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NHKドキュメンタリー

天皇 運命の物語・第3話「象徴 果てなき道」の再放送・見どころは?

天皇 運命の物語 第3話「象徴 果てなき道」

放送 2019年3月23日(土)午後7時30分~(73分)[NHK総合]

シリーズで放送する「天皇 運命の物語」。第3話は、天皇陛下が即位されてからの歳月を、秘蔵映像と側近などの証言で描きます。歴代天皇として初となる中国訪問にかけた思いとは?被災地訪問や“慰霊の旅”の舞台裏で何が?そして日本中が驚いた“生前退位”。前例のない決断の背景に、どのようなやりとりがあったのか?即位されて以来、一貫して「象徴としてのあり方」を模索してきた天皇陛下。その知られざる苦闘の旅を描きます。

【語り】山根基世

4回シリーズ「天皇 運命の物語」

平成31年4月30日、天皇陛下は退位され、「平成」が幕を下ろします。昭和8年生まれの天皇陛下と翌9年生まれの皇后さま。両陛下はともに、敗戦、戦後の高度成長を経て平成へと連なる激動する日本社会と向き合われてきました。そして、憲法に定められた「象徴」のあるべく姿や現代にふさわしい皇室について、模索を続けてこられました。

番組では天皇皇后両陛下の足跡を、NHK皇室取材班による発掘秘話、NHKや海外に保管されている貴重な皇室映像、そして両陛下ゆかりの方々の証言や資料などから振り返り、「私たち日本人にとって両陛下はどのような存在なのか」を4回シリーズでお伝えします。

天皇 運命の物語 第1話「敗戦国の皇太子」

天皇 運命の物語 第2話「いつもふたりで」

天皇 運命の物語 第3話「象徴 果てなき道」

天皇 運命の物語 第4話「皇后 美智子さま」

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放送後のポイント解説

「象徴」とは何かを問い続けた30年

平成天皇は「象徴」として即位した初めての天皇でした。日本国の君主として即位した父とは違い、「象徴」とは何かを問うために従来のやり方を踏襲するのではなく、発想の転換が必要だと考えました。その一つが目線の高さです。自動車の座席も従来より低いものにして、できる限り国民と同じ目線で接しようとしたのです。また、国民に語りかける言葉にも変化がありました。そんな象徴天皇を一部では「権威に乏しい」と批判する声さえあったそうです。

歴史上初めての中国訪問

平成の時代になって、歴史上初めて日本の天皇が中国を訪問しました。平成4年のことです。日本と中国の関係は政治的な課題が多すぎるため訪問すべきではないという反対意見もあった中での訪問でした。しかし、天皇は歴史的に深いかかわりのある隣国・中国との関係を良好に保ちたいという思いから訪中し、中国国民に対して二度と戦争を起こさない平和国家を目指すという日本の決意を伝えたのです。また、中国の農民とも直接触れ合い、生まれ変わった日本を理解してもらうことに務めたのです。

未曾有の大災害に何が出来るのか?

平成7年、阪神淡路大震災が起き、天皇は「象徴として何ができるのか?」を考え、出来る限り早く被災地を見舞うために訪問したいと考えました。その際に一番配慮したことは、現地に負担をかけないということでした。そして、帯同する人数もたった5人にしてバス一台だけで現地を移動したそうです。被災地に向かう天皇の姿がタートルネックにジャンパー姿ということに、被災地の行政の担当者は驚いたそうです。この時、天皇は「どんな時も国民と共にある」という象徴の形を確信したそうです。

慰霊の旅

天皇は、戦争で多くの日本人が犠牲になったことに心を痛め、その戦没者たちを慰霊する旅に出ました。沖縄、広島、長崎、東京の大空襲の被災地の他、サイパンへも向かいました。戦争の犠牲者は日本人に留まらないことから、韓国人、アメリカ人など国籍を問わずすべての戦没者に慰霊したいという思いを行動に移したのです。この行動が日本が平和国家を目指す意思の表れと海外からも理解される理由のひとつになったのだと思いました。

老いと向き合う・・・

平成22年に天皇は生前退位できるようにすべきだという提案を宮内庁の役人に対して行っています。この意思はかなり固かったようです。その意思が国民に知らされたのは平成28年のことでした。天皇は、30年間にわたり「象徴天皇」の在り方を模索しながら、全身全霊で国民に寄り添ってこられたというみとが、その時のご発言の内容から伝わってきました。

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