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BS1スペシャル

BS1スペシャル「ブレイブ 勇敢なる者 えん罪弁護士・今村核」が完全版で再放送・見どころは?

BS1スペシャル「ブレイブ 勇敢なる者“えん罪弁護士”完全版」

放送 2018年4月15日(日)午後10時~(100分)[BS1]

番組内容

「無罪14件」。その実績に他の弁護士は「異常な数字」と舌を巻きます。“えん罪弁護士”の異名を持つ今村核(いまむら かく)は、20年以上も刑事弁護の世界で闘ってきました。過去に取り組んだ事件では、通常裁判の何倍もの労力をかけ科学的事実を立証し、えん罪被害者を救ってきたのです。勝てる見込みも少なく、報酬もわずかな「えん罪弁護」。それなのになぜ、今村は続けるのでしょうか?自身の苦悩を乗り越え、苦難の道を歩み続ける男に迫ります。

この番組は、2016年11月28日、同12月20日に放送され大反響を呼んだブレイブ『えん罪弁護士』(前編・後編)を未放送映像や知られざるエピソードを大幅に加えて再構成した完全版です。

日本の刑事事件裁判は、有罪率99.9%と言われています。つまり、無罪は1000件に1件、あるかないか。今村核弁護士は、そんな有罪率99.9%の壁に挑み続けているのです。引き受けてきた案件は、世間ではあまり知られていない事件ばかりです。2000年3月に起きた放火事件で犯人と疑われたのは出火元の店主でした。真実を明らかにするために自ら行った火災実験。その費用は、カンパで賄ったそうです。

信念を持って挑み続ける弁護士・今村核。その生き方に迫る100分完全版です。

番組スタッフのコメント

2016年11月にNHK総合で放送された『ブレイブ 勇敢なる者』の第二弾「えん罪弁護士」は、予想をはるかに超える大きな反響をいただきました。このホームページにお寄せいただいた再放送リクエストは3000件を越え、250件近い感想レビューもいただき、年間でも最上位の数字でした。日々、さまざまな番組が放送される中で「えん罪弁護士」をご覧いただいた方はおそらく「この番組を見よう」と決めていたわけではなく、「たまたまNHKにチャンネルを合わせていたら見てしまった」という方が多かったかもしれません。

世界を変えた知られざる日本人に迫る『ブレイブ 勇敢なる者』は、不定期放送のドキュメンタリーシリーズです。大型番組や注目の新番組に比べて事前のPRも少ない中、「たまたま見た」という多くの方からこれほど熱い反応をいただき、とても有り難く、光栄に感じました。

そしてこの度、『BS1スペシャル』枠で前・後編100分間にわたる「えん罪弁護士・完全版」を放送することとなりました。泣く泣くカットした未放送映像や知られざるエピソードを大幅に加えて再構成しています。前回の放送を見ていても、新鮮な驚きがある内容だと思います。

50分版をご覧になっている方は、番組中盤で今村核弁護士が不快感をあらわにしたシーンを覚えていると思います。きっかけは、私が発した質問「先生の専門(領域)って何ですか?」でした。私は今村先生が自らの専門を「刑事弁護」あるいは「えん罪弁護」と答えると思い、あえてその質問を投げかけました。なぜなら、私の目の前にいるのは“有罪率99.9%”の日本で、これまでに「無罪14件」という驚異的な実績を築いてきた弁護士なのです。しかし、今村先生は突如、「もう答えたくない…」と言って苦悶の表情を浮かべました。なぜ、“えん罪弁護士”と呼ばれる男が、自らの専門分野を語りたがらないのか。その理由を、今回の100分・完全版ではより詳細に描いています。

法廷ドラマの場合、最大の見せ場は「弁護士がいかに被告人の無実を立証するか」です。しかし、これはあくまで架空のドラマの話。そもそも刑事裁判の原則は、「疑わしきは罰せず」です。立証責任があるのはあくまで検察側。検察が“有罪の立証”に失敗すれば、本来は無罪になるはずなのですが、現実には検察の立証の綻びを指摘するだけで無罪になることはまずありません。こうした現実に抗うため、今村先生はまるで法廷ドラマの主人公のように、徹底的に科学的な立証を積み重ね、自ら“無罪の立証”を行なうことで多くのえん罪を晴らしてきました。ところが、そうした手間のかかる立証活動を行えば行うほど、他の事件の弁護に手が回らなくなり、経済的に困窮していくこととなります。しかも、仮に0.1%の無罪判決を得られても、報酬はごく僅か。それ故、多くの弁護士がたとえ志があっても、刑事弁護を続けられないのです。

そうした中で、今村先生は20年以上も刑事弁護の世界に立ち続けてきました。人知れず、どんな苦悩を抱えてきたのか。そして今、どんな心境でいるのか。是非、今回の「完全版」を通して多くの方に知っていただきたいと願っています。

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放送後のポイント解説

すし屋放火事件

2000年に都内で起きた寿司屋の火事事件で、店主が放火の容疑で起訴されました。その店主は閉店したいと考えていたこと、出火後に消火活動もせずに眺めていたこと、借金があったことなどから、放火の疑いをかけられたのです。そして、店主の妻にまで警察の手が及ぶことを避けるために、やってもいない放火を自白してしまったのです。店主は、その自白の中で、放火場所はお店の2階だと供述しました。しかし、消防は、出火場所は1階であると判定し、自白との食い違いが生じました。しかし、検察は2階の床板の下の梁(はり)に使われている木材の上部の角が焼け焦げていることを理由に、2階でも出火したという鑑定書を出してきたのです。

今村弁護士は、現場写真から床板と梁の間に隙間があり、その場合には1階からの出火でも梁の上部が焼け焦げることを火災実験まで行って照明したのです。この実験にかかった費用は募金で集めました。その結果、判決は無罪となりました。しかし、事件から無罪判決まで3年半の時間を要していました。

中学教師による置換冤罪事件

2012年に中学教師が路線バス内で女子高生に痴漢行為を行ったとして起訴されました。痴漢事件では、やっていなくても自白して示談が成立すれば略式起訴となってしまうことから、表に出ていない冤罪事件が多いと言われています。しかし、この教師は無実を訴え続けて今村弁護士に助けを求めたのです。

今村弁護士は、車載カメラの映像と携帯の送信メールの履歴から、教師の無実を証明したにもかかわらず、一審判決は有罪となってしまいます。これを受けて、ツイッターでは裁判官の判決に対して非難が殺到したそうです。そして、二審では無罪を勝ち取りますが、事件から1年半が経過していました。

どうして冤罪事件が起きるのか?

ある司法論文によると、アメリカの刑事訴訟裁判は有罪か無罪かを決める所ですが、日本の裁判は有罪を確認する所となっていると言うのです。本来的には、検察側によって被告人が有罪であることを立証する必要があるはずですが、実際には弁護側が無罪を立証しなくてはならなくなっているのです。

この現実に直面した今村核さんは、弱者に手を差し伸べたいと思ったのでしょう。

どうして「えん罪事件」ばかり担当するのか?

今村核さんは、大手化学メーカーの副社長である父との確執があったようです。父は、弱者に対する視点がなく、大企業中心の考え方をしていたことが、今村核さんにとって受け入れられなかったのでしょう。そして、父とは違った生き方、つまり、社会の中で弱くさせられている人たちと共に闘う仕事がしたいと考えて弁護士への道を選んだのです。

東京大学の学生時代には、法律相談のボランティアサークルの活動をして、困っている人のために奔走していました。父とは違う道を行きたい、敢えてエリートコースから道を外れたかったと言います。そして、東京大学に入学して7年目に司法試験に合格し、弁護士となりました。

現在は都内の弁護士事務所に所属しています。労務や民事の案件が大半を占める中で、今村弁護士だけが刑事事件を担当しています。冤罪事件で無罪を勝ち取ることはたいへんな労力がかかり、そればかりやっていたのでは経済的に生きてゆけないと言われていますが、25人の事務所だから成り立っているのだと同僚の弁護士は言います。

今村弁護士の父は、後年、弁護士になって事務所を開いていたそうです。もともと、資格は持っていたそうですが・・・。きっと、父として今村核さんのことを理解したかったのではないでしょうか。

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今村核のプロフィール

東京大学法学部卒
司法修習44期
1992年弁護士登録
第二東京弁護士会

趣味

将棋、生物学、生理学、生化学、認知心理学等の人間科学、情報科学等のリテラシーを学ぶこと

主な活動

日本弁護士連合会全国冤罪事件弁護団協議会座長
法と心理学会 理事

今村核の主な著書

※楽天市場より

冤罪と裁判 (講談社現代新書) [ 今村核 ]


冤罪と裁判 (講談社現代新書) [ 今村核 ]

日本の刑事裁判は有罪率99.9パーセント。なぜ冤罪は起きるのか?裁判員制度でどう変わったのか?冤罪弁護士が語る真実。

日本の刑事裁判は、じつは世の中の水準からみると、いろいろと遅れたところがある。起訴された事件の有罪率は99.9パーセントと驚くほど高いが、有罪とされた元被告人のなかに無実の人々がかなり含まれているのではないか、というのが私の心の奥底からの関心事であるーー〈「はじめに」より〉

【目次】
第1部 冤罪はこうして生まれるー冤罪の事件簿(虚偽自白/目撃者の証言/偽証/物証と科学鑑定/情況証拠)/第2部 裁判員制度で冤罪を減らせるか(日本の刑事裁判の特色/裁判員制度の導入で、日本の刑事裁判の特色は変わりつつあるか/判決文を通して、裁判員裁判の特色を読み解く/冤罪・誤判防止のために、裁判員制度はどう変わるべきか)

日本版「司法取引」を問う [ 白取祐司 ](旬報社2015、共編著)


日本版「司法取引」を問う [ 白取祐司 ]

刑事司法改革の原点は冤罪を防止することにあったはず…。いま、新たに導入されようとしている日本版「司法取引」制度は、冤罪を生む構造的な危険性をはらんだ制度であることを正確に捉えなければならない。その制度化の是非も含めて、もう一度徹底した議論が必要ではないだろうかー。

【目次】
第1章 日本版「司法取引」制度とは何か(日本版「司法取引」の特徴/「司法取引」制度導入へ向けての動き/法制審特別部会ー「司法取引」制度の具体化/もう一度徹底した論議を)/第2章 日本の「闇取引」(他人の罪を明らかにし、自分の罪を軽くする司法取引とは/真犯人が無実の者を巻き込むケースー「共犯型」1/共犯者自身も無実の場合ー「共犯型」2/同房者の供述ー「他人型」2/「虚偽供述罪」の導入は冤罪を抑止するか/弁護人の同意は冤罪を防ぐことができるか/「取引を明るみに出す」結果となるのか)/第3章 海外の司法取引制度とその運用(アメリカ/ドイツ/フランス)

『冤罪弁護士』(旬報社、2008年)

『続・痴漢冤罪の弁護』(現代人文社、2009年、共編著)

シリーズ刑事司法を考える第1巻『供述をめぐる問題』
(岩波書店2017、執筆分担「間違った目撃・被害者供述はどのように生じるか」)

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このドキュメンタリー番組の再放送は?

NHKのドキュメンタリー番組は、他の民放とは違い、反響の大きかった番組を積極的に再放送していることが多いんです。時間帯は、深夜だったりすることもありますが・・・。でも、テレビの放送時間に制約されずに、見たい時に見るという方法があります。それは、動画配信サービスです。通常、動画配信サービスは、毎月の定額料金で配信されている番組が見放題になるというものです。

NHK番組なら「NHKオンデマンド」という動画配信サービスがあります。NHK番組の全てではありませんが、ドラマからドキュメンタリー番組までかなり広く番組を配信してくれています。しかし、NHK番組しか視聴できません。

そこで、私が利用しているのがユーネクストです。このユーネクストは、いろんな放送局の番組や映画などの動画を配信しているんです。NHKとも提携しているので、毎月付与されるU-NEXTポイント1,200円(初回の31日間無料体験では600円。ただし、このページのリンクから登録すれば1,000円)を使ってNHKオンデマンドの「まるごと見放題パック」を購入することができるんです。

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なお、NHKの見逃した番組を見る方法は、コチラの記事をご参照ください。

>> NHKの見逃した番組を見る方法は?NHKオンデマンド以外にもオススメの方法があった!?

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