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ETV特集

寝たきり歌人・遠藤滋!ETV特集「えんとこの歌」の再放送・動画配信は?

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「ETV特集」ってどんな番組?

ETV特集』は、さまざまな社会問題を取り上げるNHKのドキュメンタリー番組です。考えるヒントを提供する「心の図書館」であることを目指して制作されているそうです。放送は、Eテレ 毎週土曜日午後11時~です。

日曜日の午後9時~NHK総合で放送される『NHKスペシャル』が、科学・医療・社会・自然・災害・スポーツなどの幅広い分野の旬の話題を取り上げているのに対して、『ETV特集』は社会の闇に光を当てるようなちょっとマイナーな社会問題をテーマとして、問題を浮き彫りにしていく番組です。そこには、まだ世の中で十分な認識がされていない盲点とも言える問題が隠されている可能性があります。

私たちが暮らしている社会の中で大きく問題になっていることは、新聞やニュース番組で大きく取り上げられますが、世の中のちょっとした「ほころび」は、なかなか目に留まらないものです。そんな見過ごしてしまいそうな問題、でも放っておくと将来大きな火種になるかもしれない社会問題を取り上げてくれる番組です。私にとっては、知識に幅を持たせてくれる「とってもためになる番組」です。

ETV特集の再放送・見逃し動画配信は?

ETV特集』の再放送は、Eテレ 毎週木曜日午前0時(水曜日の深夜)から放送されます。もちろん、スポーツイベントや選挙、その他重大事件の報道などで変更されることもありますので、同番組ホームページでご確認ください。

でも、放送時間に制約されずに好きな時に見たい・・・なんていう場合には、動画配信サービスがオススメです。ETV特集」の見逃し動画は「NHKオンデマンド」や「ユーネクスト」で配信されています。ただし、全ての放送回が配信されるわけではありません。また、配信期間は約2週間となります。

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ETV特集「えんとこの歌 寝たきり歌人・遠藤滋」

放送  2018年7月28日(土)午後11時~
再放送 2018年8月2日(木)午前0時~(水曜日の深夜)

放送前の予告

相模原市の障害者殺傷事件から2年。何を思うのか。重度障害者として介助を受けながら一日一日を丁寧に生きてきた寝たきりの歌人・遠藤滋(71歳)の言葉に耳を傾けました。

「えんとこ」とは、「遠藤滋のいる所」の意。脳性マヒの障害があり35年寝たきりの生活をおくる遠藤滋の周りには、介助をする若者たちが絶えない。ミュージシャンやボクサー、どこか生きづらさを抱える若者たち。全てをさらけ出し、介助者に身をゆだねつつ前向きに生きる遠藤の生き様がひきつけるのでしょうか。

大学時代の友人でドキュメンタリー映画監督・伊勢真一は20年前から遠藤と若者たちの日常をカメラに収めてきました。相模原事件から2年の今を問いかけるドキュメンタリーです。

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この番組を視聴して・・・

2年前に起きた相模原殺傷事件の犯人は、「障害者は不幸しかもたらさない」と言っていますが、遠藤滋さんは自分の生き様でもってその言葉に真っ向から抗議をしているように思いました。障害があっても・・・、寝たきりでも・・・、こんなに充実した日々を送っているのだと語っているようです。そのために、本来なら恥ずかしくて見せたくはないような私生活も含めて、自らの生活の全てをさらけ出しているのです。

35年もの間、寝たきりの生活を続けている遠藤さんは、食事はもとより歯磨きも風呂も排便も介助者に助けてもらわないと一人では何もできません。それって、多くの人たちによって生かされている命とも言えるわけです。

遠藤さんは「寝たきりになって良かった」「(寝たきりの人生もまた)おもしろい生き方」と言います。障害があろうがなかろうが命の貴さは同じで、ましてや多くの人から介助を受けて生きている遠藤さんにとっては、自分の命はもはや自分だけの命ではなくなっているのかもしれませんね。遠藤さんの生きた証、生き様は、社会に多くのものを残してくれているのだと思います。

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番組内で紹介された遠藤滋の和歌

何といふ偶然なるや現生(うつしよ)に 仮死に産まれて息吹き返すとは

自らを他人と比ぶることなかれ 同じいのちは他に一つなし

身心に癒やされぬ傷残るらむ たとひいのちはとりとむるとも

自らのいのちに立ちて生きあへる 絆を求め我は生き来し

恋すると告げし言葉に君よりし 返しの来たる「素直にありがたう」と

この年齢(とし)のこの障害にしてなほ熱き かかる想ひの沸き来るとは

手も足も動かぬ身にていまさらに 何をせむとや恋の告白

たまさかに息吹き返し七十年 いのちをさらし我生ききたり

めらめらと身体中とし燃えており ただ薬の名呼び続けたり

足熱し身体も熱し痛し苦し かく叫びいて今日も明けゆく

声出でぬことも増えゆき会話さえ ままならぬ我とり残さるる

弱さをもさらす勇気を持ちてこそ 強き男と汝は言ひたり

手から手へ都会の底に渡さるる わがいのちこそ漂流せるかな

自らのいのちを既に殺してや 彼凶行に及びたるらむ

己こそ切らるる恐れ感じてや より弱きらを斬りて見せたる

言ひたきを無声音にて一心に 言へども単語も言ひ切れずをり

見知りたる男の刃物を振り上げて 迫り来るをわが夢に見つ

思ひやり察することも言葉なき 意思の疎通の一部ならずや

海中に入れば不思議や出でざりし 右足前に軽く運べり

自らのいのちに立ちて生きあへる 絆を求め我は生き来し

恐ろしき事件ならずや十九人 元職員に刺殺さるとは

障害の身にあればこそ手を借りて 創造的に我は生きたし

いのちとふ現実(うつつ)にあれば歌により 語れぬことはなきと気づけり

厳しくもわが拠り所探りきて 障害持つ身に「いのちにありがたう」

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遠藤滋さんのプロフィール

1947年5月静岡県に生まれる。仮死状態で生まれ、1才の頃、脳性 マヒと診断される。

1974年3月立教大学文学部卒業。都立光明養護学校に、教員として採用され、職場での差別と闘いながら、小田急線・梅ヶ丘駅に車椅子用スロープをつける運動に関わったり、世田谷区に対して、介護人派遣制度の改善を求める運動を始めるなど、地域の障害者活動に積極的に参加する。

1985年7月『だから人間なんだ』を友人と自主出版。この本づくりが、ありのままの命を祝福し、命を生かし合うことを、自己決定して生きるきっかけとなる。

1991年以降、まったく寝たきりの状態となる。〈えんとこ〉の場で、介助者のネットワークを組織、独り暮らしが始まる。

東京・世田谷区梅ヶ丘の住宅街にある、ごくありふれたマンションの一室2DKが、遠藤滋さんと介助の若者たちの拠点。遠藤の居るところであり、縁のあるところでもある、〈えんとこ〉は、日々の営みのかたわら、定期的な通信の発行、本の出版、映画の上映、障害者が街で暮らすための調査活動など、さまざまな試みの中心となっている。〈えんとこ〉は重度の障害者をケアする所というより、小さな学校、ユニークな会社、サークルの部屋に似ていなくもない。それは、遠藤を中心にした心と体のネットワークでもある。

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