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ETV特集

上原康助の苦悩と沖縄の戦後史を学ぶ!ETV特集の再放送・動画配信は?

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「ETV特集」ってどんな番組?

ETV特集』は、さまざまな社会問題を取り上げるNHKのドキュメンタリー番組です。考えるヒントを提供する「心の図書館」であることを目指して制作されているそうです。放送は、Eテレ 毎週土曜日午後11時~です。

日曜日の午後9時~NHK総合で放送される『NHKスペシャル』が、科学・医療・社会・自然・災害・スポーツなどの幅広い分野の旬の話題を取り上げているのに対して、『ETV特集』は社会の闇に光を当てるようなちょっとマイナーな社会問題をテーマとして、問題を浮き彫りにしていく番組です。そこには、まだ世の中で十分な認識がされていない盲点とも言える問題が隠されている可能性があります。

私たちが暮らしている社会の中で大きく問題になっていることは、新聞やニュース番組で大きく取り上げられますが、世の中のちょっとした「ほころび」は、なかなか目に留まらないものです。そんな見過ごしてしまいそうな問題、でも放っておくと将来大きな火種になるかもしれない社会問題を取り上げてくれる番組です。私にとっては、知識に幅を持たせてくれる「とってもためになる番組」です。

ETV特集の再放送・見逃し動画配信は?

ETV特集』の再放送は、Eテレ 毎週木曜日午前0時(水曜日の深夜)から放送されます。もちろん、スポーツイベントや選挙、その他重大事件の報道などで変更されることもありますので、同番組ホームページでご確認ください。

でも、放送時間に制約されずに好きな時に見たい・・・なんていう場合には、動画配信サービスがオススメです。ETV特集」の見逃し動画は「NHKオンデマンド」や「ユーネクスト」で配信されています。ただし、全ての放送回が配信されるわけではありません。また、配信期間は約2週間となります。

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ETV特集「基地で働き 基地と闘う~沖縄 上原康助の苦悩~」

放送  2018年6月23日(土)午後11時~
再放送 2018年6月28日(木)午前0時~(水曜日の深夜)

放送前の予告

アメリカ統治下、米軍基地で働かざるを得なくなった沖縄の人たち。その労働環境は劣悪で、さまざまな差別を受け続けてきました。そうした労働者たちのリーダーとなったのが、のちに沖縄県選出議員として初の大臣ともなる、上原康助です。

去年8月になくなった上原の自宅からは、58冊の未公開ノートが見つかり、そこには、基地で働きながら、基地と闘った上原の心情が記されていました。上原の人生から、基地の島・沖縄の苦悩にせまります。

上原康助さんのプロフィール

1932年沖縄県国頭郡本部町伊豆味生まれ。51年北山高校を卒業。61年全沖縄軍労働組合連合会の結成に参画し、初代委員長に就任。70年戦後初の国政参加選挙で日本社会党から出馬し、衆院議員に当選。以後、10期30年にわたって国政の立場から沖縄問題の解決に尽力する。93年には、細川連立内閣で国土庁長官、北海道・沖縄開発庁長官に就任。95年に衆院予算委員会委員長に就任。

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放送後のポイント解説

戦後、沖縄の人々はアメリカ統治下で生きて行くことを余儀なくされ、生きて行くためには米軍基地で働くしか道はありませんでした。しかし、米軍基地では厳しい差別を受け、賃金は米国人の10分の1程度。まるで、奴隷のように働かされていたのです。

資本主義の国であるアメリカ人が、なぜ、沖縄の人々を差別するのか?そのうえ、当時の沖縄では、ストライキに酸化することも布令116号によって違法とされていました。労働組合を作る権利は認められていましたが、団体交渉権すら認められていなかったのです。

そんな状況の中で、上原康助は1961年に労働組合を結成しました。布令116号を撤廃し団体交渉権を認めて欲しい、賃金や退職手当を改善して欲しい・・・という当然の権利を主張したのです。

当時としては、敗戦国であるということ、アメリカの統治下となったということで、とてつもなく大きな権力に対して立ち向かった上原康助をはじめ労働組合の人たちの勇気はいかばかりだったか想像がつきません。大きな岩に小さな蟻が群がって立ち向かうようなものかもしれません。それでも、当然の権利を主張せずにはいられなかったのでしょう。

1972年に沖縄が本土復帰を果たしますが、米軍基地は縮小されることなく残ります。そのうえ、六価クロムによる健康被害の問題、軍事演習による精神的な脅威や爆発音による健康被害、少女暴行事件問題など、基地が存在し続けることにより、沖縄県民の苦悩は変わらずに続いていたのです。

しかし、米軍基地内の労働環境が改善されると、米軍基地で生計を立てている県民にとっては、米軍基地がなくなると困るという県民感情も一方ではあるのです。米軍基地の撤退や縮小を訴えてきた上原康助にとっては、ジレンマだったようです。

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参考書籍のご紹介

※楽天市場より

沖縄からの報告 (岩波新書) [ 瀬長亀次郎 ]


沖縄からの報告 (岩波新書) [ 瀬長亀次郎 ]

アメリカ統治下におかれた沖縄で「不屈」の精神を貫き、圧政に抵抗し続けた人物がいた。その名は瀬長亀次郎(一九〇一ー二〇〇一)。祖国への復帰と平和を求め、ジャーナリストとして、那覇市長として、国会議員として、民衆とともに闘った男は、沖縄の「戦後」をどのように見つめていたのか。現代によみがえる一級のレポート。アンコール復刊。

本音で語る沖縄史 (新潮文庫) [ 仲村 清司 ]


本音で語る沖縄史 (新潮文庫) [ 仲村 清司 ]

沖縄だれにも書かれたくなかった戦後史 [ 佐野眞一(ノンフィクション作家) ]


沖縄だれにも書かれたくなかった戦後史 [ 佐野眞一(ノンフィクション作家) ]

月刊「PLAYBOY」誌上に長期連載。沖縄の戦後六十余年を作ってきた群雄たちを活写して、戦後日本を逆照射する衝撃の大型ルポルタージュ。沖縄列島を一個の肉体と見立て、その肉体が戦後に演じ、あるいは演じさせられた悲劇と喜劇、まばゆい光と濃厚な影があやなす南島奇譚ともいうべきドキュメントである。

【目次】
1 天皇・米軍・沖縄県警(「お約束」の島から「物語」の島へ/歴史に翻弄された沖縄県警 ほか)/2 沖縄アンダーグラウンド(花街・映画・沖縄空手/沖縄ヤクザのルーツ「戦果アギヤー」 ほか)/3 沖縄の怪人・猛女・パワーエリート(弾圧・拷問・右翼テロ/第三の新聞・沖縄時報顛末記 ほか)/4 踊る琉球、歌う沖縄(島唄復活と大阪ウチナンチュー/沖縄ミュージックは日本に届くか ほか)/5 今日の沖縄・明日の沖縄(少女暴行事件の傷跡/美ら島の陰に)

日常化された境界 戦後の沖縄の記憶を旅する (ブックレット・ボーダーズ) [ 屋良 朝博 ]


日常化された境界 戦後の沖縄の記憶を旅する (ブックレット・ボーダーズ) [ 屋良 朝博 ]

南国の豊かな暮らし。コバルトブルーに囲まれたリゾート。そして沖縄観光の明るいイメージに絶えずつきまとう米軍基地のフェンスと壁。長年、基地問題を追及してきた元沖縄タイムス記者と若手研究者による類書なき一冊。沖縄と米軍基地の現実がすべて見えてくるフィールドワークのためのガイドブック。
はしがき(岩下明裕)
1 本書の視角(山本章子)
2 境界の道、国道五八号線(野添文彬)
3 ドーナツの穴をめぐって – 宜野湾市と普天間飛行場(野添文彬)
4 嘉手納の門前町コザ(山本章子)
5 巨大な基地と小さな集落 – 辺野古と金武(山本章子)
6 ヤンバルを行く(屋良朝博)
おわりに(屋良朝博)

沖縄の自立と日本 「復帰」40年の問いかけ [ 大田昌秀 ]


沖縄の自立と日本 「復帰」40年の問いかけ [ 大田昌秀 ]

沖縄の「復帰」とは何だったのか。人びとの切実な願い「平和憲法の下への復帰」であったはずの施政権返還から四〇年が過ぎた今、変わらぬ米軍基地の重圧と構造的差別の現実を前に、「復帰」の意味を根底から問い直し、真の自立を模索する論議が高まっている。沖縄を代表する四人の論客が、沖縄の自立への展望とアジアの中での未来像を熱く語る。

沖縄現代史 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで (中公新書) [ 櫻澤誠 ]


沖縄現代史 米国統治、本土復帰から「オール沖縄」まで (中公新書) [ 櫻澤誠 ]

太平洋戦争中、地上戦で20万人強の犠牲者を出した沖縄。敗戦後、米国統治下に置かれ、1972年に本土復帰を果たすが、広大な基地は残された。復帰後の沖縄は保革が争いながら政治を担い、「基地依存経済」の脱却を図る。だが95年の米兵少女暴行事件を契機に、2010年代には普天間基地移転・歴史認識を巡り、保革を超えた「オール沖縄」による要求が国に行われる。本書は、政治・経済・文化と、多面的に戦後沖縄の軌跡を描く。

私の沖縄現代史 米軍支配時代を日本で生きて (岩波現代文庫) [ 新崎盛暉 ]


私の沖縄現代史 米軍支配時代を日本で生きて (岩波現代文庫) [ 新崎盛暉 ]

沖縄現代史研究と市民運動を長年牽引してきた著者の、日本にいながら「沖縄を生きた」前半生の回顧録。日中戦争勃発前年に生まれ、焼け跡で少年時代を過ごし、米軍支配下の父祖の地・沖縄に思いを寄せながら東京で学び働いた青年期を経て、復帰後まもない沖縄に移住するまでの自身の軌跡と、様々な出会いの記憶を織り交ぜ、沖縄と日本の激動の同時代史を描き出す。岩波現代文庫オリジナル版。

戦後沖縄と米軍基地 「受容」と「拒絶」のはざまで1945〜1972年 [ 平良好利 ]


戦後沖縄と米軍基地 「受容」と「拒絶」のはざまで1945〜1972年 [ 平良好利 ]

「沖縄の米軍基地問題」は、半世紀以上にもわたって続く複雑な問題である。その歴史的起源と展開はどのようなものであったか。本書は、米軍基地が建設された1945年から沖縄返還が実現した1970年代初頭までの時期を対象に、その使用、拡張、縮小といった軍用地問題に対する沖縄の政治指導者と日米両国の指導者らの認識と行動を具体的に考察し、沖縄の米軍基地問題の本質を問い直す。

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