描く、恋あり笑いあり涙ありのハートウォーミングドラマ。
- 脚本 田渕久美子
- 原案 岸本裕紀子
- 音楽 羽深由理
- 出演 南果歩 山口祐一郎 草刈民代 清水ミチコ 石野真子 町田啓太 山下リオ 高野志穂 菊池桃子 藤真利子 寺脇康文 草笛光子 ほか
- 語り 森山良子
- 主題歌 竹内まりや「もう一度」
- 制作統括 出水有三(NHK) 中尾幸男(テレパック)
- 演出 塚本連平 猪原達三
スタッフのコメント
脚本・田渕久美子さん
『定年女子』は、私の脚本家人生で初めて、「書き終えるのがもったいない」と思わせてくれた作品です。主人公・麻子をはじめとする登場人物たちが、私の中でイキイキ動き、物語を紡ぐ力をくれました。全国の定年女子の皆さんに、また、すべての女性視聴者の方たちに幸せをお届けすることができる、そう確信したドラマでもありました。女性の笑顔の花をひとつでも多く咲かせることができたら、作者として、これほど嬉しいことはありません。
原案・岸本裕紀子さん
女性にとって定年は、リタイアの淋しさと折り合っていく、人生の黄昏みたいなものではありません。その後の仕事のことや、親の介護、子供の結婚などいろいろ抱えながらも、前向きに、現役として、人生の再構築に向かっていく感じがします。そのパワフルな姿が、NHKのBSプレミアムのドラマ『定年女子』になります。脚本、出演者など多くの女性が華やかに集結。すごく楽しみです。
演出・塚本連平さん
日曜夜10時、また明日から一週間が始まるのかと重い気分の時こそ、このドラマです。辛い事やきつい事が合っても前を向いて歩いて行こう、そんな気分になれるドラマです。登場人物達がシビアな現実の中でジタバタドタバタしている姿に、大笑いしながらも共感していただけたら幸いです。田渕さんの楽しい脚本、出演者全員の生き生きとした演技、定年に関係ある人もない人も是非お楽しみください。
制作統括・中尾幸男 (テレパック)さん
「定年女子」、この目新しい4文字に強いインパクトを受けたのが制作作業の始まりでした。日本でも女性の社会進出が本格化して久しいものがありますが、女子力の活用ということでは諸外国に比べまだまだ低位とのデータもあります。主人公、深山麻子(南果歩)は突然定年退職を言い渡され、勢い人生の第二ステージ探しにチャレンジします。にげず、めげず、あきらめず。脚本の名手、田渕久美子さんの筆により、軽妙なタッチの働く女性への応援歌が出来上がりました!
制作統括・出水有三 (NHK)さん
「男の人って、すぐそういう風に考えるのよね」打合せでの田渕久美子さんの言葉。まだ耳に残っています。はい、すいません。堅苦しい考え方をしていました。定年、介護、子育て。このドラマには重い言葉が続きます。しかし田渕さんが描く登場人物のセリフは軽やかに宙に舞い上がり、地べたではいつくばっていた私まで空にいざない、違う風景を見せてくれました。今知らなきゃいけないこと、今やらなきゃいけないこと・・・。そんなこんなを田渕さんの絶妙な語り口で楽しめるドラマです。
「定年女子」オリジナル・サウンドトラック
NHK プレミアムドラマ「定年女子」オリジナル・サウンドトラック
NHK プレミアムドラマ 定年女子 オリジナル・サウンドトラック [ 羽深由理 ]
主な登場人物・キャスト
深山麻子(53)…南果歩
角倉商事CSR部・部長。仕事は順調だったが、役職定年を言い渡され、会社を辞めることに。しかし根っからの仕事人間でもある麻子は、退屈でたまらず、腰を上げて仕事探しを始める。ハローワーク、葬儀社など、人の人生に関わる仕事に就き、プライベートでは娘の結婚・出産を経て、誰かの「助け」になりたいと思い、介護・育児の新規事業を立ち上げる!?明るいが、キッパリした性格。頭が固いと娘に言われる。
藤原丈太郎(58)…山口祐一郎
大手広告代理店「新光エージェンシー」勤務。ドラマ中盤で妻が突然亡くなり、仕事も失う。麻子とは、会うと口げんかになるものの、妙に気が合うところもあり、いつしか互いを支え合う関係に。
黒田時子(53)…草刈民代
麻子の大学時代の友人。クールな毒舌家で、仕事もできるが、恋愛は数知れず。航空会社のキャビンアテンダントをしていたが、「目の下のクマが消えない」という理由で突然退職を決める。
小川多江(53)…清水ミチコ
麻子の大学時代の友人。独身。子供なし。生真面目な性格。小学校の教頭先生をしていて、現在、校長になる試験の真っ最中。実母の介護をしながら仕事を続けているが、その大変さを外には漏らさない。
寺内真紀(53)…石野真子
麻子の大学時代の友人。建設会社で経理の仕事をしていて、お金には厳しい。社会人2年目と、大学3年生の息子を持つ。夫とはとりあえずはうまくいっているが、やがて定年を迎えてジタバタする夫にへきえきする。
溝口洋介(30)…町田啓太
角倉商事・食品事業部係長。年の差を超えて、麻子にひかれる。その若さとまっすぐさから、「女としては終わった」と思っている麻子を大きく揺さぶる存在に。
深山葵(27)…山下リオ
麻子の娘。できちゃった婚で結婚するも、夫に浮気される。母と同じ道は歩かないと宣言していたが、まるでその通りに。結婚し、出産を経て「育児ノイローゼ」に陥るも、必死に踏ん張る。
星野千鶴(38)…高野志穂
冷静沈着な性格。麻子が役職定年となり、後任としてCSR部部長に抜てきされる。初めは麻子と対立していたが、自分がいざ仕事を引き継いだ時に麻子のすごさを知ることになる。
竹下由美(50)…菊池桃子
専業主婦。葵の親友の母親。つきあいは長く、夫に寄りかかる生き方に、麻子は「甘い」とバカにしていたが、やがて、その情報量の豊かさに、麻子の友人たちからも頼られる存在に!?
林田克子(61)…藤真利子
麻子のかつての上司。現在は再雇用制度にのっとって、総務部で週3日のみ働いている。なにかを始めるには遅いと感じていて、来たるべき定年に向けて準備不足であったことを悔やんでいる。
深山聡(55)…寺脇康文
麻子の元夫。海外に行って家具の買い付けをする仕事をしている。離婚の際、慰謝料・養育費を払おうとしたが麻子にはねつけられる。会うと小言ばかり言われるつらい立場だが、なぜかちょくちょく麻子の家にやって来る。
深山登美子(78)…草笛光子
麻子の元しゅうとめ。夫とは20年前に死別。根っからのお姫様体質でやたらと明るく、それに押され麻子は言いたい事が中々言えない。ドラマの中盤以降、老人性骨折をし、麻子に面倒をみてもらうことに。
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各話のあらすじ
第1話 2021.5.2放送(初回放送2017.7.9)
大手商社CSR部で部長を務める深山麻子(南 果歩)、53歳。仕事は順調だったが、突然役職定年を言い渡される。次の異動先は食品事業部だと宣告され、納得がいかない麻子。旧友たちとの女子会で泥酔して男性客にからむ。31年間勤め上げた今までのキャリアは何だったのか!ショックを受ける間も無く、元夫の聡(寺脇康文)と姑・登美子(草笛光子)が家にやって来てはマイペースに大騒ぎ。食品事業部で心機一転頑張ることを決めた麻子は、溝口洋介(町田啓太)と出会う。50代定年女性の未来は果たして…。
<感想>
私もかつてはサラリーマンを30年近く経験しましたが、その経験上、人事発令には会社のメッセージが込められているものだと思います。サラリーマンである以上、辞令に従わざるを得ませんが、嫌なら会社を辞めればいいだけのこと。結局のところ、会社にぶら下がって定年まで勤めあげるか、転職するかという選択に迫られ、「自分は残りの人生で何をしたいのか?」ということを考え続ける人生が始まるのです。その問いに答えが見つかればラッキーだし、答えが見つからないまま一生を終える人もきっと少なくないだろうと思います。
私も、現在は主人公と同じ50代です。今や人生50年時代と言われていますから、人生の折り返し地点にいるわけです。まだまだ長い人生ですから「これからの人生をどう生きるか…」悩む価値は十分あると思います。悩み、試行錯誤して遠回りすることもまた、楽しみたいものですね。
第2話 2021.5.9放送(初回放送2017.7.16)
食品事業部アドバイザーとなった麻子は何とか自分の存在意義を確認しようと新たな仕事に前のめりに挑戦するが失敗ばかり。そんな折、社内で企画公募があり、自信満々に名乗りをあげるも落選。同僚達がその「空回りっぷり」に陰口を叩くのを聞いてしまう。さらに、大学の友人でキャビンアテンダントの時子(草刈民代)が自ら退職願を出したことに衝撃を受け…。
<感想>
自分が組織の「お荷物」になっていると感じた時、人は潮時だと気付くものですね。私が会社を辞めたのもそう感じた時でした。自分ではお荷物になるまいと必死にもがいてもがいて…それでも成果が出ず、敗北感に打ちのめされて…。でも、会社を辞めた時は、意外に晴れ晴れとした気持ちだったように記憶しています。
第3話 2021.5.16放送(初回放送2017.7.23)
会社を辞めた麻子の娘・葵(山下リオ)の結婚式。元夫の聡がどうしてもバージンロードを娘と歩きたいと懇願するも認める気になれない。浮気で別れた夫になぜそこまでしてあげないといけないのか!一方で麻子は新しい仕事を探すべく、ハローワークに通い始める。昔の栄光もあるし、簡単に仕事なんか見つかるとたかをくくっていた麻子だったが、ハローワーク職員・芳恵(ふせえり)に、年齡の数だけ履歴書を書くことを要求され、現実の厳しさを知っていく…。
<感想>
50代での再就職、特に正社員としての再就職はかなり難しいことは、私も身にしみて実感しました。性別は関係ないですね。過去の栄光を持ち続けていると、プライドが邪魔をしてしまうようです。ゼロからスタートするぐらいの気持ちで、報酬は高望みをせず新しい仕事と向き合ったほうが上手くいくと思います。
今や人生100年時代と言われるようになり、50代での再就職はまさに人生の折り返し地点だと思います。そう考えると、焦らずにじっくりと自分に合った人生後半戦の生き方を見つければいいのだと思います。
第4話 2021.5.23放送(初回放送2017.7.30)
麻子(南果歩)の再就職先は「葬儀屋」。黒いスーツを着て人の死に直面する仕事は、精神的に辛い。それでも故人や遺族のための式を模索する麻子に先輩・奈美恵(南野陽子)は厳しくあたる。そんな中、丈太郎(山口祐一郎)の妻が亡くなり、葬儀を麻子が担当することに。葬儀屋としては、遺族と適度な距離をとることが求められる。しかし、悲嘆にくれる丈太郎のため、奥さんの好きだった花をどうしても飾りたい!果たして麻子は?
<感想>
麻子は、新たな就職先である葬儀屋で必死になって働きます。故人のため、遺族のために良かれと思うことを必死で行いました。故人が好きだったという赤いバラを飾ることも…。さらに、子どもの葬儀で遺族の悲しみに共感して涙する場面も。上司とぶつかることには慣れている麻子も、仕事をやりきった後にも気持ちが晴れないことが一番しんどかったのではないでしょうか。やってみて気付くことは、とても貴重な体験だと思います。そして、「自分は人を楽しませる…絵顔にさせる…そんな仕事に就きたい」と悟ります。
第5話 2021.5.30放送(初回放送2017.8.6)
再びハローワークに通い始めた麻子(南果歩)。条件を変えてパートの仕事を勧められるが、やっぱりフルタイムで働きたい!厳しい状況下で、ふと丈太郎(山口祐一郎)のことを思い、家を訪れる。妻を亡くして憔悴しきっている丈太郎には何も響かない。そんな折、妻が生前書いた離婚届が見つかる。一方、かつての部下・洋介(町田啓太)から告白される。23歳下の男との恋ってありなのか?女子会の面々の後押し、洋介からの提案もあり一歩踏み出した麻子の元に、ある仕事が舞い込んだ…。
<感想>
このドラマを観ていると、麻子のへこたれない精神に元気をもらえます。そして、ついに「人に喜んでもらえる仕事」が見つかります。ハローワークの職員です。麻子にピッタリの仕事ですよね。そして、23才年下の男性との恋もスタートします。いろんなことが動き始めますが、まだまだ波乱はありそうで楽しみです!
第6話 2021.6.6放送(初回放送2017.8.13)
ハローワークで働き始めた麻子(南果歩)。若者支援の担当になり3人の問題児を抱え日々忙しい。そんな中、娘・葵(山下リオ)の子供が生まれ、麻子は孫の世話までさせられることに!加えて、3ヶ月のお試し期間という条件付きの洋介との恋にも結論を出さなければならないし、もうどうしたらいいの!?そんな時、デート中に洋介がキスをしてきた!何十年ぶりかの感覚に麻子は心揺さぶられるが、どうしてもその気になれない。そこには、未だ赦せていない19年前のわだかまりがあった…。
<感想>
麻子は19年前に夫の浮気が許せずに離婚し、今も心の整理ができずに引きずったまま新たな恋愛に踏み切れないでいるようですね。それを洋介に見透かされてしまいます。人を許せないから、新たなスタートが切れない自分にようやく気付かされたようですね。
第7話 2021.6.13放送(初回放送2017.8.20)
葵の夫・雅人(長田成哉)が浮気した!?葵(山下リオ)はまどかを連れて実家に出戻り、聡(寺脇康文)は自分のことを棚に上げて怒り狂うが、麻子(南果歩)は聡をたしなめ、葵に雅人と話し合うように諭す。そんな中、義母・登美子(草笛光子)が骨折し、麻子はその世話をすることに。が、「国の世話にはならない」と意地を張り、介護保険を断固拒否する登美子と対立!売り言葉に買い言葉で酷い言葉を浴びせてしまう。自分の無力さに落ち込む麻子の元に丈太郎がやって来る。
<感想>
第7話では、麻子に次々と難題が降りかかる。夫に浮気をされた娘が乳飲み子を連れて戻ってくる。その娘が育児ノイローゼに。母が倒れて入院。義母が大腿骨骨折で入院し、退院後は家に引き取ることになる。職場では若者の就職支援に奮闘。精力的に振る舞っていた麻子は、ついに過労で倒れてしまう。なぜ、別れた夫の母親の介護までするのか?それは、一度は自分を息子の嫁として認めてくれたことへの感謝。そして、夫との離婚によって孫娘を取り上げてしまったことへのお詫びの気持ち!?そんな麻子を丈太郎が素晴らしい女性だと称える。人間関係が希薄になっている今の世の中で、本当に素晴らしい人間関係だと思います。
第8話[最終話] 2021.6.20放送(初回放送2017.8.27)
登美子(草笛光子)は、リハビリに精を出し、遂に歩けるようになる!麻子に加えて、丈太郎(山口祐一郎)も送り迎えなど、登美子のお世話を手伝ってくれて登美子とは親友になる。始めは現状を受け入れられなかった登美子だが、みっともなくても自分の無様な姿を見せるのが、ちょっとは若い世代のためになるのかもと思い直す。そんな登美子の為に「生前葬」をやろうと立ち上がる麻子。今自分達がやるべき事は何なのか、生前葬を経て、麻子は人生の第2章を照らす壮大なプランを思いつく。
<感想>
生前葬で語った登美子の言葉「死を思え」が心に残りました。死は誰にも必ずやってくる。だから、それまで自分らしく精一杯生きて…というメッセージがこもった言葉です。
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