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ドラマ10「八日目の蝉」
初回放送 2010年3月30日（火）午後10時スタート・全6回
毎週火曜日 午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年11月20日（日）午後10時スタート・全6回
毎週日曜日 午後10時〜、毎週水曜日 午後11時〜［BSプレミアム］
「私はもう、今までの私とは違う。私はこの子の母なのだ。」不実な男との実らない愛。男は女が母となることを否定するかたわら、妻との間には子をもうける。絶望の中、女はその子を奪う。母になるとは、女として生きるとは・・・。血のつながりを越えた母子の５年半にわたる逃亡劇。現代的課題に真っ向から向き合うドラマです。
- 原作 角田光代
- 脚本 浅野妙子
- 音楽 渡辺俊幸
- 主題歌 「童神〜私の宝物〜」城南海
- 出演 檀れい、津田寛治、板谷由夏、北乃きい、小林星蘭、あき竹城、岡田浩暉、京野ことみ、倍賞美津子、坂井真紀、高畑淳子、藤田弓子、岸谷五朗、左時枝、吉行和子、石井正則、藤村俊二
ストーリー
同じ会社で働く丈博との実らぬ愛の果て、希和子は子供を産めない体になる。同じころ、皮肉にも丈博の妻・恵津子が妊娠し出産。絶望した希和子は、朦朧とした意識の中で丈博の家に忍び込み、家の中にいた子供・薫を衝動的に誘拐してしまう。
主な登場人物・キャスト
野々宮希和子（檀 れい）
秋山丈博（津田寛治）
秋山恵津子（板谷由夏）
薫＝恵理菜（小林星蘭）→成人時（北乃きい）
道代（薬局の主人）（あき竹城）
岸田（岡田浩暉）
仁川康枝（京野ことみ）
中村とみ子（倍賞美津子）
沢田久美（坂井真紀）
高石敬子（サライ）（高畑淳子）
長谷川ナオミ・エンジェル（藤田弓子）
篠原文治（岸谷五朗）
大出喜美（左 時枝）
沢田昌江（吉行和子）
土田（石井正則）
写真屋店主（藤村俊二）
「八日目の蝉」の各回のあらすじ・ネタバレ
第1回「逃亡」〜この子のために生きていく。〜
初回放送 2010年3月30日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年11月20日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
野々宮希和子（檀れい）は、秋山丈博（津田寛治）との実らぬ愛の果て、自分では赤ちゃんを産めないからだになっていた。もうろうとした意識のなかで、丈博の妻・恵津子（板谷由夏）の産んだ赤ちゃんの無邪気な笑みを見たとき、「この子のためだけに生きていこう」と決意。薫と名づけ、赤ちゃんを奪って逃亡する。２０年後、成人した薫・秋山恵理菜（北乃きい）は、恋人（岡田浩暉）と歩いていた。恵理菜は身ごもっていて…。
＜補足・ネタバレ＞
秋山家の赤ちゃんを誘拐した希和子だったが、子育ての経験や知識のない希和子にとってはミルクの与え方すらわからない。友人の子供だと嘘をついて薬局の店主に助けられたり、自分の子供だと嘘をついて友人の康枝を頼るが…。テレビのニュースで自分のやったことが誘拐・放火事件として取り上げられていることを知ると行くあてもないのに友人宅から逃げるように去っていった。
時は変わって20年後。誘拐された赤ちゃん（秋山恵理菜）は二十歳となり、父に引き取られ秋山恵理菜家として育てられていた。成人した恵理菜が父に告げる。「わたし妊娠した。相手はお父さんのような家庭持ちの人。」それを聞いた丈博は愕然とする。
第2回「エンジェルの家」〜天使たちの家にたどり着く。〜
初回放送 2010年4月6日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年11月27日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
希和子（檀れい）は名古屋に流れてくる。公園でホームレスのような老女（倍賞美津子）と出会ったことをきっかけに、薫をつれて「エンジェルホーム」という傷ついた女たちが暮らす宗教施設にむかう。沢田久美（坂井真紀）とともに、サライと名乗る女（高畑淳子）から入居の審査を受け、教祖ナオミエンジェル（藤田弓子）から入居が許される。その２０年後、身ごもった薫＝恵理菜（北乃きい）は、男（岡田浩暉）に別れを告げるが…。
＜補足・ネタバレ＞
希和子は「エンジェルホーム」という施設で薫と二人で生きていくことを決意する。警察に追われていることは隠したまま、行けるところまで二人で生きていこうと…。
時は変わって20年後。妊娠した薫（＝恵理菜）は、不倫相手の岡田に別れを告げる。岡田はもうすぐパパになることを知り、生まれてくる子供が可愛そうだと思ったのだ。そして、希和子は塀の中で薫へ手紙を書き続けていた。
第3回「悲しき女たち」〜悲しみ、そして迫る危機。〜
初回放送 2010年4月13日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年12月4日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
エンジェルの家で３年がたった。ある日、希和子（檀れい）は行商に出たとき、ルールを犯して久美（坂井真紀）といっしょに、久美の子どもに会いに行く。だが、その子は久美のことをまったく覚えていなかった。久美の深い悲しみを見つめる希和子。一方、ホームは、社会的糾弾を受けるようになっていく。教祖ナオミエンジェル（藤田弓子）は、マスコミの要求を受け、ホームの公開を宣言。自分の素性がばれることを恐れた希和子は…。
＜補足・ネタバレ＞
エンジェルの家は生きづらい女性達の駆け込み寺であり、希和子にとって社会の目を気にすることなく薫と一緒に暮らせるかけがえのない場所となっていく。
久美は別れた夫のもとから子どもを連れ出して二人で生きていきたいと考えていたが、いざ子どもと再会するとその子は久美のことを覚えておらずショックを受ける。
社会的糾弾を受けるようになったホームは先手を打って内部をマスコミに公開することとなり、希和子は薫を連れてホームから逃げ出す。
第4回「恋」〜島へ。そして、出会い。〜
初回放送 2010年4月20日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年12月11日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
エンジェルホームを脱出した希和子（檀れい）と薫（小林星蘭）は、小豆島に渡り、久美（坂井真紀）の母・昌江（吉行和子）の好意でそうめん屋で働かせてもらう。ある日、突然、おなかが痛いと薫が泣きだす。困っているところに漁師の文治（岸谷五朗）がやってきて、希和子たちを助ける。文治もまた幼い子を亡くし、妻と別れた過去を持っていたのだ。回復して寝ついた薫を前に、文治と希和子は…。
＜補足・ネタバレ＞
無愛想だが心優しい文治、垢抜けているが何処か謎めいた希和子。過去に心の傷を抱えた二人は、いつしか惹かれ合っていた。
時は変わって妊娠した薫（＝恵理菜）は、女性記者と会っていた。二人はかつてエンジェルホームがあった場所に来ていた。その記者は希和子のことを記事にするというのだ。その女性記者もまた、幼い頃にエンジェルホームで暮らし、薫と一緒に遊んでいたという。しかし、薫は何も覚えていないことを理由に協力を断る。
第5回「光の島」〜逃亡の果てに、彼女は。〜
初回放送 2010年4月27日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年12月18日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
島に久美（坂井真紀）が帰ってくる。文治（岸谷五朗）との仲を取り持とうとするが、希和子（檀れい）は一時の気の迷いと遠ざける。ある日、虫送りの祭りに出た希和子と薫（小林星蘭）の横顔をとらえた写真が新聞に大きく掲載される。希和子は自分の素性がばれる日がやってくることを予感する。久美が、母・昌江（吉行和子）と再びけんかをし、島を出て行った後、希和子はついに刑事に捕まる。薫を奪って５年半の歳月が流れていた。
＜補足・ネタバレ＞
薫はすっかり島の生活に馴染んでいた。希和子と文治の仲も周囲の知るところとなるが、希和子はずっとここに住み続けることはできないと思っていた。それを感じ取った文治は「何処にも行かんでくれ」と言う。この島にいたい…という薫の気持ちを大切にして、希和子は薫と島にいることにしたのだが…。
ある日、昌江から電話で逃げるようにと連絡が来た。状況を悟った希和子は薫の手をとってフェリー乗り場へ向かった。しかし、フェリーに乗る直前、警察に捕まる。希和子から引き離された時、薫が叫んだ言葉がどうしても思い出せなかった。
第6回＜最終回＞「奇跡」
初回放送 2010年5月4日（火）午後10時〜［NHK総合］
再放送 2022年12月25日（日）午後10時〜［BSプレミアム］
恵理菜（北乃きい）＝薫は、千草（高橋真唯）といっしょに小豆島に渡り、思い出の跡をたどろうとする。希和子（檀れい）についての記憶もよみがえらず、あきらめかけたとき、港町の写真館に１５年前、希和子と撮った写真が飾ってあるのを発見する。港では、老いた文治（岸谷五朗）と偶然出会う。文治は希和子が捕まるときに叫んだ言葉も覚えていた。そして岡山の港に降りたとき、恵理菜たちの姿をいぶかし気に見つめる女がいた…。
＜補足・ネタバレ＞
恵理菜（＝薫）は、5年ぶりに秋山家に戻され実の両親のもとで育てられたが、田舎育ちの恵理菜に対して、母・恵津子は「この子は本当に私の子なの？」という顔をして見つめるのだった。母は恵理菜に冷たく怒りをぶつけ、父はそんな場面から逃げてばかり。恵理菜にとって秋山家は居心地の悪いところだった。母・恵津子は希和子のことを世界一悪い女だとののしり、恵理菜は心に蓋をして希和子のことを二度と思い出さないようにしていた。
恵理菜は幼い頃に一緒に遊んだ千草と一緒に思い出の場所・小豆島を訪れた。１５年前に希和子が警察にとりおさえられ、薫と引き離された時、希和子が叫んでいた言葉は…「その子はまだ朝ごはん食べてないの！」だった。娘を思う母の愛情に溢れた言葉だったのだ。いつしか薫はお腹の子どもを産みたいと思うようになっていた。
岡山の港で入ったお店に残された「蝉の抜け殻」。それを見た希和子は、薫だと思って追いかけた。そして、「薫（かおる）」と叫んだ。薫は立ち止まり振り返って希和子の姿を見るが、希和子への思いを振り切って再び歩きだす。
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